今回ご紹介するのは2022年2月2日に発売されたAMD社「Ryzen 7 8700G 以下、8700G」です。
価格は57,800円(税込)です。
以前に「8700G」の「CPU性能編」を投稿していますのでお時間がございましたら目を通していただけると幸いです。
【ゲーム性能が劣化しない!?】AMD社 新型APU「Ryzen 7 8700G」をレビュー【CPU編】
AMDが新しいRyzen 8000Gシリーズが2月2日に発売されました。
各モデルの価格は以下の通りです(税込)
❶「Ryzen 7 8700G」・・・5万7800円(税込)
❷「Ryzen 5 8600G」・・・3万9800円(税込)
❸「Ryzen 7 8700G」・・・2万9800円(税込)
全てのモデルにはCPUクーラーが付属していますが、「Ryzen 3 8300G」はOEM向けのモデルであり、一般向けの販売は予定されていません。
「Ryzen8000Gシリーズ」は、「Ryzen 7000シリーズ」よりも強力なGPU性能を実現し、「APU(Accelrated Processing Unit)」という名前が付けられました。
「Ryzen8000Gシリーズ」は、以下のようなユーザーにピッタリです。
❶Ryzen 7000シリーズの内蔵GPUが不十分だと感じている。
❷安価なグラフィックボードの購入を避け、消費電力を抑えたいと考えている。
それではスペックを見てみます。
CPU | Ryzen 7 8700G | Ryzen 5 8600G | Ryzen 5 8500G |
コア数 | 8 | 6 | 2(4) |
スレッド数 | 16 | 12 | 12 |
ベースクロック | 4.2GHz | 4.3GHz | 3.5GHz(3.2GHz) |
ブーストクロック | 5.1GHz | 5.0GHz | 5.0GHz(3.7GHz) |
GPUコア | 12 | 8 | 4 |
L2 cache | 8MB | 6MB | 6MB |
L3 cache | 16MB | 16MB | 16MB |
対応メモリ | DDR5-5200 | DDR5-5200 | DDR5-5200 |
iGPU | Radeon 780M | Radeon 760M | Radeon 740M |
グラフィックス周波数 | 2900MHz | 2800MHz | 2800MHz |
PCI Expressバージョン | PCIe 4.0×20 | PCIe 4.0×20 | PCIe 4.0×14 |
TDP | 65W | 65W | 65W |
CPU | Ryzen 7 8700G | Ryzen 7 5700G | 14500 | 7600X | Ryzen7 5800X3D |
コア数 | 8 | 8 | 14(6P+8E) | 6 | 8 |
スレッド数 | 16 | 16 | 20 | 12 | 16 |
ベースクロック | 4.2GHz | 3.8GHZ | 2.6 GHz (P) | 4.7 GHz | 3.4 GHz |
ブーストクロック | 5.1GHz | 4.6GHz | 5.0 GHz (TVB) | 5.3 GHz | 最大 4.5 GHz |
L2/L3 cache | 8/16MB | 4/16MB | 11.5/24 MB | 6/32 MB | 4/96 MB |
対応メモリ | DDR5-5200 | DDR4-3200 | DDR5-4800 / DDR4-3200 | DDR5-5200 | DDR4-3200 |
TDP | 65W | 65W | 65W | 105W | 105 W |
「8700G」は旧世代の「5700G」と比較して、「ベースクロック」が「4.2GHz」に、「ブーストクロック」が「5.1GHz」にそれぞれ「0.4GHz」「0.5GHz」スペックアップしています。
また、「L2キャッシュ」は「8MB」となり、2倍に増量しました。
内蔵グラフィックスでは、「Radeon Graphics」から「Radeon 780M」へとモバイル向けGPUが採用され、フレームレートが格段に向上し、フルHDでのゲーム体験がより楽しめるようになりました。
- 「Ryzen 8000Gシリーズ」の魅力とは?
- 開封の儀
- 外観
- 「Ryzen 7 8700G」のスコア検証
- 使ってみた感想
- 良かったところ
- 残念な点、注意する点
- 総評
- 主な仕様
- 関連商品
- トレンドアイテム
「Ryzen 8000Gシリーズ」の魅力とは?
モバイル向け新しいデスクトップ向け製品が登場しました。 「Ryzen」と同じく「Zen4」の「CPU」と「RDNA3」の「iGPU」を採用しています。
モバイルRyzen 7000シリーズ(コードネーム:Phoenix)と同様に、このデスクトップ向け「Ryzen 8000Gシリーズ」も「iGPU」には「Radeon 700M」が搭載されています。
「CU数」は最大で「12基」まで搭載されており、グラフィック性能に優れています。 「iGPU」を活かすと、画質が低くてもフルHD解像度でのゲームプレイが可能です。
また、「AFMF(Adaptive Frame Rate Matching Function)」を活用することで、さらに「FPS」も向上させることができます。
一方で、「Ryzen 7000シリーズ」のiGPUは「Zen2アーキテクチャ」を採用しており、「CU数」も「2基」にとどまっています。
そのため、描画性能は最低限となります。 上位の2モデルにはAI処理専用の「Ryzen AI NPU」が搭載されており、高度なAIタスクの処理にも対応しています。
開封の儀
外観
「Ryzen 7 8700G」のスコア検証
PC構成
【CPU】AMD社「Ryzen 7 8700G」
【マザーボード】ASUS社「ROG STRIX X670E-I GAMING WIFI」
【メモリ】CORSAIR社「DOMINATOR PLATINUM RGB 32GB 2x16GB DDR5 DRAM 6200MHz」
【PSU】CORSAIR社「Corsair RM1000e」
【AIO】ASUS社「ROG RYUJIN II 240」
【Ver】Adrenalin 24.2.1
「Resizable BAR」は有効にしています。
3D MARK
GPU別スコア
「zombie army 4」-「デフォルト設定」
「平均フレームレート」
「アサシン クリード ヴァルハラ」-「デフォルト設定」
「平均フレームレート」
「ファークライ5」-「デフォルト設定」
「平均フレームレート」
ゴーストリコン・ブレイクポイント-「デフォルト設定」
「平均フレームレート」
ディビジョン2-「デフォルト設定」
「平均フレームレート」
SHADOW OF THE TOMB RADER-「デフォルト設定」
「平均フレームレート」
デウスエクス マンカインド・ディバイデッド-「デフォルト設定」
「平均フレームレート」
strange brigade-「スケール150%」
「平均フレームレート」
ゴーストリコン ワイルドランズ-「デフォルト設定」
「平均フレームレート」
トータルスコア、ゲームスコア(3D MARK、blender-省略)
以上、「Ryzen 7 8700G」のスコアでした。
使ってみた感想
「8700G」でベンチマークタイトルを軽くプレイしてみましたが、旧世代である「5700G」と比べると、フルHD解像度の「最高設定」でも「30fps」をキープできるので、家庭用ゲーム機と同様の体験ができます。
さらに驚いたことに、画質を「中設定」に下げると、安定して「50fps」でプレイできました。
「8700G」の性能「5700G」と比べてゲーム性能は「約2倍」です。
この進化は過去の世代では考えられないものです。
一方、「5700G」では、動作が可能といった程度の性能であり、遊べるとは言い難かったです。
グラフィックボードを換装しない前提で、超小型PCを構築する際には、「8700G」は最適な「CPU」です。
良かったところ
❶中途半端なローエンドのグラフィックボードが不要です。
2015年ごろのタイトルならフルHDでの「最高画質」で「30fps」を安定してキープします。
また、一般的なオフィス作業やウェブブラウジングなどの軽いタスクにも非常に最適です。
特に、グラフィック処理を必要としない作業においては、高い性能を発揮します。
❷低コストでの性能効率の向上・・・「8700G」は比較的低価格でありながら、良好な性能効率を発揮します。
予算を少しでも抑えつつも必要な3D性能を確保できる点がメリットです。
❸「8700G」は低いTDP(65W)で運用が可能で省エネルギー性に優れています。
長時間の使用でも電力消費を抑えることができます。
省エネ性が高いため、電気料金の節約や環境への配慮にも貢献します。
残念な点、注意する点
❶ 旧世代の「5700G」と同様に、メモリスピードに依存します。
AMDの推奨環境では、例えば「4800MHz」と「6200MHz」の場合、「6200MHz」を強く推奨しています。
手元に「4800MHz」「6000MHz」「6200MHz」があるため、時間があれば試して結果を報告します。
❷ 「8700G」をCPUとしてはオススメしません。 「8700G」が57,800円で販売されているのに対し、ゲーム特化専用CPUで人気の「Ryzen 7 7800X3D」は現在49,800円で販売されています。
「L2.L3キャッシュ」が「8700G」が「24MB」に対し「7800X3D」は「104MB」と「約5倍」くらいの差があります。
また、PCIeが「8700G」が「Gen4×20」に対し「7800X3D」は「Gen5×28」となっています。
将来的にどう構築していくのかを最初に決めておくことが重要です。
最初は「GPUなし」で組み立てて、後で必要に応じGPUの追加を行う柔軟性が「8700G」の強みです。
❸ 最新のゲーム(2023年)を「8700G」で本格的にプレイするのは向いていません。
あくまで2015年ごろのゲームを気晴らしに遊ぶ場合には、「8700G」が最適です。
総評
「Ryzen 7 8700G」は遂に「CPUだけ」でゲームを楽しむことができるようになりました。
「8700G」はグラフィックボードのスペースを省いた「グラボレス超小型PCケース」にピッタリです。
最近の「Mini-itxケース」は、大型のグラフィックボードに合わせて「MicroATXケース」としても使えるような大きなものが増えています。
しかし、グラフィックボードのスペースを省いた超小型PCケースはまだ数が少ないです。
「8700G」は、過去の世代では考えられないほどの進化した「高性能CPU」と「ローモデルグラフィックボード」が1つにパッケージされた「APU」です。
「8700G」の単体での3D性能向上により、以前は考えられなかった「グラボレス超小型PC」が注目されるでしょう。
「グラボレス超小型PC」を共に探し、情報を共有しませんか?
お目通し戴き、ありがとうございました。
AD: N.K
主な仕様
ソケット形状 -LGA1718
コア数-8コア スレッド数-16
クロック周波数-4.2GHz
最大動作クロック周波数-5.1GHz