新世代は旧世代を大きく超えよ

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【伝統と革新が出会う!】ASUS社ポータブルゲーム機「ROG Xbox Ally X」をレビュー

今回ご紹介するのは2025年10月16日に発売されたASUS社ポータブルゲーム機「ROG Xbox Ally X」です。

「ROG Xbox Ally X」の詳細はこちら

価格は139,800円(税込)です。ASUS様より貸出提供】

 

「ROG Xbox Ally シリーズ」のラインナップは以下の通りです。

 

❶「ROG Xbox Ally X」・・・139,800円(税込)

 

❷「ROG Xbox Ally」・・・89,800円(税込)

Xboxの手触り、ROGの性能!

「ROG Xbox Ally X」は、「Xboxコントローラー」の洗練された操作性と、「ROG Ally X」が誇る高性能ゲーミングPCとしての機能を融合した、新世代モバイルゲーミングデバイスです。

滑らかな曲線とミニマルなデザインは手に自然に馴染み、長年の「Xboxコントローラー」の信頼性が操作感を支えています。

厚みのあるグリップと滑りにくいテクスチャ加工により快適なホールド感を実現します。

 

ディスプレイ一体型の設計は高い没入感をもたらします。

軽快な操作性と圧倒的なパフォーマンスを両立する「ROG Xbox Ally X」は、カジュアルからハードコアゲーマーまで幅広く対応し、多様なプレイスタイルに柔軟に応える一台です。

「ROG Xbox Ally X」の特長

❶電源ONで即、Xboxの世界へ・・・電源を入れた瞬間から始まる、フルスクリーンのXbox体験

 

Game Barやチャット機能にもワンタッチでアクセスでき、ゲームをすぐに楽しめます。

 

❷手のひらで次世代パワー・・・最新のAMD Ryzen AI Z2 Extremeを搭載

 

AI対応NPUが未来のゲーミング体験を可能にし、AAAタイトルも快適に動作します。

 

❸7インチ × 120Hzの超没入ディスプレイ・・・明るく滑らかなフルHD・120Hzのタッチディスプレイを搭載

 

FreeSync PremiumとGorilla Glassによる保護で、あらゆるシーンで鮮やかな映像を提供します。

 

❹80Whの超大容量バッテリー・・・大容量バッテリーにより、長時間のプレイも安心

 

サイレントモードでも高いパフォーマンスを維持し、外出先でもストレスなく楽しめます。

 

Xboxから着想を得た完璧な操作感・・・テクスチャ加工を施したグリップや、インパルストリガー、RGBライティングを採用

 

コントローラー一体型デザインで、快適な操作性を実現しました。

 

❻ゼログラビティ冷却で長時間プレイ・・・ROG Intelligent Coolingによって、どの角度でも安定した冷却性能を発揮

 

熱を気にせず、プレイに集中できます。

 

クラウドもローカルも、すべてが遊び場・・・Xbox Cloud GamingやRemote Playに対応

 

Windows11を搭載し、Game PassからSteamまで、膨大なゲームライブラリへアクセス可能です。

 

❽ カスタム自在なストレージと拡張性・・・交換可能なストレージやUSB4対応に加え、XG Mobileとの接続で、デスクトップ級のパフォーマンスと拡張性を手に入れることができます。

開封の儀

内容物
ROG Xbox Ally X本体、ACアダプター、製品マニュアル、製品保証書

外観

「ROG Xbox Ally X」をチェックする

ボディカラーはブラックでプラスチック素材を採用しています。

 

旧世代「ROG Ally X」と同様の大型ボディながら、グリップやスティック、十字キー、トリガーボタンが改良されており、快適なホールド感を体感できます。

重量は公式スペックの「715g」に対し実測で「723g」となります。

 

タブレットPCやノートPCより軽量ですが、本体が大きいため持ち運び時は余裕のあるバッグをオススメします。

 

パッケージの上蓋裏には「ROG Xbox Ally X スタンド」が付属しており、手持ちプレイ以外のスタイルにも対応可能です。

スタンドを活用すれば、本体をモニターのように立てかけて使用できるほか、キーボードやマウスを組み合わせることで、まるでデスクトップPCのように操作することも可能です。

Bluetooth対応周辺機器で配線不要、スマートなスペース活用が可能です。

 

コントローラー周りを見てみます。

 

サイドには2つのボタンがあり、奥には「左トリガー」が備わっています。

側面には2つのボタンと左トリガーを備え、親指が自然に届く位置に左スティックと方向ボタン、近くには表示ボタンおよびコマンドセンターボタンが配置されています。

手にしっかりと馴染む握り心地で、操作ポジションも非常に良好です。 

背面のマクロボタンは薬指の位置に設計されており、意識的に操作することで誤入力を防ぐ構造となっています。

 

 

 

無意識に触れるよりも、必要なときに確実に押す設計の方が、個人的には扱いやすく感じられました。

 

また、自然にポジションを取ると親指がアナログスティックとボタンの間に位置し、操作がスムーズになります。

また、本体に施されたROGデザインの通気口も、視覚的なアクセントとして印象的です。

本体上部のインターフェース周りを見てみます。

 

左から「指紋認証対応電源ボタン」「マイクロホン/ヘッドホン・コンボジャック」「microSDカードリーダー」「音量調整ボタン」「USB3.2 (Type-C/Gen2/Power Delivery対応) 」「USB4 (Type-C/Power Delivery対応)」が備えています。

「USB3.2 GEN Type-Cポート」は2基搭載されていますが、複数のUSB機器を同時に接続したい場合には、別途「USB C ハブ」が必要です。  

 

一般的なUSB-Cハブによる拡張が可能となり、利便性が大きく向上しました。

それでは「ROG Xbox Ally X」を起動してみます。

電源ボタンを押すと「Windows11」のインストール手順が始まります。

セットアップ完了後はデスクトップ画面が表示され、左上の「Xboxボタン」を押すことでゲームバーが瞬時に起動します。

ホーム画面やライブラリ、画面キャプチャ、チャット機能などへスムーズにアクセスできます。

ユーティリティアプリ「Armoury Crate SE」では、コントロールモードの切り替えやコマンドセンターの編集、「ROG Xbox Ally X」本体のセットアップまで一括で管理可能です。

細部にわたるカスタマイズにも対応しており、快適かつ効率的な操作環境を実現します。

 

「コントロールモード」では、ゲームパッドの操作に関するカスタマイズができ、「ゲームパッドモード」と「デスクトップモード」でそれぞれ異なる設定を適用可能です。

キーマッピングやトリガー感度の調整も自由に行え、項目の追加・削除や順序の変更もシンプルに操作できます。

ライティング設定を見てみます。

LEDライティングは左右のスティックに対応しており、好みに合わせてカラーのカスタマイズが可能です。

本体の概要と初期設定が完了したところで、続いて「ROG Xbox Ally X」のパフォーマンスを確認していきます。

「ROG Xbox Ally X」」のパフォーマンスを検証!

「ROG XBOX ALLY X」の実力を、各種ベンチマークとゲームテストを通じて検証します。

 

使用するシステム構成をご紹介したうえで、順にパフォーマンスを確認していきます。

定番のグラフィックベンチマーク3DMark」から検証を行います。

「ROG Xbox Ally X」は携帯型デバイスでありながら、デスクトップ向けミドルクラスGPUに匹敵する描画性能を発揮します。

 

特に「FireStrike」では、「GTX1650」や「GTX1050 Ti」を上回るスコアを記録しました。

 

多くのゲームタイトルにおいて、フルHD・中設定でも快適なプレイを実現しており、携帯性とパフォーマンスのバランスに優れた、完成度の高いゲーミングデバイスと言えるでしょう。

 

続いて、CPU性能については「Cinebench R23」を使用して測定を実施します。

マルチスレッド性能は旧世代モデルをわずかに下回るものの、シングルスレッド性能は約10%向上しました。

 

デスクトップ向けCPUであるCore i5-13400Fと同等のスコアを記録しました。

 

ゲームプレイはもちろん、動画編集やエミュレーターの利用、軽度なマルチタスクにも十分対応可能な処理性能を備えています。

 

実際のゲームタイトルを用いたテストとして、「Shadow of the Tomb Raider」(フルHD・最高設定)では、平均40fpsを安定して維持します。

「GTX1650クラス」のGPUに匹敵する性能を示しており、旧モデルと比較しても明確な進化が見られました。

使ってみた感想

ゲーム性能にまだ余裕が感じられたため、最新ゲームタイトル「Battlefield 6」にてさらなる性能検証を行いました。

 

テストでは、各設定に対して「自動(バランス)」のプリセットとネイティブ解像度、AMD社のアップスケーリング技術「FSR(FidelityFX Super Resolution)」を有効にした構成で実施しています。

 

フレームレートの計測には、NVIDIA社製のモニタリングツール「FrameView」を使用しました。

「ROG Xbox Ally X」は、FSRを有効化した際に顕著なパフォーマンス向上を示しており、特に「FSR - バランス」から「FSR - 超高パフォーマンス」へと設定を変更した場合、平均フレームレートは「44fps」から「118fps」へと約2.7倍の伸びを記録しました。

 

「最小fps」も大幅に改善されており、映像の安定性や滑らかさの向上が体感できます。

 

こうしたFSRの効果を自然に引き出せる設計によって、「ROG Xbox Ally X」は高解像度と高フレームレートを両立する携帯型ゲーミングデバイスとしての完成度をさらに高めています。

 

次はゲーム中の内部温度を見てみます。

ゲームプレイ中のGPU温度は「約72℃」、「CPU温度」は「約75℃」と発熱はあるものの、「ROG Intelligent Cooling」によって効果的に冷却されます。

サーモグラフィにて見てみます。

サーモグラフィーで確認した吹き出し口の温度は「最大60℃」ほどですが、触れてもやけどするほどではなく、安心して使用可能です。

 

続いて、ACアダプターを取り外し、バッテリー駆動時のパフォーマンスを実際に検証しました。

約120分間のプレイ中におけるバッテリー残量の推移は以下の通りです。

 

  • 開始時点:100%

  • 60分経過後:70%

  • 120分経過後:33%

 

ゲームプレイ中は比較的発熱が見られたものの、消費電力は想定より控えめであると感じられました。

 

また、「ROG Xbox Ally X」の起動時および各状態における消費電力も計測しています。

 

  • ゲームプレイ時:68W

  • YouTube再生時:64W

  • アイドル時:63W

 

いずれの状態においても、バッテリー残量100%時と比較して消費電力に大きな差はなく、安定した電力管理が実現されていることが確認できました。

 

加えて、これだけの性能があれば「VR」タイトルも快適に動作するのではないかと考え、検証を行いました。

今回は、VRゲームの定番であるリズムゲーム「Beat Saber」を使用してテストを実施します。

 

PC向けの「VR専用ケーブル」を「ROG Xbox Ally X」に接続し、セットアップを進めました。

インストールはスムーズに完了し、ゲームを起動します。

デフォルト設定ではやや動作が重かったものの、設定を可能な限り軽量化することでデバイスへの負荷を抑え、最終的には「120Hz」に迫る非常に滑らかなプレイが可能となりました。

画質に若干の粗さはあるものの、そもそも「Oculus Quest 2」自体がやや旧世代のハードであるため、現行のVR環境と比較しなければ十分に実用レベルであり、違和感なく快適にプレイすることができました。

振り返れば、「VR元年」と呼ばれた初期の頃には、「携帯型VR環境」と言えば「数キログラム」にも及ぶ「ハイスペックノートPC」を背負っての利用が主流でした。

 

しかし現在、「ROG Xbox Ally X」はポーチに収まるコンパクトな筐体ながら、高い処理性能と携帯性を両立しており、手軽にVR体験が楽しめる時代へと進化していることを実感できました。

良かったところ

Xboxコントローラー譲りの高い操作性・・・厚みのあるグリップと滑りにくいテクスチャ加工により、長時間のプレイでも疲れにくい快適なホールド感を実現しています。


また、親指が自然にスティックとボタンの間に位置する設計により、誤操作を防止する工夫も施されています。

 

❷ 最新AMD Ryzen Z2 Extreme搭載による圧倒的なパフォーマンス・・・「Cinebench R23」や「3DMark」のベンチマークで「GTX1650クラス」を上回るスコアを記録


AAAタイトルも中~高設定で快適に動作し、携帯型デバイスとしては驚異的な処理性能を誇ります。

 

❸ 7インチ・フルHD・120Hzの高品質ディスプレイ・・・FreeSync Premium対応により滑らかな映像表示を実現し、Gorilla Glassによる強化ガラスが耐久性を支えます。


没入感の高い画面が、多彩なゲームプレイを力強くサポートします。

 

❹ 大容量80Whバッテリーと静音冷却システム・・・長時間のバッテリー駆動が可能で、サイレントモード時も高いパフォーマンスを維持します。


ROG Intelligent Coolingにより、発熱も効果的にコントロールされています。

 

❺ 高い拡張性と柔軟なカスタマイズ性・・・交換可能なSSDやUSB4対応ポート、Bluetooth対応の周辺機器との連携に対応

 

VRおよびクラウドゲームへの対応・・・「Beat Saber」のテストでは高フレームレートで快適に動作します。


Xbox Cloud GamingやSteam Remote Playも利用でき、多様な遊び方に柔軟に対応します。

 

❼ 高品質な7インチFHDディスプレイ・・・フルHD解像度と120Hzの高リフレッシュレートに対応した7インチディスプレイは、滑らかで快適な映像体験を実現

 

AMD FreeSync Premiumによる描画の安定性に加え、Gorilla Glass採用により高い耐久性も確保し鮮やかな色彩表現と深みのある黒の階調が、映像の没入感をさらに引き立てます。

残念な点、注意する点

❶ベゼルの太さ・・・ディスプレイ周囲のベゼル幅がやや広め(約9mm)で、視認性の点ではもう少し改善を期待したいところです。

特に細かなUIが多いゲームでは気になるユーザーもいるかもしれません。

 

❷重量と携帯性・・・「723g」という重量は、タブレットより軽量なものの、手に持ったままの長時間プレイではやや疲れを感じるかもしれません。

 

専用スタンドの活用や設置スタイルを工夫する必要があります。

 

❸USBポートの使い勝手・・・USB-Cポートは2基ありますが、複数の機器を接続するにはUSB-Cハブが必須です。

 

ゲーム中の周辺機器利用を想定するなら、アクセサリの追加も検討した方が良いでしょう。

 

❹内蔵スピーカーの音質・・・内蔵スピーカーは日常利用に十分な品質を備えていますが、より高精細な音響体験を求める場合は、ヘッドホンや外部スピーカーの使用がオススメです。

 

Xboxボタンによるゲーム起動時の操作感・・・Xboxボタンを利用したゲーム起動機能は便利ではあるものの、Steam経由でゲームを起動する際にはアプリを介する必要があり、操作がやや煩雑に感じられる場合があります。

 

なお、EA app経由では、現状DirectX12とAMDドライバーの干渉により起動できない事例が報告されており、今後のアップデートによる改善が期待されます。

総評

「ROG Xbox Ally X」は、「Xbox」の洗練された操作感と「ROG」が誇る高性能を見事に融合した、新時代の携帯型ゲーミングデバイスです。

 

「ゲーム専用機」のような使いやすさと、「ゲーミングPC」に匹敵する処理能力・拡張性を兼ね備えており、携帯ゲーム機の枠を超えた完成度を誇ります。


AAAタイトルやVRクラウドゲームなど幅広いジャンルに対応できるため、多様なプレイスタイルを持つゲーマーから高い支持を得るでしょう。


とはいえ、ベゼルのサイズや本体重量、USBポートの数など、細かな点で改善の余地はあります。

 

購入を検討する際は、使用環境に合うかどうかをよく確認することをオススメします。


しかしながら、2025年の携帯型ゲーミング市場において「ROG Xbox Ally X」は間違いなく注目すべき存在でありハンドヘルドとPCゲーミングの「いいとこ取り」を求めるユーザーにとって、非常に満足度の高い選択肢になるでしょう。

 

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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主な仕様

本体サイズ-突起部除き幅290.0mm、奥行き121.0mm、高さ27.5~50.9mm
スティック先端までの厚み-59.73mm

重量-723g(実測)

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