今回ご紹介するのは2021年4月に発売されたProArtist社 Socket AM4用CPU抜けブラケット「IFE2=以下、ブラケット」です。
CPU抜けブラケット「IFE2」とは・・・?
AMD社のCPUソケット「AM-4」の「Ryzenシリーズ」はCPU裏側に「ピンタイプ」を採用しています。
その反対でインテル社「Core iシリーズ」はマザーボードに「ピンタイプ」を採用しています。
マザーボードの違いを見てみます。
上「AMD」
下「インテル」
ここで「IFE2」の役割を説明します。
自作PCの「CPU」をアップグレードする際に「CPU」と「CPUクーラー」を取り外すのですが「Ryzen」の場合、「ピン」が「マザーボード」のソケットの穴に挿しこむタイプになります。
「ソケット」に「CPU」を嵌めてレバーを下に下すと「ピン」が「ブレーキ」に挟まれ滑らないように押さえるという仕組みです。
問題となっているのが「安いCPUグリス」や最初からCPUクーラーヘッドに「添付されたグリス」は経年劣化に弱く短い期間でも乾きやすいのが難点です。
そして経年劣化よって乾いてしまったグリスは何も知らず「CPUクーラー」を持ち上げる「CPUごと」抜けてしまうことがあります。
これを業界用語で「スッポン」と呼ばれています。
このような事情を踏まえて、どちらが扱いやすいのかは人それぞれだと思います。
例えば超高価な「Ryzen 9」など10万円を超える場合には「CPU」のリスクを無くしたい、あるいは「CPU」は普通スペックで「デザイン」で選ぶマザーボードを重視するなら「AMD」の方が良いでしょう。
それではProArtist社「IFE2」を見ていきます。
「IFE2」の特長
❶AM4クーラー交換時に発生するCPUとヒートシンクの間に固着によるピン曲がりを防止
❷CPUソケット周辺が保護され、グリスがはみ出さずに綺麗に使用可能
❸輸送時などの振動により発生するCPUのずれを防止
開封の儀
外観
「IFE2」をチェックする
箱を開けたら緩衝材にブラケット「IFE2」が入っているだけで非常にシンプルな梱包です。
まず、鉄板の厚さを見てみます。
厚さは「1mm」くらいです。
薄くても剛性は高いです。
「CPU」に「ブラケット」を合わせてみます。
使用するCPUは「Ryzen 3 3300X」です。
こんな感じでCPUの「縁」にブラケットを押さえる仕組みです。
今、ちょうど使っていないマザーボードがあったので「CPUクーラー」を取り外していきます。
通常ならパッと「CPU」から外れます。
ところが経年劣化でCPUグリスが乾くとCPUごとゴッソリ抜けてしまいます。
イメージを再現してみました。
例えば、こんな感じです。
これがリアルに起きると本当にゾッとします。
それではマザーボードに「CPU」を換装して「ソケット」を嵌めてみます。
とても良い感じに固定されています。
「CPUクーラー」を留めて一時間ほど放置して再度、外します。
すると・・・。
なんの抵抗もなくスムーズに外れました。
ソケット周辺が保護されてグリスがはみ出ていないことが分かります。
この段階で「CPUグリス」をふき取れば綺麗に脱着することができるので、とても便利です。
このソケットのおかげでCPU裏側の「ピン」を汚さずに済みます。
使ってみた感想
「CPUクーラー」の種類に応じてソケットの表裏を使い分けることができるので本当に優秀です。
ソケットの価格が1個1000円以内で購入できるのでコスパが良いです。
筆者が個人的に1番、気に入ったところはソケットを嵌めたままグリスを拭き取ることができるので、とても便利だと思いました。
良かったところ
❶鉄板が薄いのに剛性が高いです。
❷CPU交換は心配無用!
❸値段が安い! 「600円」くらいなので所有するマザーボード全部に取り付けるのも良いでしょう。
❹CPU検証に重宝します。 特にレビュアーにはオススメです。
❺ソケットの「表裏」を使い分けることで、あらゆる「CPUクーラー」に対応します。
残念な点、注意する点
今のところ、ありません。
総評
筆者は「CPU検証」で頻繁「CPU」を入れ替えることが多いので「スッポン」の確率は低いのですが万一に備えておきたい保険パーツです。
何度もお伝えしてしまいますが「ソケット周辺」にグリスがはみ出さないので「ピン」を汚さずに外せることが一番、安心します。
またCPUアップグレードのスパンが長い場合、グリスが乾いているリスクが高くなるので、そのような方には「IFE2」がオススメです。
価格は「600円」と非常に安価ですので「保険パーツ」として購入してはいかがですか?
お目通し戴き、ありがとうございました。
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主な仕様
本体サイズ:96.2 × 64mm 重量:16.4g 対応ソケット:AM4