新世代は旧世代を大きく超えよ

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【低価格でハイエンド級の実力!】AMD社「Ryzen 7 9700X」をレビュー

今回ご紹介するのは2024年8月10日に発売されたAMD社「Ryzen 7 9700X」=以下、9700X」です。

 

価格は70,800円(税込)です。

スペックは以下の通りです。

CPU Ryzen7 9700X Ryzen7 9800X3D Ryzen7 7800X3D Ryzen7 5800X3D
コア数 8 8 8 8
スレッド数 16 16 16 16
ベースクロック 3.8 GHz 4.7 GHz 4.2 GHz 3.4 GHz
ブーストクロック 最大 5.5 GHz 最大 5.2 GHz 最大 5.0 GHz 最大 4.5 GHz
L2 cache 8 MB 8 MB 8 MB 4 MB
L3 cache 32 MB 96 MB 96 MB 96 MB
対応メモリ 5600 MHz 5600 MHz 5200 MHz DDR4-3200
TDP 65 W 120 W 120 W 105 W

「9700X」は「8コア16スレッド」構成のソケットAM5対応CPUで、「基本クロック」は「3.8GHz」、「ブースト時」には最大で「5.5GHz」まで動作します。

 

TDP」は控えめな「65W」に抑えられています。


インターフェース面では「PCI Express 5.0」に対応しており、合計28レーン(GPU用に×16、汎用に×8、チップセットリンク用に×4)を備えています。


また、「AMD EXPOメモリオーバークロック技術」や「Precision Boost Overdrive」「Precision Boost 2」といったAMD独自のチューニング機能にも対応しており、パフォーマンスをさらに引き出すことが可能です。

Ryzen 7 9700X」の特長

❶最大5.5GHzの高クロック性能

 

「8コア16スレッド」で、「FHDゲーム」なら180fps超えもラクラク

 

❷「65W」の低TDP設計

 

省電力で動作しやすく、空冷でも運用しやすいのが魅力です。

 

❸温度管理が優秀

 

Cinebench R23」では最大65℃、重いゲーム中でも75℃前後で安定します。

 

❹アイドル時も超エコ

 

軽作業時は30W前後、温度も40℃台で静かに動作します。

 

❺「AM5&DDR5対応」で長く使える

 

将来的なアップグレードも安心、今からでも環境を最新化しやすい。

 

❻PCIe 5.0や各種チューニング機能に対応

 

「Precision Boost」や「EXPO」で性能を最大限に引き出せる。

開封の儀

外観

Ryzen 7 9700X」のスコア検証

【CPU】AMD社「Ryzen 7 9700X 

マザーボードASUS社「ROG CROSSHAIR X870E HERO

【メモリ】CORSAIR社「CORSAIR DDR5-7200MHz DOMINATOR TITANIUM 48GB ブラック [24GB×2枚] 

GPUNVIDIA社「 Founders Edition「NVIDIA GeForce RTX 4090

PSU】CORSAIR社「Corsair RM1000e

【AIO】EK社「EK-AIO Basic 240」

【Ver】GeForce 576.02


「Resizable BAR」は有効にしています。

 

3D MARK

CPU別スコア

blender(V4.2.0)ー「CPU」

CPU別スコア

「フォースポークン」-「デフォルト設定」

「平均フレームレート」

Call of Duty: Modern Warfare 2」-「デフォルト設定」

「平均フレームレート」

「Horizon Zero Dawn」-「デフォルト設定」

「平均フレームレート」

「zombie army 4」-「デフォルト設定」

「平均フレームレート」

アサシン クリード ヴァルハラ」-「デフォルト設定」

「平均フレームレート」

ファークライ5」-「デフォルト設定」

「平均フレームレート」

ゴーストリコン・ブレイクポイント-「デフォルト設定」

「平均フレームレート」

ディビジョン2-「デフォルト設定」

「平均フレームレート」

SHADOW OF THE TOMB RADER-「デフォルト設定」

「平均フレームレート」

デウスエクス マンカインド・ディバイデッド-「デフォルト設定」

「平均フレームレート」

strange brigade-「スケール150%」

「平均フレームレート」

トータルスコア・ゲームスコア(3D MARK、blender-省略)

以上、「Ryzen 7 9700X」のスコアでした。

使ってみた感想

「9700X」は、空冷クーラーでも安心して使える“省エネ志向”のCPUとして注目されています。

 

そこで今回は、「Cinebench R23」を用いて、高負荷時のCPU温度をチェックしてみました。(室温21℃)

結果は、最大でも「65℃」です。

 

「室温21℃」という比較的温かい環境下にもかかわらず、この温度に収まっているのは、熱設計の優秀さを物語っています。

 

次に、「サイバーパンク2077」を使って、実際のゲームプレイ中のCPU温度と消費電力を見てみます。

 

テスト環境は、「4K解像度」に「レイトレーシング+パストレーシング」を「フル」で有効にした、かなりヘビーな設定です。

その結果、温度は「最大で75℃前後」まで上昇します。

 

特に「フルレイトレ対応」タイトルのように、継続的に「レイトレーシング処理」が走るようなシーンでは、温度が高いまま維持される傾向が見られました。

 

ゲームタイトルや設定次第では、空冷クーラーでは冷却が追いつかず、「サーマルスロットリング」が発生する可能性も否定できません。

 

ウルトラ画質プリセットでは、消費電力が「85W前後」まで伸びるため、「ロープロファイル型」の「空冷クーラー」は避けておくのが無難です。

 

一方で、「アイドル時」の消費電力は非常に低く、「YouTube」の視聴や「Excel」などの軽作業では、「常時40℃前後・約30W」で動作します。

 

まさに“扱いやすい省エネCPU”といった印象です。

ゲーミングにも、日常作業にもバランスよく対応できる、まさに「エコでパワフル」な万能型CPUといえるでしょう。

良かったところ

❶ 文句なしの処理性能。FHDゲーミングなら180fpsもラクラク

 

8コア16スレッドに、最大5GHz超えのブーストクロックというハイスペック構成です。

 

フルHD環境なら、多くのゲームで180fps以上を安定して叩き出せるパフォーマンスを誇ります。

 

実際に「Ryzen 7 5800X3D」からこの「9700X」に乗り換えたところ、タイトルによっては「10〜20fps」ほど上がる場面もあり、滑らかさの違いをしっかり体感できました。

 

❷ 低消費電力でも手抜きなし

 

静かでスマートな動作も魅力です。

 

アイドル時の消費電力はわずか30W以下と、省エネ性能も優秀です。

 

「軽いブラウジング」や「作業程度」なら、設定を何もいじらずとも「90W未満」で動作する場面も多く、日常使いでも安心感があります。

 

パワフルなのに無駄な電力は使わない。

 

そんなスマートさもこの「9700X」の魅力です。

 

❸ AM5&DDR5対応。長く使える安心感とアップグレード性も抜群!

 

対応メモリは最新のDDR5です。

 

今後の世代アップグレードもスムーズに行える点は大きな安心材料です。

 

Zen 4アーキテクチャ+AM5プラットフォームは、今後数年間のアップデート対応が見込まれており、長く使いたい人にとっては心強い選択肢です。

 

「B650チップセット」の価格も落ち着いてきた今、最新世代の環境をより手頃に構築できるようになってきたのも嬉しいポイントです。

 

❹ 発売から価格が落ち着き、今が狙い目!

 

発売当初は税込70,800円と高価格だった「9700X」ですが、現在は最安で4.8万円台にまで下がり、コストパフォーマンスの面でもかなり魅力的になってきました。

 

当初ネックだった価格面のデメリットもほぼ解消され、今なら「性能と価格のバランスがちょうどいい1台」として安心して選べるタイミングです。

残念な点、注意する点

ロープロファイルクーラーには厳しめ

 

「高負荷時」の冷却にはひと工夫が必要です。

 

TDP 65W」と聞くと冷却のハードルが低そうに感じますが、最新の「レイトレーシング技術」を使ったゲームなど、高負荷なシーンになると話は別です。

 

特に「ロープロファイルクーラー」での運用はやや厳しめです。

 

しっかり性能を発揮させるなら、冷却にはある程度の余裕を持たせておきたいところです。

 

ケース内のエアフローやCPUクーラーの冷却性能を事前にチェックしておけば、長時間のゲームプレイでも安心して使えます。

 

ヒートスプレッダ形状にクセあり。

 

グリス塗りは少し工夫が必要です。

 

「9700X」のヒートスプレッダは、少し特殊な形状をしており、グリスの塗布が意外と難しい印象です。

 

とくに自作初心者にとっては、均一に塗るのがちょっとしたハードルになるかもしれません。

 

そんなときは「グリスガード」や「ヘラ塗り」など、補助ツールを使うのがオススメです。

 

簡単かつムラなく塗れて、冷却効率もしっかり確保できます。

総評

「9700X」は、「省電力」と「高性能」のバランスに優れた、まさに“扱いやすいハイエンド”と言えるCPUです。

 

TDP 65W」という低発熱設計ながら、フルHDゲーミングは余裕の快適さです。

 

ヘビーなマルチタスクや本格的な3D制作をしない限り、「8コア16スレッド」という構成だけで、ほとんどの用途において十分すぎる性能を発揮してくれます。

 

初めての「DDR5環境」でも安定性は抜群で、「Ryzen 5 9600X」と迷っている方には、ほんの少し予算を上乗せするだけで「後悔しない選択」ができる、と言っていいでしょう。

 

「ゲーム」や「動画編集」が中心のユーザーなら、「メインPC」として長く活躍してくれる構成になります。

 

いわゆるハイエンドほどの価格ではなく、かといって性能を割り切ったローエンドでもない。

 

そんな「ちょうど真ん中」のポジションをしっかり押さえた「9700X」は、自作初心者から中級者まで、幅広くおすすめできる1台です。

 

「FHDゲーミング」はもちろん、動画編集や軽めの3D制作にも十分対応可能です。

 

しかも、動作は静かで安定、省電力設計と、実用性の面でも文句ありません。

 

「AM5」と「DDR5」という最新プラットフォームを採用しているため、将来的なアップグレードも視野に入れつつ、長く付き合える1台としても優秀です。

 

「これがあればしばらく困らない」とそんな実用派の理想に、かなり近い選択肢だと感じました。

 

今こそ、低価格でハイエンド級の実力を試してみませんか?

 

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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主な仕様

ソケット形状 -LGA1718
コア数-8コア スレッド数-16
クロック周波数-3.8GHz
最大動作クロック周波数-5.5GHz

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