
今回ご紹介するのは2025年3月14日に発売されたAMD社「Ryzen 9 9950X3D」=以下、9950X3D」です。
価格は132,800円です。
❶「Ryzen 9 9950X3D」・・・2025年3月14日
価格・・・132,800円
❷「9900X3D」・・・2025年3月14日
価格・・・112,800円
スペックは以下の通りです。
| CPU | Ryzen9 9950X3D | Ryzen9 9900X3D | Ryzen7 9800X3D | Ryzen7 7800X3D | Ryzen7 5800X3D |
| コア数 | 16 | 12 | 8 | 8 | 8 |
| スレッド数 | 32 | 24 | 16 | 16 | 16 |
| ベースクロック | 4.3 GHz | 4.4 GHz | 4.7 GHz | 4.2 GHz | 3.4 GHz |
| ブーストクロック | 最大 5.7 GHz | 最大 5.5 GHz | 最大 5.2 GHz | 最大 5.0 GHz | 最大 4.5 GHz |
| L2 cache | 16 MB | 12 MB | 8 MB | 8 MB | 4 MB |
| L3 cache | 128 MB | 128 MB | 96 MB | 96 MB | 96 MB |
| 対応メモリ | 5600 MHz | 5600 MHz | 5600 MHz | 5200 MHz | DDR4-3200 |
| TDP | 170 W | 120 W | 120 W | 120 W | 105 W |
「9950X3D」は、AMD社の最新ハイエンドCPUで、「Zen 5アーキテクチャ」を採用した高性能モデルです。
- なぜ「X3D」が特別なのか?
- 「Ryzen 9 9950X3D」の特長
- 開封の儀
- 外観
- 「ポン付け」は絶対ダメ!
- 「Ryzen 9 9950X3D」のスコア検証
- 使ってみた感想
- 良かったところ
- 残念な点、注意する点
- 総評
- 主な仕様
- 関連商品
- トレンドアイテム
なぜ「X3D」が特別なのか?
「9950X3D」は、AMD社が誇る「3D V-Cache」搭載モデルです。
「L3キャッシュ」の容量は、通常の「Ryzen9」の3倍以上(最大192MB)にもなり、これは「CPUがゲームに必要なデータを、より多く・より近くに保持できる」ことを意味します。
例えば、敵の出現タイミングやAI処理などが頻繁なゲームでは、キャッシュが足りずに処理が遅れる=“重さ”につながることもありますが、この「X3Dモデル」なら、そうしたボトルネックごと吹き飛ばしてくれるポテンシャルがあります。
「Ryzen 9 9950X3D」の特長
❶主な特徴
コアとスレッド数・・・「16コア/32スレッド」を搭載し、「マルチタスク」や「並列処理」に強みを発揮します。
CCD(Core Complex Die)構成・・・「8コア」のチップを「2基」組み合わせることで、「合計16コア」を実現しています。
「3D V-Cache」・・・一方のCCDに第2世代の3D V-Cacheを搭載し、「L3キャッシュ」は「合計128MB」になります。
データアクセス速度が向上し、特にゲームや高負荷なクリエイティブ作業において高い効果を発揮します。
❷対応ソケット
最新の「Socket AM5」に対応し、将来のアップグレードにも柔軟です。
❸チップセット・その他の機能・・・IOD(入力/出力制御チップ)
「Ryzen 9000シリーズ」と同仕様のIODを搭載。
❹メモリ対応・・・「DDR5-5600」に対応し、高速なメモリアクセスが可能です。
❺拡張性・・・「最大28レーン」の「PCIe 5.0をサポート」しており、高速ストレージや最新のGPUと組み合わせられます。
❻統合グラフィックス・・・「RDNA 2アーキテクチャ」に基づくiGPU「Radeon Graphics」を内蔵。
❼消費電力
TDP(熱設計電力)・・・170W
PPT(最大電力制限)・・・200W
最高クラスの性能を求めるなら「Ryzen 9 9950X3D」の一択です。
コストを抑えつつ「3D V-Cache」の恩恵を受けたいなら「Ryzen 9 9900X3D」が有力な選択肢です。
用途や予算に応じて、自分に合ったモデルを選ぶと良いでしょう。
開封の儀



外観


「ポン付け」は絶対ダメ!
「9950X3D」を換装しただけでは「3D V-Cache」が反映されませんので必ず以下の手順を行ってください。

次は「BIOS」をダウンロードして「USBメモリ」に「CAPファイル」をコピーしてください。

コピーしたら一旦、再起動します。
電源投入後、ロゴが表示されますので「F2」を押します。
「BIOS画面」になったら「F7」を押して「ツール」→「ASUS EZ Flash 3 ユーティリティ」をクリックします。

先ほどコピーした「ROG CROSSHAIR X870E HERO BIOS 1203」を探してクリックするとアップデートが始まります。
これでアップデートは完了です。
❷「OS」も最新版にしておきます。

❸「チップセットドライバ」も最新版にアップデートします。

ダウンロードしたらインストールします。

システムを反映させるためにアイドリングで「数分間放置」するか「管理者権限」で開いた「コマンドプロンプト」で「Cmd.exe /c start /wait Rundll32.exe advapi32.dll,ProcessIdleTasks」のコマンドを実行してください。
個人的には簡単な「数分間放置」をオススメします。
❹「Win」+「G」を押して「Xbox Game Bar」を起動します。
すると上にバーが表示されます。

「設定」をクリックして「全般」→「これをゲームとして記憶する」に「チェック」を入れます。

「フィードバック」→「その他の診断情報を表示」をクリックして「KGL Version Loaded」と「KGL Service Version」が並んでいるか確認します。(筆者環境)

❺最後に「コントロールパネル」より「デバイスマネージャー」→「システムデバイス」をクリックします。
「AMD 3D-V-Cache Perfomance Optimizer」と確認できたら設定完了です。
それでは「Ryzen 9 9950X3D」のスコアを見ていきます。
「Ryzen 9 9950X3D」のスコア検証

【CPU】AMD社「Ryzen 9 9950X3D」
【マザーボード】ASUS社「ROG CROSSHAIR X870E HERO」
【メモリ】CORSAIR社「CORSAIR DDR5-7200MHz DOMINATOR TITANIUM 48GB ブラック [24GB×2枚] 」
【GPU】NVIDIA社「 Founders Edition「NVIDIA GeForce RTX 4090」
【PSU】CORSAIR社「Corsair RM1000e」
【AIO】EK社「EK-AIO Basic 240」
【Ver】GeForce 576.02
「Resizable BAR」は有効にしています。
3D MARK
CPU別スコア

Cinebench R23ー「CPU」

CPU別スコア

blender(V4.2.0)ー「CPU」
CPU別スコア

「モンスターハンターワイルズ」-「プリセットーウルトラ画質」

「平均フレームレート」

「黒神話:悟空」-「プリセットー超高画質」

「平均フレームレート」

「フォースポークン」-「デフォルト設定」

「平均フレームレート」

「Call of Duty: Modern Warfare 2」-「デフォルト設定」

「平均フレームレート」

「Horizon Zero Dawn」-「デフォルト設定」

「平均フレームレート」

「zombie army 4」-「デフォルト設定」
「平均フレームレート」

「アサシン クリード ヴァルハラ」-「デフォルト設定」
「平均フレームレート」

「ファークライ5」-「デフォルト設定」

「平均フレームレート」

ゴートリコン・ブレイクポイント-「デフォルト設定」
「平均フレームレート」

ディビジョン2-「デフォルト設定」

「平均フレームレート」

SHADOW OF THE TOMB RADER-「デフォルト設定」
「平均フレームレート」

デウスエクス マンカインド・ディバイデッド-「デフォルト設定」
「平均フレームレート」

strange brigade-「スケール150%」
「平均フレームレート」

トータルスコア・ゲームスコア(3D MARK、blender-省略)

以上、「Ryzen 9 9950X3D」のスコアでした。
使ってみた感想
早速、「GTA5」「サイバーパンク2077」「ホグワーツ・レガシー」「Assetto Corsa」などを軽くプレイしてみました。
解像度は「4K」や「5K」で試しましたが、パフォーマンス面では「Ryzen 9 9950X3D」と「7950X3D」「9800X3D」「285K」を比較しても、正直なところ体感差はほとんど感じられませんでした。
とはいえ、明確に違いが出たのが「エネルギー効率」です。
例えば「Cinebench R23」を使って高負荷テストを行ったところ、「9950X3D」は旧世代の「7950X3D」と比べて約80Wも高い電力を消費しました。
結果的に、消費電力としては「7950X」に近い水準です。
Cinebench R23の高負荷時 室温17℃


サーモグラフィ画像


最も高い温度は上部の「VRM周り」が50℃前後になります。
参考までに左「7950X3D」、右「7950X」 室温「19℃」となります。


このあと、「サイバーパンク2077」の「オーバードライブプリセット(5120×2160)」で検証した際の消費電力も測定してみました。

高負荷ゲーム中の消費電力(Watt)

プレイ中はだいたい「120W前後」で推移し、シーンによって多少の上下はあるものの、これがピークに近い値でした。
「 Ryzen Masterアプリ 」を使って「Ecoモード」に切り替えれば、シーンごとに賢く電力を抑えた運用が可能です。
最大性能を求める場面と省電力で十分な場面を使い分けられるのは、「9950X3D」ならではの大きなメリットだと感じました。
良かったところ
❶ 世界最速クラスの生産性性能
旧世代モデルを軽々と超えるアプリケーション性能です。
シーンによっては「7950X3D」を大きく引き離す場面もあり、「ゲームもできる作業マシン」ではなく、「仕事でも本気を出せるX3D」として一級品です。
❷ ゲーム性能は非X3D勢の中では別格
特に「1080p」では目を疑うようなフレームレートを実現します。
「9800X3D」を除けば他のCPUを圧倒する存在感です。
❸ 効率性の進化が見える
多コアでありながら、電力制御は非常に優秀です。
「Zen 5」 × 「3D V-Cache」という組み合わせの恩恵をしっかり感じられます。
❹ オーバークロックも楽しめる
「X3D」ながらアンロック対応という珍しさ。
「PBO」や「電圧調整」も可能で、自分好みに調整したい派にも手応えあります。
❺ 「Socket AM5」にそのまま対応
すでにAM5環境をお持ちなら、マザーボードをそのまま活かせるのも嬉しいポイントです。
無駄な出費を抑えてアップグレードできます。
❻ iGPUを内蔵
グラボなしでも映像出力が可能です。
トラブル時の保険やサブ環境としても安心できる構成です。
❼「AVX-512」をフルサポート
科学・技術系のアプリケーションとも相性抜群です。
「Intel社」だと限られたモデルでしか使えないこの命令セットが、標準で利用できます。
❽「 Eコアなし」のシンプル設計
「Eコア非搭載」のため、ソフトウェア互換性の不安も少なめです。
ビジネス現場でも安心して使える構成です。
残念な点、注意する点
❶フラッグシップ相応の価格
パフォーマンスに見合った価格帯ではありますが、やはり気軽に手を出せるものではありません。
「コスパ重視派」には不向きです。
❷ゲーム時の消費電力は高め
9800X3Dよりもゲーム中の消費電力は大きめです。
特に熱設計や電源ユニットのスペックには注意が必要です。
❸ポテンシャルを引き出すには一手間必要
「Microsoft Game Bar」経由のプロファイル適用など、最適化の作業はやや手間です。
ただし、このひと手間で大きく変わるのも事実です。
❹AI処理向けNPUは非搭載
今後増えていくであろうAI処理のローカル加速には対応していません。
AI用途を重視する人には物足りないかもしれません。
❺冷却環境には気を配りたい
TDPは170Wと高めです。
「高品質な空冷」 or 「水冷」は前提と考えたほうが安心です。
総評
「9950X3D」は「ゲームも仕事も妥協しない、超実力派の「全部盛り」CPUです。
「9950X3D」は、ゲームにも強く、生産性にも抜け目がありません。
まさにAMD社が「X3D」を仕事にも通用するプロセッサに昇華させた結果であり、従来の「ゲーム専用機」的な立ち位置を超越しています。
特に、「ソフトウェア」や「BIOS」の最適化が進んだ「AM5プラットフォーム」との相性は良好で、起動時間や互換性も心配無用です。
さらに「オーバークロック対応」や「iGPU搭載」など、玄人も喜ぶ細やかな配慮が光ります。
ただし、価格はそれなりに高く、電力・冷却の設計も問われるため、万人向けとは言えません。
シンプルに「最高の体験をしたい人」には強くおすすめできますが、「コスパ」「簡単構成」を重視する方には「Ryzen 7 7800X3D」やI「ntel Core i5/i7」の選択肢も考慮することもよいでしょう。
よって、こんな人にオススメです。
❶「ハイエンドゲーマー」で「クリエイター」でもある人
❷オーバークロックや最適化も楽しめる中〜上級者向け
❸すでに「AM5環境」が整っているアップグレーダー
❹「ゲーム」も「仕事」も一台でこなしたいマルチユース派
今ある最強こそ所有感は間違いなく満たされます。
数年も力強く現役であるからこそ「Ryzen 9 9950X3D」と共に新世代を歩みませんか?
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
AD: N.K
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主な仕様
ソケット形状 -LGA1718
コア数-16コア スレッド数-32
クロック周波数-4.3GHz
最大動作クロック周波数-5.7GHz



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