新世代は旧世代を大きく超えよ

科学技術は日進月歩の世界です。特にテレビ、オーディオ、コンピューター関連の機器は急速に加速しています。 新世代、旧世代のそれぞれの製品の特長を見い出し参考になれば幸いでございます。

【DLSS3を体験せよ!】NVIDIA社 Founders Edition「GeForce RTX 4060 Ti 8GB」をレビュー

今回ご紹介するのは2023年5月24日に発売されたNVIDIA社「GeForce RTX 4060 Ti 8GB=以下、RTX4060Ti」です。

 

価格は399ドルです。

 

スペックは以下の通りです。

GPU RTX4060Ti(8GB) RTX3060Ti RX7600 GPU A770
コア数 4352 4844 2048 Xeコア数 32
ベースクロック 2310 MHz 1410 MHz 2250 MHz XEXエンジン 512
ブーストクロック 2540 MHz 1670 MHz 2655 MHz レイトレーシングコア数 32
メモリ 8GB 8GB 8GB ベースクロック 2100 MHz
メモリ種類 GDDR6 GDDR6 GDDR6 メモリ 16 / 8 GB
バス幅 128-bit 256-bit 128-bit メモリ種類 GDDR6
メモリ帯域幅 288 (554) GB/S 448 GB/S 288 GB/S バス幅 256-bit
TDP/BP 160 W 200 W 165 W TDP/BP 225 W

「RTX4060 / Ti」は、旧世代の「RTX3060Ti」と比較して「コア数」は少なくなりましたが、「クロック数」は大幅に向上しました。

 

また、「バス幅」と「メモリ帯域幅」は大幅に削減されましたが、それに代わり「L2キャッシュ」が増量されたことで「キャッシュミス」が減少し従来よりもさらに高速な処理が可能となっています。

物静かな深夜販売

「RTX4060Ti」の発売当日は静かにスタートを切りました。

 

店頭販売では行列(1名)はありませんでした。

 

お好きなメーカーをじっくり時間をかけて選ぶことができ、ゆったりと買い物を楽しめたとのことです。

 

この背景には旧世代の「RTX3000シリーズ」の在庫が現在も十分にあり同等スペック(RTX3070相当)の価格帯と比較しても「RTX4060Ti」の方が新しいことから割高感が否めません。

 

今後の価格の動向次第ではありますが「RTX3000シリーズ」の在庫が残っている以上、プライスダウンやゲームプレゼントなどの手厚いアフターサービスを提供しないと「RTX4060Ti」の普及は難しいかもしれません。

「DLSS3」のポテンシャルを活かせ!

「DLSS3」は、より高いFPSが必要な場合に適用できるテクノロジーです。

 

NVIDIA社が開発した「DLSS」は「ディープラーニング」と「人工知能=AI」を利用して低解像度の画像を高解像度にアップスケールします。

 

「DLSS3.0」では以前のバージョンと比べて改善が行われています。

 

「DLSS」の進化は加速している!

「DLSS」は高品質で高解像度の画像のデータベースでトレーニングされたAIベースのニューラルネットワークを使用し低解像度の入力を分析して高解像度の画像を生成します。

 

さらに「DLSS3」はゲームやアプリケーションから現在のフレームを取得し分析して最適な方法でアップスケールすることで新しい高解像度のフレームを生成します。

 

これにより、より高品質で滑らかで詳細な画像が表示されます。

 

「DLSS3」のメリットは低解像度で実行しながら高品質な画像を生成し「ローエンドハードウェア」でのゲームパフォーマンスを向上させることです。

 

「DLSS3」が低解像度の画像を高解像度にアップスケールする際にリソースを節約しながら見た目の劣化を最小限に抑えることができます。

開封の儀

外観

GeForce RTX 4060 Ti 8GB」をチェックする

「Founders Edition」はNVIDIA純正モデルです。

 

ボディは金属製で覆われています。

 

前面と背面にそれぞれ1基の冷却ファンを搭載したGPUクーラーを備えています。

ファンの外径は「90mm」です。

ファンのブレードが外枠と一体成型された「ヒートシンク」を通って熱を排出し、効果的な冷却が行われます。

またGPUへの負荷が低い場合はファンの回転を停止する機能を備えています。

 

次はインターフェース周りを見てみます。

「ディスプレイポート」が3つ、「HDMI」が1つ装備しています。

 

「補助電源コネクタ」は1基の16ピンタイプの「12VHPWR」を使用します。 



基板の短さにより「補助電源コネクタ」はグラフィックボードのほぼ中央に配置されています。  

 

それでは「GeForce RTX 4060 Ti 8GB」のスコアを見ていきます。 

換装の際の準備

グラフィックボードを取り換えるときに古いドライバの削除をオススメします。

 

古いドライバ削除の詳しくはこちら!

ドライバをインストール

グラフィックボードを換装したら「GeForce」ドライバをダウンロードしインストールします。

 

ダウンロードはこちら

GeForce RTX 4060 Ti 8GB」のスコア検証

PC構成

【CPU】INTEL社「Core i9-13900K

マザーボードASUS社「ROG STRIX Z690-I GAMING WIFI

【メモリ】CORSAIR社「VENGEANCE DDR5, 4800MHz 32GB(16GBx2)

GPUNVIDIA社「GeForce RTX 4060 Ti 8GB」

PSUThermaltake社「TOUGHPOWER GF3 1000W

【AIO】ASUS社「ROG Ryujin II 240

【Ver】GeForce 536.40

「Resizable BAR」は有効にしています。

 

3D MARK

GPU別スコア

blender(V3.3.0)ー「GPU

GPU別スコア

「フォースポークン」-「プリセットー最高」

「平均フレームレート」

Call of Duty: Modern Warfare 2」-「プリセットー極限」

「平均フレームレート」

「Horizon Zero Dawn」-「プリセットー最高」

「平均フレームレート」

「zombie army 4」-「プリセットーウルトラ」

「平均フレームレート」

アサシン クリード ヴァルハラ」-「プリセットー最高」

「平均フレームレート」

ファークライ5」-「プリセットー最高」

「平均フレームレート」

ゴーストリコン・ブレイクポイント-「プリセットーウルトラ」

「平均フレームレート」

ディビジョン2-「プリセットー最高」

「平均フレームレート」

SHADOW OF THE TOMB RADER-「プリセットー最高」

「平均フレームレート」

デウスエクス マンカインド・ディバイデッド-「プリセットーウルトラ」

「平均フレームレート」

strange brigade-「プリセットーウルトラ」「スケール150%」

「平均フレームレート」

ゴーストリコン ワイルドランズ-「プリセットーウルトラ」

「平均フレームレート」

トータルスコア、ゲームスコア(3D MARK、blender-省略)

ゲーム中の消費電力(Watt)

高負荷時3DMARK 「FIRESTRIKE」(Temp)

以上「GeForce RTX 4060 Ti 8GB」のスコアでした。 

使ってみた感想

「8GB」のビデオメモリや「128-bit」のバス幅の仕様ダウンの影響か、比較的新しいゲームをフルHDでプレイする際にはカクつきが発生することがあります。

 

増量された「L2キャッシュ」はあまり活かされていないようです。

 

「DLSS」の有無に関係なく、ビデオメモリ周辺の性能が追いついておらず、フレームレートの低下が顕著に現れています。

 

特に「フォースポークン」では、カクつきが深刻でした。

 

設定は「1920×1080」、プリセット「最高」、レイトレーシング「ON」にしています。 

ゲーム中のフレームレートは「15~55fps」と大きく変動して安定しません。

 

次はゲーム中のGPU温度を見てみます。(室温26℃)

GPUの温度は高負荷にもかかわらず「50℃台」を保っています。

 

また、ファンの騒音が非常に静かで快適です。

 

「フォースポークン」では最適化によって改善されることを期待しています。

 

気を取り直して「DLSS3」に対応したタイトルである「ホグワーツ・レガシー」を試してみます。

設定は「1920×1080」、プリセット「推奨」、レイトレーシング「ON」、フレーム生成「ON」にしています。

ホグワーツ・レガシー」では「フルHD設定」で常に「約144~120fps」のフレームレートで動作します。

「DLSS3対応タイトル」ならば「RTX4060Ti」のポテンシャルが最大限に引き出されます。

 

「DLSS3対応タイトル」はこちら

現在は42タイトルが利用可能ですが今後さらに追加される予定なので定期的にチェックしておくと良いでしょう。

良かったところ

❶「DLSS3」に対応したタイトルならば、4K設定を有効にして「DLSS 3」のポテンシャルを最大限に引き出すことができます。

 

ただし「4K設定」の場合には「レイトレーシング」を「無効」にすることをオススメします。

 

❷「Founders Edition」の強みであるファンのブレードが外枠と一体成型された「ヒートシンク」は冷却性能と低騒音ファンによって常に最適な冷却性能を発揮し高負荷なゲームでも安定した動作を実現します。

残念な点、注意する点

❶「DLSS対応タイトル」にもかかわらずカクツキが発生する場合があります。

 

❷「補助電源コネクタ」は「12VHPWR」を使用します。

 

❸性能的には5万円台の「RTX 3070」と同等のレベルとされています。

 

約1万円程度の価格差があり価格は「微妙」です。

 

「DLSS3」に対応したタイトルの数が増えなければ、そのメリットを活かすことができません。

総評

GeForce RTX 4060Ti」は「フルHD」および「WQHD解像度」で卓越したパフォーマンスを発揮します。

 

「DLSS3」と「フレーム生成」のサポートにより、さらなる向上が見られます。

 

「価格」と「ビデオメモリ制約」には注意が必要ですが「RTX4060Ti」は魅力的な選択肢であり「WQHDゲーム」において満足のいくパフォーマンスを提供します。

 

新しいアップスケーリング技術である「DLSS3」と「フレーム生成」について共に熱く語りませんか?

 

 

お目通し戴き、ありがとうございました。

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主な仕様

 (L) 244 mm× (W)112 mm× (H)41 mm

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