今回ご紹介するのは2024年1月17日に発売されたNVIDIA社「NVIDIA GeForce RTX 4070 SUPER=以下、RTX4070S-FE」です。
価格は599ドルです。
「RTX4000 SUPERシリーズ」のラインナップは以下の通りです。
❶「GeForce RTX 4080 SUPER」
発売日 1月31日
価格・・・999ドル
❷「GeForce RTX 4070 Ti SUPER」
発売日 1月24日
価格・・・799ドル
❸「GeForce RTX 4070 SUPER」
発売日 1月17日
価格・・・599ドル
スペックを見てみます。
GPU | RTX 4080 SUPER | RTX4070 Ti SUPER | RTX4070 SUPER |
コア数 | 10240 | 8448 | 7168 |
ベースクロック | 2210 Mhz | 2210 Mhz | 1980 Mhz |
ブーストクロック | 2550 MHz | 2550 MHz | 2480 MHz |
メモリ | 16 GB | 16 GB | 12 GB |
メモリ種類 | GDDR6X | GDDR6X | GDDR6X |
バス幅 | 256-bit | 256-bit | 192-bit |
メモリ帯域幅 | 736 GB/S | 672 GB/S | 504 GB/S |
TDP | 320 W | 385 W | 220 W |
- 「RTX4070S」は「2スロット」のラインナップが豊富!
- 「NVIDIA GeForce RTX 4070 SUPER」の特長
- 開封の儀
- 外観
- 「NVIDIA GeForce RTX 4070 SUPER」をチェックする
- 換装の際の準備
- ドライバをインストール
- 「NVIDIA GeForce RTX 4070 SUPER」のスコア検証
- 使ってみた感想
- 良かったところ
- 残念な点、注意する点
- 総評
- 主な仕様
- 関連商品
- トレンドアイテム
「RTX4070S」は「2スロット」のラインナップが豊富!
今回の「RTX 4070 SUPER」のラインナップには「RTX4070S-FE」の他に各メーカーが多くの「2スロット」モデルを用意しています。
しばらく押し入れに眠っていた小型PCケース、LOUQE社「Ghost S1 Mk II」が冬眠から目を覚まし、活躍する時がやってきました。
各メーカーの「2スロット仕様」のラインナップを紹介します。
❶ Palit社「NED407S019K9-1043D」 - 269.1x127.5x40.1 mm
❷ MSI社「GeForce RTX 4070 SUPER 12G VENTUS 2X OC」 - 242x125x43 mm
❸ PNY社「GeForce RTX 4070 SUPER 12GB VERTO OC」 - 247.4x120.4x40.8 mm
❹ ZOTAC社「ZOTAC GAMING GeForce RTX 4070 SUPER Twin Edge OC」 - 234.1x123.5x40.2 mm
❺ ELSA社「ELSA GeForce RTX 4070 SUPER S.A.C GD4070S-12GERS」 - 250x118x42 mm
❻ GAINWARD社「GeForce RTX 4070 SUPER Ghost NED407S019K9-1043B-G」 - 269.1x131.8x40.1 mm
以上、厚みが「43mm以下」のものをまとめました。
「RTX4070S」の最大の強みは、旧世代フラッグシップモデルである「RTX3090」を凌駕する性能を持っています。
ゲーム性能はもちろんのこと、省エネ性能を兼ね備えつつも「RTX3090」をコンパクトに詰め込んだグラフィックボードと言えるでしょう。
過去の「RTX70シリーズ」は、「GTX世代」から始まり、常にフラッグシップモデルに匹敵するパフォーマンス性能を提供してきました。
例えば、フラッグシップモデルである「RTX2080Ti-FE」が「2スロット仕様」であったことを振り返ると、その価値が感じられます。
「RTX3000シリーズ」以降、「3スロット」が一般的になり、将来的には「4スロット化」も考えられます。
技術の進歩に伴い、フラッグシップモデルはますます大型化しており、「2スロット仕様」のフラッグシップVGAは現実的ではありません。
しかし、押し入れに眠っていたMini-ITXケースに「RTX4070S-FE」を換装し、「2スロット仕様」のグラフィックボードが今後も活躍する機会があると思いました。
現在、SFF向けの「2スロット仕様」のMini-ITXケースを販売していたメーカーも、「3スロット仕様」のMicro-ATXを兼用できるケースに移行しています。
今や、希少性が高い「2スロット仕様」の小型PCケースは絶滅の危機に瀕しています。
そのような状況の中、「RTX70シリーズ」は引き続き「パフォーマンス性能」と「省エネ性能」を兼ね備え、「2スロット仕様」として末永く存在してほしいと、SFFファンとして願っています。
「NVIDIA GeForce RTX 4070 SUPER」の特長
❶薄いのに冷える・・・90mm径の口径ファンが表裏に1基ずつ搭載され、高い冷却性能を実現しています。
❷ ブラケット部のデザイン・・・画面出力端子は「DisplayPort×3基」と「HDMI×1基」で構成し、「2スロット」を占有するブラケットには大きな通気口が設けられています。
❸補助電源コネクタ「12VHPWR」・・・グラフィックボードの上部には12+4ピンの「12VHPWR」を1基搭載し、PCIe 5.0世代のグラフィックボード向けに設計された新しい電源コネクタを採用しています。
PCIe 8ピン電源コネクタを「12VHPWR」に変換するアダプタも同梱されています。
開封の儀
内容物
変換アダプター
外観
「NVIDIA GeForce RTX 4070 SUPER」をチェックする
「Founders Edition」はNVIDIAの純正モデルで、そのボディは金属製で覆われています。
ボディのカラーは、ブラケット以外は「マットブラック塗装」が施されており、高級感が漂います。
前面と背面にそれぞれ1基の冷却ファンを備えたGPUクーラーを搭載しています。
ファンの外径は「90mm」です。(実測)
サイドには配線やコンデンサーなどが細かく配置されたカスタムモデルとは異なり、見た目の乱雑さがありません。
ファンのブレードが外枠と一体成型された「ヒートシンク」を通って熱を排出し、効果的な冷却が行われます。
またGPUへの負荷が低い場合はファンの回転を停止する機能を備えています。
次はインターフェース周りを見てみます。
「ディスプレイポート」が3つ、「HDMI」が1つ装備しています。
「補助電源コネクタ」は1基の16ピンタイプの「12VHPWR」を使用します。
基板の短さにより「補助電源コネクタ」はグラフィックボードのほぼ中央に配置されています。
それでは「NVIDIA GeForce RTX 4070 SUPER」のスコアを見ていきます。
換装の際の準備
グラフィックボードを取り換えるときに古いドライバの削除をおススメします。
ドライバをインストール
グラフィックボードを換装したら「GeForce」ドライバをダウンロードしインストールします。
「NVIDIA GeForce RTX 4070 SUPER」のスコア検証
PC構成
【PCケース】「Fractal Design North Charcoal Black」
【CPU】INTEL社「Core i9-14900K」
【マザーボード】ASUS社「ROG STRIX Z790-I GAMING WIFI」
【メモリ】CORSAIR社「VENGEANCE DDR5, 6000MHz 32GB(16GBx2)」
【GPU】NVIDIA社 Founders Edition「NVIDIA GeForce RTX 4070 SUPER」
【PSU】CORSAIR社「Corsair RM1000e」
【AIO】ASUS社「ROG RYUJIN II 240」
【Ver】GeForce 551.61
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GPU | RTX4070 SUPER | RTX 4070 | RTX 4070 Ti | RTX 3090 | RX7800XT |
コア数 | 7168 | 5888 | 7680 | 10496 | 3840 |
ベースクロック | 1980 Mhz | 1920 MHz | 2310 MHz | 1400 MHz | 2124 MHz |
ブーストクロック | 2480 MHz | 2480 MHz | 2610 MHz | 1700 MHz | 最大2430 MHz |
メモリ | 12 GB | 12 GB | 12GB | 24 GB | 16 GB |
メモリ種類 | GDDR6X | GDDR6 | GDDR6X | GDDR6X | GDDR6 |
バス幅 | 192-bit | 192-bit | 192-bit | 384-bit | 256-bit |
メモリ帯域幅 | 504 GB/S | 504 GB/S | 504 GB/S | 936 GB/S | 624 GB/s |
TDP | 220 W | 200 W | 285 W | 350 W | 263 W |
3D MARK
GPU別スコア
GPU別スコア
「フォースポークン」-「デフォルト設定」
「平均フレームレート」
「Call of Duty: Modern Warfare 2」-「デフォルト設定」
「平均フレームレート」
「Horizon Zero Dawn」-「デフォルト設定」
「平均フレームレート」
「zombie army 4」-「デフォルト設定」
「平均フレームレート」
「アサシン クリード ヴァルハラ」-「デフォルト設定」
「平均フレームレート」
「ファークライ5」-「デフォルト設定」
「平均フレームレート」
ゴーストリコン・ブレイクポイント-「デフォルト設定」
「平均フレームレート」
ディビジョン2-「デフォルト設定」
「平均フレームレート」
SHADOW OF THE TOMB RADER-「デフォルト設定」
「平均フレームレート」
デウスエクス マンカインド・ディバイデッド-「デフォルト設定」
「平均フレームレート」
strange brigade-「スケール150%」
「平均フレームレート」
ゴーストリコン ワイルドランズ-「デフォルト設定」
「平均フレームレート」
トータルスコア、ゲームスコア(3D MARK、blender-省略)
ゲーム中の消費電力(Watt)
高負荷時3DMARK 「FIRESTRIKE」(Temp)
以上、「NVIDIA GeForce RTX 4070 SUPER」のスコアでした。
使ってみた感想
「RTX4070S」を使って軽くゲームを試してみました。
厚さが「2スロット」であるにもかかわらず、旧世代のフラッグシップモデルである「RTX3090」よりも速いと感じましたし、省エネ性能も大幅に向上しています。
ゲーム性能に関しては、フルHD解像度ではプリセットを最高設定にしても「144Hz」で滑らかに動作し、WQHD解像度でも概ね「100fps」を維持できます。
4K解像度では、一部の設定を調整する必要がありますが、「60fps」を維持しながら快適にゲームを楽しむことができます。
冷却性能に関しては、「RTX4070S-TUF」と比較して温度差は「6℃」ですが、パフォーマンスには大きな差は見られませんでした。
最近のグラフィックボードのサイズの肥大化が問題視される中、「2スロット」の設計でありながら、旧世代のハイエンドクラスを凌駕するパフォーマンスには驚かされます。
次に、冷却性能を見てみます。
「Cinebench 2024」を使用して「10分間連続」で実行しました。
その後、「GPU温度」を確認してみました(室温15℃)
結果は「GPUスコア14161」でした。
前面と背面にそれぞれ1基の冷却ファンを搭載した強力な冷却機構により、GPU温度は「50℃前後」で安定しました。
次に、より高負荷なゲーム「サイバーパンク2077」でのテストを行いました。
「サイバーパンク2077」の最高画質設定では、最高画質設定で「3840×2160ネイティブ」の解像度でプレイし、さらにプリセットを「ウルトラ」、レイトレーシングを「ON」としています。
ベンチマークの結果は以下の通りです。
「フルHD」では、ネイティブ解像度で「60fps」をキープし、さらに「DLSS=クオリティ」を活用することで「100fps」を実現し、非常にスムーズで快適なプレイが可能です。
また、「WQHD」では、ネイティブ解像度では少々動作が重くなることがありますが、「DLSS」を活用することで「60fps」をキープできます。
また、「3840×2160ネイティブ」のプレイ中の「GPU温度」は最高で「73℃」に達しますが、少々のコイル鳴きが聞こえるものの、プレイに集中するとあまり気になりません。
「WQHD / DLSS」の設定であれば、ストレスなく快適にプレイできることでしょう。
良かったところ
❶「RTX4070-FE」は「RTX4070無印」と同価格設定でありながら「約15%」も性能アップしている。
❷「4K解像度」でゲームが楽しめる・・・「RTX4070-FE」は、「DLSS3.5」と組み合わせることで優れた「レンダリング品質」と「ゲーム性能」を実現し、「WQHD」や「4K解像度」のゲームも「60fps」を下回ることなく快適なゲーム環境を実現している。
❸低騒音と冷却性能は良い・・・ ファン停止モードも備えていて冷却性能と騒音レベルは良いと思います。
❹ 消費電力と発熱量が少ない・・・消費電力は「RTX3090」と比較して約50%も省エネ性能に抑えられています。
ただし、発熱量に関しては、ASUS社の「RTX4070S-TUF」と比べると約「6℃」高くなっていますが、最近のグラフィックボードの中では比較的低いため、気にする必要はありません。
❺「RTX4070-FE」はパフォーマンスとクリエイター受けするビジュアルデザインが際立っており、高解像度のゲームやクリエイティブなタスクにベストです。
残念な点、注意する点
❶ノイズ・・・高負荷時にはコイル鳴きが発生します。
密閉された環境での高負荷時には、ノイズが少々聞こえるかもしれません。
❷「12VHPWR」PCIeコネクターが必須です。
付属の「12VHPWR」PCIeコネクター「8ピン×2」は必ず1本ずつ接続しましょう。
予算が許されるのであれば最新「ATX3.0電源ユニット」の導入をオススメします。
「12VHPWR」が1本で接続できます。
総評
「RTX4070シリーズ」は、これまでの「RTX3090」と同等の性能を持っています。
そして、今回の「RTX4070S」は、「ゲーム性能」、「レンダリング性能」、「省エネ性能」のすべてが「RTX3090」を凌駕しています。
過去の「RTX70シリーズ」は、「GTX世代」から始まり、常にフラッグシップモデルに匹敵するパフォーマンス性能を提供してきました。
久しぶりの「2スロットケース」に「Founders Edition」が美しく収まるのを見て、その魅力は計り知れません。
残念ながら、「RTX4070S-FE」は国内での販売がありませんが、海外からの輸入なら十分な在庫があるようですので、欲しい方は個人輸入をオススメします。
繰り返しになりますが、「RTX4070S」は「2スロット仕様」のラインナップが豊富なので、パフォーマンス性能をご覧いただいた上で、ぜひ導入を検討してみてはいかがですか?
お目通し戴き、ありがとうございました。
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主な仕様
サイズ-267×112×42mm