中国のゲーム開発会社、Game Science Interactive Technologyは、8月20日に発売が予定されている注目の新作「Black Myth: Wukong(黒神話:悟空)」に先立ち、PC版のベンチマークテストをSteamで公開しました。
ゲームの世界に没入する前に、自分のPCがどの程度のパフォーマンスを発揮できるか確認できるこのテストは、まさにゲーマーにとってありがたいものです。
しかも、このベンチマークテストは無料でダウンロードできるので、気軽に試してみることができます。
「黒神話:悟空」は、中国古典文学の名作「西遊記」をベースにしたアクションRPGで、その壮大な物語と個性的なキャラクターたちが精密に再現されています。
中国神話の深い世界観を背景に、圧倒的なビジュアルとシネマティックな体験が期待されており、ゲームファンだけでなく、歴史や文化に興味がある人々にも響く作品です。 特に注目すべきは、PC版で要求される推奨スペックの高さです。
「フルレイトレーシング」を有効にすると、光の反射や影の描写がこれまでにないほどリアルに再現され、そのクオリティをフルに楽しむためには、かなりのハイエンドPCが必要になります。
「黒神話:悟空」は最先端のグラフィック技術を駆使しています。
まるで現実の風景を見ているかのような体験が得られるでしょう。 「黒神話:悟空」は「NVIDIA社」の「DLSS」、「AMD社」の「FSR3」、「Intel社」の「XeSS」といった最新の高解像技術にも対応しています。
これらの機能を活用することで、フレームレートが向上し、よりスムーズなプレイが可能になります。
これからのゲーム体験に期待が高まる中、「黒神話:悟空」のベンチマークテストは、その一端を垣間見る絶好のチャンスと言えるでしょう。
ゲーム画面
ベンチマーク中に表示されるシーンは、まるでその場にいるかのような没入感があり、グラフィックの美しさに圧倒されます。
シーンは自然の中に広がる渓谷の風景です。
穏やかに流れる川の上に古い木製の橋がかかり、その周囲には青々とした木々や苔むした岩が見られ、自然の美しさが細部まで表現されています。
これまでのグラフィックと一線を画すのは、各オブジェクトが単なるテクスチャの貼り付けにとどまらず、シェーダーがしっかりと適用されている点です。
特にフルレイトレーシングを有効にすると、光の反射や陰影がリアルタイムで計算されるため、驚くほどリアルな映像が楽しめますが、その分パフォーマンスにはかなりの負荷がかかります。
システム要件
「推奨/最低」
OS・・・Windows 11 64-bit / Windows 10 (64bit必須)
プロセッサー・・・Intel Core i7-9700 / Intel Core i5-8400 Ryzen 5 5500 / Ryzen 5 1600
メモリー・・・16 GB
グラフィック・・・NVIDIA GeForce RTX 2060 / NVIDIA GeForce GTX 1060 AMD Radeon RX 5700 XT / INTEL Arc A750 / AMD Radeon RX 580
ストレージ・・・ 130 GB 利用可能
画質設定
PCゲームの魅力の一つは、家庭用ハードではできない細かな画質設定を自由に調整できる点です。
しかし、設定の詳細がわからないというユーザーも多いかもしれません。
そんな時は「推奨画質を適用」を選択するだけで、システムが自動的に最適な設定を行ってくれるので、とても便利です。
「黒神話:悟空」にはベンチマーク機能が搭載されているので、早速試してみました。
それではベンチマークを見ていきます。
ベンチマークスコア検証
PC構成
【CPU】AMD社「7950X3D」
【マザーボード】ASUS社「ROG STRIX X670E-I GAMING WIFI」
【メモリ】CORSAIR社「VENGEANCE DDR5, 6000MHz 32GB(16GBx2)」
【GPU】NVIDIA社「NVIDIA GeForce RTX 4090」「NVIDIA GeForce RTX 4070 SUPER」「NVIDIA GeForce RTX 4060 Ti」「リファレンスモデル版 RX7800XT」
【PSU】CORSAIR社「Corsair RM1000e」
【Ver】GeForce 560.94
「Resizable BAR」は有効にしています。
検証時は「プリセットー超高画質」に設定しています。
細かな設定は以下の通りです。
❶サンプリング解像度・・・100
❷フレーム生成・・・ON
❸フルレイトレーシング・・・ON
❹アップスケーリング・・・DLSS
スコアの結果は以下の通りです。
フレームレート(4K、WQHD、FHD)
フルレイトレーシングを適用し、「DLSS」を使っているにもかかわらず、全体的にかなり重く感じました。
特に「RX7800XT」では、フルHD設定でも「10fps」しか出ず、ゲームとしての快適性が著しく欠けています。
次はレイトレをオフにして試してみました。
「RTX 4090」では、4K解像度で軽く「60fps」を超えるものの、「DLSS」を活用した場合でも「80fps前後」と少し重めに感じました。
「RTX 4070 SUPER」では、WQHD設定で「60fps」を超え、かなり快適に遊ぶことができます。
ストレスを感じることはないでしょう。
「RX7800XT」のスコアが「RTX 4070 SUPER」に近く、4K解像度でも快適に遊べるレベルに達しました。
「RTX 4060 Ti」はエントリークラスながら、フルHD設定で「60fps」に近いスコアとなりました。
標準的な快適度を求めるなら「RTX 4060 Ti」以上の性能がオススメです。
ただし、ビデオメモリが「8GB」とやや不足気味で、ポリゴン欠けといった問題が懸念されるかもしれません。
プレイ感想
壮大な山岳地帯に佇む古風な建築物が、自然と見事に調和し、その美しさを際立たせています。
ベンチマークとしての機能を超え、息を呑むようなグラフィック表現が無料とは思えないほどのクオリティを誇っています。
高くそびえる山々が深い影を落とし、静寂ながらも神秘的な雰囲気を醸し出しています。
特に光の反射や影の描写がリアルで、これらが織り成す風景はプレイヤーをゲームの世界に深く引き込みます。
そんな風に、景色を楽しみながらベンチマークテストを終え、余韻に浸るひとときを味わいました。
良かったところ
❶無料でベンチマークテストが公開され、誰でも簡単にダウンロードして試すことが可能です。
❷高解像度対応の最新技術(DLSS、FSR3、XeSS)を搭載しており、よりスムーズなプレイが期待できる。
❸リアルなグラフィック体験が可能で、特に光の反射や影の描写が際立ちます。
残念な点、注意する点
❶ フルレイトレーシング設定を楽しむには、高スペックなハードウェアが必須です。
十分な性能を持ったPCがないと、その美しいグラフィックを十分に楽しむことができないかもしれません。
総評
「黒神話:悟空」は、その卓越したビジュアルとパフォーマンスでプレイヤーを圧倒しますが、最高の体験を得るには高スペックなPCが必要です。
「下四半期」には、新しいCPU「Intel Core」や「AMD Ryzen」の登場が予定されており、ゲーム市場とハードウェア市場がさらに盛り上がるでしょう。
「黒神話:悟空」をこれから楽しみたいと思っているなら、新しいPCの購入やアップグレードを検討し、是非、一度ベンチマークでそのパフォーマンスを試してみてはいかがでしょうか?
お目通し戴き、ありがとうございました。
AD: N.K