今回ご紹介するのは2021年10月12日に発売されたLian Li社 Mini-Itx PCケース「Lian Li Q58=以下、Q58」です。
「Q58」のラインナップは2色のカラーバリエーションとライザーケーブル(PCIe3.0、PCIe4,0)の4種類あります。
筆者が購入したのは「PCIe4.0対応ライザーケーブル」のブラックです。
❶Q58-3-BLACK
❷Q58-3-WHITE
❸Q58-4-BLACK
❹Q58-4-WHITE
価格は14,999円~18,999円(税抜)です。
- 見た目と機能性はまるでカメレオン?!
- 「Lian Li Q58」の特長
- 開封の儀
- 外観
- 「Lian Li Q58」をチェックする
- 使ってみた感想
- 良かったところ
- 残念な点、注意する点
- 総評
- 主な仕様
- 関連商品
- トレンドアイテム
見た目と機能性はまるでカメレオン?!
「Q58」は単に「3スロット」に対応した小さなPCケースではありません。
例えば「4枚」のサイドパネルを組み合わせたり、ストレージを最大4基も設置することができます。
またトップには「240mm or 280mm」の簡易水冷クーラーに対応し空冷クーラーなら最大67mmまで設置することができます。
さらに、お手持ちの「ATX電源ユニット」も対応するので、わざわざ「SFX電源ユニット」を買い直す必要ありません。
外観はシンプルかつスタイリッシュで、どんなシーンにも馴染みやすく仕上がっています。
それでは「Lian Li Q58」にパーツを組みながらレビューしていきます。
「Lian Li Q58」の特長
❶軽量なアルミニウムシャーシを採用
❷交換可能なヒンジ付きガラスとメッシュパネルが標準装備
❸垂直に取り付けられるGPU用のPCIe3.0またはPCIe4.0ライザーケーブルが標準装備
❹SFXPSUおよび最大160mmの長さのATXPSUが対応
❺最大325mmの長さのラジエーターが対応
❻「ストレージ」は最大4基まで搭載可能!
❼リアに備えた「LED /ファンハブ」を使えばケーブルマネジメントが簡単!
開封の儀
外観
「Lian Li Q58」をチェックする
外観はツートンカラーになっていてフロントパネルの上半分が「マット加工」になっていて下半分は「ヘアライン加工」が施されています。
本家のFormd社「T1」と並べてみます。
参考に「T1」のサイズはW133 x H216 x D330mm です。
「T1」のフロントパネルは2枚構成ですが「Q58」は1枚ながら2枚構成に見えます。
ヘアラインは若干、粗目に仕上がっています。
「フロントI/O」は上から「電源ボタン」「マイクロホン コンボ ジャック」「USB type-c」「USB3.0」が装備されています。
サイドパネルはデフォルトで上半分が「ガラス」で下半分が「メッシュ」になっています。
両サイドとも同じです。
サイドパネルの組み合わせはデザインはもちろんケース内の温度によって使い分けると良いでしょう。
サイドパネルを開けてみます。
パネルの開閉はマグネットを採用しているので工具は必要ありません。
こんな感じで上下とも開くことができます。
パーツを取り付けるのでパネルを全部、外します。
サイドパネルは横にスライドすると外せます。
フロントパネルは手前に引くと外せます。
ケース底部にはトレイがあり「SSD」「ファン」を取り付けることができます。
赤枠のネジで「トレイ」を外します。
次は「SFX電源ユニット」を取り付けます。
付属アダプターで「ATX電源ユニット」も取り付けることができます。
最初にフロントのネジを外します。
フレーム背面の4か所のネジも外します。
緑枠は「SFX-L電源ユニット」としてお使いいただけます。
SFXおよびATXは「最大160mm」まで対応します。
フレームに「電源ユニット」を取り付けます。
「電源ユニット」の背面に「SSDストレージ」を追加することができます。
必要があれば、この段階で追加しておくと良いでしょう。
取り付けるとこんな感じです。
次はマザーボードを取り付けます。
CPUクーラーの「全高」は最大「67mm」です。
2種類の上部のトレイには「3.5HDD」「120mm 簡易水冷クーラー=AIO」「240m/280mm AIO」を取り付けることができます。
4か所のネジを外してトレイを取り出します。
❶「240m / 280mm AIO」
❷「3.5HDD」「120mm AIO」
「3.5HDD」は付属のブラケットを使用します。
付属のトレイを使って「3.5HDD」と「120mm AIO」を取り付けます。
「3.5HDD」と「120mmファン」の場合
「120mm AIO」の場合は「ATX電源ユニット」が使えます。
お手持ちのパーツに応じて組み合わせてください。
「240m AIO」を換装しました。
「240mmファン」ならば難なく取り付けることができました。
「280mm AIO」の場合には、かなり苦戦すると報告が挙がっています。
ここは「240mm AIO」を使用するほうが無難だと思います。
リアの「LIAN LI」の裏には「ファン照明制御ボード」が装備されています。
手前に引くと蓋が開きます。
こんな感じで配線が楽になり綺麗にまとめることができます。
次は「グラフィックボード=VGA」を換装します。
今回の「VGA」は敢えて巨大サイズで全長「320mm」もあるASUS社「TUF-RX6900XT-O16G-GAMING」を使用します。
それでは「RX6900XT」を取り付けていきます。
ここで問題発生!
「全長320mm」ある「RX6900XT」が入りません!
「フロントI/O」の裏が干渉しています。
「フロントI/O」の裏が厚みのせいで入りません。
一旦、「フロントI/O」を外してみます。
「フロントI/O」が外せました。
再度、チャレンジしてみます。
「フロントI/O」を外せば「RX6900XT」は入りますが・・・。
今度は「フロントI/O」が元の位置に戻せません。
気を取り直して「電源延長ケーブル」を外してみます。
あらゆる角度で試しましたが、どうしても入りませんでした。
ここは断念してボディサイズが小さい「RX6600XT」で我慢する結果になりました。
恐らく予想ですが「315mm」までが限界のようです。
「320mm」が入るというキーワードに惹かれて「Lian Li Q58」を購入したのですが目的が果たせず非常に残念です。
最後に電源ユニットに各ケーブルを繋げます。
ケース底部のトレイ部分は広くてケーブルの抜き差しが簡単です。
トレイを閉じて完成です。
PC構成は以下の通りです。
【CPU】「Core i9 11900K」
【マザーボード】「ROG STRIX Z590-I GAMING」
【メモリ】キングストン社「HyperX Predator RGB 4000MHz 8×2/16GB」
【GPU】サファイア社「SAPPHIRE PULSE Radeon RX 6600 XT GAMING OC 8G GDDR6」
【PSU】Cooler Master社 「V850 SFX GOLD」
以上、「Lian Li Q58」のレビューでした。
使ってみた感想
電源入れて気になったのは「騒音=72dB」です。
使用する「CPU」が「11900K」が爆熱のため冷却性能を優先するので仕方ないのですが「AIO」のラジエーターに対してファンをトップ側に配置することで冷却性能は格段に良くなりましたが、やはり騒音は気になります。
「Q58」の場合は「デフォルト」では「AIO」のホースがファンに干渉するためラジエーターはファンに対して下側になります。
サイドパネルは「空冷クーラー」を使用するならば「上ガラス、下メッシュ=デフォルト」のままがバランスが良いです。
「AIO」を使用する場合は「VGA側」を上下とも「メッシュパネル」にしたほうがシステム全体の冷却性能がバランス良くキープできます。
本体サイズが(D) 342mm x (W) 170mm x (H) 250mm と非常にコンパクトながら「ストレージ」が最大4基も拡張できるので「メインPC」や「サーバー」としても、お使いいただけます。
ここまではメリットばかりですが「Q58」の最大のデメリットは「320mm」のVGAが入らないことです。
「Lian Li Q58」の公式HPでは「角度を調整」すれば「320mm」までサポートを謳っていますが、やはり入らないです。
公式HPにて320mmのVGAを換装する手順など説明動画があれば納得するのですが見当たりません。
たとえ無理やり押し込んで「RX6900XT」を換装できたとしても「無傷」で取り付け取り外しは難しいと思います。
筆者個人の感想を言えば「320mmVGA」さえ換装できれば文句なしの最高のPCケースだと思います。
良かったところ
❶コンパクトなPCケースながらストレージは最大4基搭載できる。
特に気に入った点はフロントパネルの裏は「カートリッジ交換」のように抜き差しが簡単なので使用頻度が高くなりそうです。
❷PC構成によってサイドパネルの組み合わせは自由自在です。
❸寒い時期の影響もありますがサイドパネルを閉めても冷却性能は、そこそこ冷えます。
残念な点、注意する点
❶「RX6900XT=320mm」のVGAが入らない。 感覚としては全長は最大「315mm」くらいだと思います。
❷冷却性能は優れますが「騒音」は気になります。
理由はラジエーターに対しファンを下に設置すると「AIOホース」が干渉します。(デフォルト)
❸各ネジの品質があまり良くないです。
数か所ですが「バリ処理」が甘いところがありました。
総評
ハイエンドゲーミングPCの構築が可能なコンパクトケース「Lian Li Q58」はVGAサイズ「320mm」を超えない範囲であれば最高に良くまとまったPCケースだと思います。
小さくても僅かなデッドスペースを見逃さない緻密な設計は本当に素晴らしいです。
今後は「フロントI/O」の薄型を改善、改良してほしいです。
よって「Lian Li Q58」はバージョンを重ねながら完成を目指してほしいです。
11月にはインテル社より次世代CPU「Alder Lake=12X00シリーズ」が発売される予定です。
マザーボードからメモリ(DDR5)まで規格が大きく変わります。
この機会に初自作PCにチャレンジする方もアップグレードする方にもケースを新調するタイミングです。
小型ハイエンドゲーミングPCケース「Lian Li Q58」は、いかがですか?
お目通し戴き、ありがとうございました。
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主な仕様
本体サイズ‐(D) 342mm x (W) 170mm x (H) 250mm