今回ご紹介するのは2023年6月30日に発売されたASUS社のINTEL社チップセットB760を搭載したM-ATX「ROG STRIX B760-G GAMING WIFI=以下B760-G D5」のゲーミングマザーボードです。
ROG STRIX B760-G GAMING WIFIの詳細はこちら
価格は39,176円です。(税込)【ASUS様より貸出提供】
- 旧世代バックプレート「LGA1200/115X互換」が使える!
- Which one are you?
- 「ROG STRIX B760-G GAMING WIFI」の特長
- 開封の儀
- 外観
- 「ROG STRIX B760-G GAMING WIFI」をチェックする
- 使ってみた感想
- チップセットによってゲーム性能は変わる?!
- 良かったところ
- 残念な点、注意する点
- 総評
- 主な仕様
旧世代バックプレート「LGA1200/115X互換」が使える!
ASUSの「独自設計」は特に「B760-G」では既存のCPUクーラーを流用できるため最大のメリットとなります。
よってASUS社の「B760-G」は「LGA1700」と「LGA1200/115X互換」のCPUクーラーを両方使用できます。
写真は「LGA1200/115X互換バックプレート」です。
マザーボードの裏面に取り付けてみます。
「ASUS独自設計」によって「LGA1200/115X互換」を実現し「お気に入りのCPUクーラー」をそのまま使用できます。
Which one are you?
今回は2023年1月3日に発売されたASUS「ROG STRIX B760-G GAMING WIFI D4以下、B760G-D4」も併せて比較していきます。
ROG STRIX B760-G GAMING WIFI D4の詳細はこちら
「チップセット「Bシリーズ」はハイエンド「Zシリーズ」の廉価版に当たります。
「Zシリーズ」と「Bシリーズ」の大きな違いは「CPUオーバークロック」の有無です。
その他、「USB数」や「各レーン数」に違いがありますが、性能面では大きな差はありません。
したがって、CPUをオーバークロックしないのであれば、「Bシリーズ」で十分です。
スペックは以下の通りです。
チップセット | PCI Express.5.0 | PCIe 4.0レーン数 | PCIe 3.0レーン数 | USB 3.2 Gen 2x2 |
B760 | ×16 | 10 | 4 | 2 |
Z790 | ×16 | 20 | 8 | 5 |
Z690 | ×16 | 12 | 16 | 4 |
ちょっと並べてみます。
左「B760-G-D5」、右「B760G-D4」
マザーボードを並べると違いはほとんどありません。
大きな違いはメモリの規格と最大容量です。
マザーボード | B760-G D5 | B760-G D4 |
メモリ種類 | DDR5 | DDR4 |
最大容量 | 192 GB | 128 GB |
「B760G-D4」は既存のPCパーツを流用しつつコストを最小限に抑えたい方にオススメしたいです。
これから新規で自作PCを構築するならば断然「B760-G」がオススメです。
「ROG STRIX B760-G GAMING WIFI」の特長
❶電源構造は定格12Aの1 + 60パワーステージにより最も強力なIntel Core i9プロセッサを駆動するのに十分な電力が供給され、あらゆるワークロードを快適に処理できます。
❷高品質な合金チョークと耐久性のあるコンデンサは厳しい温度条件にも耐え業界標準を超えるパフォーマンスを提供します。
❸8+4ピン PROCOOL 電源コネクタは、ハイエンドチョークと耐久性のあるコンデンサにより、極端な温度に耐えるように設計され、業界標準を超える性能を実現しています。
❹6層基板は、多層プリント回路基板設計により、電圧レギュレータ周辺の熱を迅速に放散し、システム全体の安定性を向上させます。
❺Wi-Fi 6Eは6GHz帯域を活用し5GHz帯域の3倍の帯域幅と最大7つの160MHz帯域を提供します。
混雑したワイヤレス環境でも容量とパフォーマンスが向上し超高速なワイヤレスネットワーク速度を実現します。
❻オンボードのIntel2.5 Gbps Ethernetは低遅延ゲーミング、高速ファイル転送、高解像度ビデオストリーミングなど多くの利点があります。
❼Strix B760-Gには最大3Gbpsの高速データ転送が可能な2つのUSB 3.2 Gen 2 Type-Cコネクタが搭載されています。
❽SUPREMEFXはハードウェアとソフトウェアの融合により優れたオーディオを提供します。
最大1220ビット/32kHzの高解像度再生用のS192Aコーデックがすべてのチャネルに備わっています。
フロントパネルの出力は統合されたSavitechアンプを経由してストリーミングされ、高品質なオーディオ再生が実現されます。
❾ROG StrixマザーボードはASUS Auraテクノロジーを搭載しオンボードおよび他社のアクセサリーの照明を簡単にコントロールできます。
さまざまなプリセットに対応しROGグラフィックスカード、モニター、キーボード、マウスとの同期も容易です。
開封の儀
内容物
Cables
2 x SATA 6Gb/s cables
Additional Cooling Kit
1 x Thermal pad for M.2 Miscellaneous
1 x ASUS Wi-Fi moving antennas
1 x Cable ties pack
1 x Rubber Package(s) for M.2
1 x Q-Latch package(s) for M.2
1 x ROG key chain 1 x ROG Strix stickers
1 x ROG Strix thank you card Documentation
1 x User manual
外観
「ROG STRIX B760-G GAMING WIFI」をチェックする
「B760-G-D5」は信頼性の高い電源供給、高速なストレージとメモリ、そして効果的な冷却機能により優れたパフォーマンスを実現します。
「VRM冷却アレイ」は頑丈なヒートシンクで「電源ソリューション」を保護しコアからの熱を効果的に放散します。
上部の通気性によって「VRM」は冷却され信頼性の高いパフォーマンスが実現されます。
定格12Aの1 + 60パワーステージにより最も強力なIntel Core i9プロセッサを駆動するのに十分な電力が供給され、あらゆるワークロードを快適に処理できます。
「電源端子」は第13世代CPUの最大24コアのオーバークロックにも対応するために「8PIN+4PIN」が装備されています。
最大で4つのDDR5メモリモジュールを受け入れることができます。
最大192GBの容量で「7800MHz(OC)」までのデュアルチャネルメモリキットに対応しています。
独自の「Optimem II機能」によりメモリキットはより低いレイテンシ低い電圧で動作し、より高い周波数での動作が可能となります。
RAMスロットの近くには、電源投入時の自己診断テスト(POST)に役立つトラブルシューティング用のLEDセット、Q-LEDが装備されています。
「アドレサブルヘッダー」はマザーボードの上部に2基、下部に1基、装備されています。
また、下部には「RGBヘッダー」とスイッチボタン「F-PANEL」が装備されています。
グラフィックボードをマザーボードから取り外す際には「Q-Releaseボタン」を押して「ツメ=ロック」を横にスライドさせることで損壊を防ぎます。
右側には高速なデータ転送を実現する「USB3.2 Gen2 コネクタ」が装備されています。
「SATA」ポートは「SSD m.2」の使用を前提としておりストレージ接続に関しては「4基」に減少しました。
「SUPREMEFX」はハードウェアとソフトウェアの融合により優れたオーディオを提供します。
最大1220ビット/32kHzの高解像度再生用のS192Aコーデックがすべてのチャネルに備わっています。
フロントパネルの出力は統合されたSavitechアンプを経由してストリーミングされ、高品質なオーディオ再生が実現されます。
「ストレージ」の周りを見てみます。
「B760-G」は2つの「M.2ストレージスロット」が装備されています。
順番に取り外してみます。
「冷却シート」は上側のみに装備されています。
パネルの裏面にも「冷却シート」が装備されています。
「Q-Latch」という革新的な機能により「M.2 SSD」の装着が非常に簡単になりました。
この設計ではシンプルなロック機構を使用してドライブを固定するため従来のネジが不要となっています。
PCIeスロットを見てみます。
PCI Expressスロット部分には金属プレートが使用されています。
これにより、グラフィックボードの自重による垂れ下がりを防ぐだけでなく、グラフィックボードの交換時にも通常の1.6倍の強度を持つことが可能です。
ただし最近の大型のハイエンドグラフィックボードを支えるにはリスクが高いため十分な補強が必要です。
ネットワーク周りを見てみます。
付属の「WiFi 6Eアンテナ」は安定して垂直に立てることができます。
対応するバンドは「2.4 / 5 / 6GHz」です。
注意:Wi-Fi 6E(6GHz帯)はWindows 11以降で提供される予定です。
Bluetoothは「バージョン5.3」まで対応します。
「インターフェース」周りを見てみます。
「BIOS FLASHBACKボタン」は簡単で安全なBIOSのアップデート方法です。
「UEFI BIOSファイル」をFAT32フォーマットのUSBメモリに保存し「USB BIOS FlashBackポート」に挿入してボタンを押すだけでアップデートが可能です。
「メモリ」や「CPU」が搭載されていなくても使えます。
「CMOSクリアボタン」は「BIOS設定」を瞬時に工場出荷時の状態に戻すために使用されます。
また不適切なBIOS設定によってPCが正しく起動しない場合にも、このボタンを押すことで問題を解決できます。
最後に「13900K」を換装してレバーを下げて完成です。
それでは起動して「BIOS画面」を見てみます。
「BIOS」の起動の仕方は電源投入時に「F2」を押し続けてください。
トップ画面になりPCスペックが確認できます。
「F7」を押して「詳細設定モード」に切り替えます。
メモリの「オーバークロック」は簡単操作で行えます。
CPU温度によって内部ファンをコントロールする「Q-Fan」を使って回転数を変更したり複数のファンを一括設定することができます。
もしも騒音が気になったら「サイレントモード」に設定おきましょう。
「Resizable BAR」は「UEFI」ならばデフォルト設定時では「有効」になっていますので、そのままお使いいただけます。
「Resizable BAR」の詳細はこちら!
デスクトップ画面になったらASUSユーティリティソフト「Armoury Crateがアナウンスされるのでダウンロードしておきましょう。
「トップ画面」では「CPU周波数」「CPU温度」「ファンスピード」「AURA照明」など一括管理できます。
またパフォーマンスの調整や関連するアプリや機能の設定やシステムの稼働状況の把握が可能です。
ASUS製品のデバイスでは、お好みのライティングを楽しむことができます。
ASUS製品では、「ゲーミングモニター」「キーボード」「ヘッドセット」といったデバイスも一括管理可能ですので、統一感を味わうことができます。
使ってみた感想
「B760-G」のポテンシャルを確かめるために敢えて厳しい条件下でテストを行います。
PC構成
【PCケース】STREACOM BC1 V2 Open Benchtable Titanium
【マザーボード】ASUS社「ROG STRIX B760-G GAMING WIFI」「ROG STRIX Z790-A GAMING WIFI D4」「ROG STRIX Z690-I GAMING WIFI」
【メモリ】CORSAIR社「VENGEANCE DDR5, 4800MHz 32GB(16GBx2)」、「VENGEANCE DDR4, 3600MHz 32GB(16GBx2)」
【GPU】ASUS社「TUF-RTX4090-O24G-GAMING」
【PSU】Thermaltake社「TOUGHPOWER GF3 1000W」
【AIO】EK社「EK-AIO Basic 240」
【Ver】GeForce 536.40
「Resizable BAR」は有効にしています。(室温26℃)
「Cinebench R23」
マルチスコアは「35957」です。
「CPUコア」は「MAX:100℃」、「CPUパッケージ」は「MAX:100℃」
「マザーボード」は「MAX:35℃」、「VRM」は「MAX:55℃」となりました。
「Cinebench R23」のベンチマークを「10分間連続」で実行し外部の様子をサーモグラフィ画像で確認してみます。
「VRM」の周りは「45℃前後」になりました。
次はゲーム中の温度を見てみます。
タイトルは「STAR WARS ジェダイ:サバイバー」です。
設定は「3840×2160」、プリセット「EPIC」、レイトレーシング「ON」にしています。
「マザーボード」は「MAX:36℃」、「VRM」は「MAX:47℃」となりました。
チップセットによってゲーム性能は変わる?!
チップセットごとにベンチマーク測定を行った結果、スコアに差が現れました。
そのため「B760-D5」「B760-D4」「Z790-D4」「Z690-D5」の結果をまとめてみました。
3D MARK
GPU別スコア
GPU別スコア
「フォースポークン」-「プリセットー最高」
「平均フレームレート」
「Call of Duty: Modern Warfare 2」-「プリセットー極限」
「平均フレームレート」
「Horizon Zero Dawn」-「プリセットー最高」
「平均フレームレート」
「zombie army 4」-「プリセットーウルトラ」
「平均フレームレート」
「アサシン クリード ヴァルハラ」-「プリセットー最高」
「平均フレームレート」
「ファークライ5」-「プリセットー最高」
「平均フレームレート」
ゴーストリコン・ブレイクポイント-「プリセットーウルトラ」
「平均フレームレート」
SHADOW OF THE TOMB RADER-「プリセットー最高」
「平均フレームレート」
デウスエクス マンカインド・ディバイデッド-「プリセットーウルトラ」
「平均フレームレート」
strange brigade-「プリセットーウルトラ」「スケール150%」
「平均フレームレート」
ゴーストリコン ワイルドランズ-「プリセットーウルトラ」
「平均フレームレート」
トータルスコア、ゲームスコア(3D MARK、blender-省略)
以上「ROG STRIX B760-G GAMING WIFI」のスコアでした。
良かったところ
❶ASUSの独自設計により「LGA1700」と「LGA1200/115X互換」を実現しており既存のCPUクーラーをそのまま使用できます。
❷グラフィックボードをマザーボードから取り外す際には「Q-Releaseボタン」を押して「ツメ=ロック」を横にスライドさせることで損壊を防ぐことができます。
以前、2度ツメを損壊した経験があるため「Q-Releaseボタン」は非常に便利です。
❸「Z790=70A」のパワーステージと比べると、「60A」は低いですが、スコアには大差はありません。
❹「BIOSフラッシュバック機能」を使用することで「プロセッサ」「RAM」「グラフィックボード」の取り付けを必要とせずにマザーボードの「BIOS更新」することができます。
❺「B760-G D5」はリリースから3万円台半ばに設定されており、価格がお手頃です。
既に発売されている「B760-G D4」との価格差はほとんどないため、新規構築の場合は「B760-G D5」を選ぶのがベストです。
残念な点、注意する点
❶M-ATXのPCケースのバリエーションが少ないです。
最近、グラフィックボードの大型化によりMini-ITX PCケースも大きくなっています。
その結果、最近はMini-ITX PCケースが大きくなっており、「M-ATX」との互換性を持たせるトレンドが広まっています。
❷「VRM」の大きさにより「CPU周辺」が狭くなっています。
したがって「EK社」の「EK-AIO Basic 240」CPU簡易水冷クーラーを取り付ける際には注意が必要です。
「エルボー」を横向きした場合、「VRM」「ヒートシンク付きメモリ」と干渉しますので注意してください。
お使いの「クーラーヘッド」のサイズ確認は必須になります。
「EK-AIO Basic 240」を参考にし横幅が「85mm以下」であれば問題ありません。
❸「PCIe 5.0 SSD」のサポートは提供されていない。
ただし現在において「PCIe 5.0 SSD」のサポートの重要性は疑問です。
「PCIe 4.0 SSD」はまだ時代遅れになることはありません。
総評
「B760-G D5」は廉価版でありながら、ハイエンド「Z790 / Z690」とも引けを取らない性能を発揮しています。
強靭な電源周りの恩恵により、「B760-G D5」はCPUオーバークロックは対応していないものの電力制限を守りながら自由に使用できます。
優れた冷却対策があれば、この「B760-G D5」は高いパフォーマンスを発揮します。
ハイエンドマザーボードに大金を払いたくない場合は、「B760-G D5」を選んで使用することは非常に優れた選択肢と言えます。
数万円を節約して、より優れた「CPU」「GPU」、または大容量の「SSD」に投資できます。
そろそろ新しいゲーミングPCを創りませんか?
お目通し戴き、ありがとうございました。
AD: N.K
主な仕様
CPUソケット-LGA1700
最大メモリ容量-192GB
メモリスロット数-4
幅×奥行-244x244 mm