今回ご紹介するのは2022年12月16日に発売されたASUS社のINTEL社チップセットZ790を搭載したMini-Itx「ROG STRIX Z790-I GAMING WIFI=以下、Z790-I」のゲーミングマザーボードです。
ROG STRIX Z790-I GAMING WIFIの詳細はこちら
価格は80,645円です。(税込)
- 旧世代バックプレート「LGA1200/115X互換」が使える!
- 「Z790-I」と「Z690-I」の進化点
- 「ROG STRIX Z790-I GAMING WIFI」の特長
- 開封の儀
- 外観
- 「ROG STRIX Z790-I GAMING WIFI」をチェックする
- 使ってみた感想
- 良かったところ
- 残念な点、注意する点
- 総評
- 主な仕様
- 関連商品
- トレンドアイテム
旧世代バックプレート「LGA1200/115X互換」が使える!
ASUSの「独自設計」は特に「Z790-I」では既存のCPUクーラーを流用できるため最大のメリットとなります。
よってASUS社の「Z790-I」は「LGA1700」と「LGA1200/115X互換」のCPUクーラーを両方使用できます。
写真は「LGA1200/115X互換バックプレート」です。
「ASUS独自設計」によって「LGA1200/115X互換」を実現し「お気に入りのCPUクーラー」をそのまま使用できます。
「Z790-I」と「Z690-I」の進化点
基本的にオーバークロックを行わずデフォルト設定の場合、異なる「チップセット」によるベンチマークスコアの差はそれほど大きくはありません。
「チップセット」によるメリットはストレージの読み書き速度やUSBの拡張性が挙げられます。
ただし、メモリ規格によって多少の差が生じることもあります。
例えば、現行世代の「DDR5」と旧世代の「DDR4」の間でも差異が見られます。
詳細については以下の内容をお読みいただければ幸いです。
【Which one?】ASUS社「ROG STRIX B760-G GAMING WIFI」をレビュー
スペックは以下の通りです。
チップセット | PCI Express.5.0 | PCIe 4.0レーン数 | PCIe 3.0レーン数 | USB 3.2 Gen 2x2 |
Z790 | ×16 | 20 | 8 | 5 |
H770 | ×16 | 16 | 8 | 2 |
Z690 | ×16 | 12 | 16 | 4 |
B760 | ×16 | 10 | 4 | 2 |
「ROG STRIX Z790-I」と「ROG STRIX Z690-I」の細かな相違点を比較します。
ちょっと並べてみます。
左「ROG STRIX Z790-I」、右「ROG STRIX Z690-I」


「ROG STRIX Z790-I」と「ROG STRIX Z690-I」の大きな進化点は、主に「メモリ対応性」の違いにあります。
マザーボード | メモリ最大容量 | メモリ最速速度 |
ROG STRIX Z790-I | 96 | 7600Mhz |
ROG STRIX Z690-I | 64 | 6400Mhz |
「次世代CPU」である「14900K」をフルオーバークロックしたい場合は、断然「ROG STRIX Z790-I」をオススメします。
「ROG STRIX Z790-I GAMING WIFI」の特長
❶インテルLGA 1700ソケット:第13世代および第12世代のインテル Core、Pentium Gold、Celeronプロセッサーに対応
❷最適な電力ソリューション:ProCool II電源コネクタ、高品質な合金チョーク、耐久性のあるコンデンサを使用した10+1パワーステージにより、マルチコアプロセッサに対応
❸10層PCB:多層構造のプリント基板は、電圧レギュレータの周囲の熱を迅速に放熱します。
これにより、システム全体の安定性が向上し、CPUをオーバークロックするための余裕が生まれます。
❹最適化された熱設計: 高伝導性サーマルパッドを使用したI/OカバーとVRMヒートシンクの統合、L字型ヒートパイプ、2つのオンボードM.2ヒートシンクとバックプレート搭載
❺高性能ネットワーク: Intel WiFi 6E (802.11 a/b/g/n/ac/ax)、Intel 2.5 Gb Ethernet(ASUS LANGuard)を搭載
❻高品質のオーディオ、システムコントロール、I/Oを手元で操作
❼x16の拡張スロットとオンボードの1つのM.2スロットは、第5世代(Gen 5)に対応しており、同じM.2スロットはPCIe 4.0でチップセットに接続されることが可能です。
❽デュアルUSB4 Type-Cポートが最大40Gbpsの双方向帯域幅に対応
❾ケーブルマネジメントを支援する革新的な拡張カードで、直角方向にI/Oを追加
❿ワンクリックでPCから発生する熱と騒音をバランスよく調整できるASUS独自の機能「AI Cooling II」
⓫電波干渉の少ない新しい6GHz帯への高速接続が可能(ASUS社HPより引用)
開封の儀





内容物 Cables
2 x SATA 6Gb/s cables
1 x ROG USB2.0 splitter cable
1 x Panel Cable ROG FPS-II Card
1 x ROG FPS-II Card ROG STRIX HIVE
1 x ROG STRIX HIVE
1 x USB Type-C power connection cable Additional Cooling Kit
1 x Thermal pad for M.2 Miscellaneous
1 x ASUS Wi-Fi moving antennas
1 x Cable ties pack
1 x Rubber Package(s) for M.2
1 x Q-Latch package(s) for M.2
1 x ROG key chain
1 x ROG Strix stickers
1 x ROG Strix thank you card Installation Media
1 x User guide
外観


「ROG STRIX Z790-I GAMING WIFI」をチェックする
「Z790-I」の「VRM冷却アレイ」は堅牢なヒートシンクで構成されており熱を効果的に取り込んで上部から排出します。
静かな冷却システムにより空気が制限された環境でも「VRM」は効果的に冷却されます。
また「高導電性サーマルパッド」は「電源ステージ」と「ヒートシンク」の間に使用され熱の伝導性を向上させることで「VRM」の温度を下げる効果があります。
左「Z790-I」、右「Z690-I」


「Z790-I」にはVRM用のヒートシンクのファンが搭載されてます。
「VRMヒートシンク」は背面のI/Oまで拡張して表面積を大きくして電力熱を効率よく排熱します。
また「電源ステージ」と「ヒートシンク」の間に冷却シートを挟みVRMの動作温度を下げることができます。
ファンは「60,000時間」の耐久性を持つベアリングを採用しています。
「フェーズ」を見てみます。
「10+1基」の「パワーステージの電源回路」を搭載しています。
「フェーズ」の数がハイサイドとローサイドの「MOSEFT」と「ドライバ」を1つにまとめることで、より強力な電源VRMが搭載されているので起動の安定性が良くなり、オーバークロックなどの耐性も上がります。
CPU用コネクタは「8ピン」です。
その近くに「CPUファン」「AIOポンプ」「CHAファン」も備えています。
メモリ周りを見てみます。
2つのDDR5メモリモジュールを受け入れることができます。
最大96GBの容量で「7600MHz(OC)」まで対応しています。
コネクター系統は「Z790-I」のポテンシャルを最大限に活かすためにレイアウトが見直されました。
「USB3.2 GEN2」の近くに新しいインターフェースが追加されました。
限られたスペースに多数のインターフェース(ROGフロントSATAカード)を設置しています。
「SATA」「USB 2.0ヘッダー」「F-PANEL」「CPU過電圧ジャンパ」「Alterationモードスイッチ」が1ヵ所に集約できます。
「Z690-I」には「SATA」が4基、備わっていましたが、「Z790-I」ではその数が2基に減少しました。
音源は「ROG STRIX HIVE」にて「ALC4050コーデック」と「ESSセイバー9260Q DAC」などの最高級オーディオハードウェアが搭載されています。
中央のロゴに2枚のM.2ストレージが換装できます。
順番に外してみます。




「2層構造」になっているため、ネジを外してM.2スロットを上に持ち上げると取り外すことができます。
限られたスペースを有効活用するために単一の「ヒートシンク」で「M.2スロット」と「チップセット」を同時に冷却します。
M.2を冷却する冷却シートが装備されています。


M.2を換装するとこんな感じです。
M.2を留めるネジを廃止して工具不要の「M.2 Qラッチ」が採用されています。
PCIeスロットを見てみます。
PCI Expressスロット部分には金属プレートを使用してます。
グラフィックボードの自重で垂れ下がらないだけでなく、グラフィックボードを換装の際に引き抜く力も通常の1.6倍の強度を実現。
とはいえ最近は年々に肥大化する「ハイエンドグラフィックボード」を支えなしで使うのはリスクが高すぎます。
ネットワーク周りを見てみます。
付属の「WiFi 6Eアンテナ」は安定して垂直に立てられます。
対応するバンドは「2.4 / 5 / 6GHz」です。
注意:「6GHz」は法令規制の都合で日本では対応していません。
Bluetoothは「バージョン5.3」まで対応します。
新しいデバイスの外部制御インターフェース「ROG STRIX HIVE」を見てみます。



「Z790I」は非常に多機能で、通常のMini-ITXケースには収めることができないほどの大きさになり、そのため外付けに変更されました。
手に持った感じ、しっかりとした重みがあります。
チープな印象はなく、しっかりとした造りとなっています。
背面には「マグネット」が装備されており、PCケース(鉄素材)に取り付けることができます。
「ヘッドセットジャック」、「3.5 mm光端子S/PDIF出力」、「マイク入力ジャック」はこちらに接続されます。
「USB 3.2 Gen 2 Type-C」は外部ストレージや周辺機器を簡単に接続できる便利なポートです。
抜き差しの頻度が高い場合は、「ROG STRIX HIVE」を手元に置いておくと便利です。
最後に「Core i9 13900K」を換装して完成です。


それでは起動して「BIOS画面」を見てみます。
「BIOS」の起動の仕方は電源投入時に「F2」を押し続けてください。
トップ画面になりPCスペックが確認できます。
「F7」を押して「詳細設定モード」に切り替えます。
CPU、メモリの「オーバークロック」は簡単操作で行えます。
CPU温度によって内部ファンをコントロールする「Q-Fan」を使って回転数を変更したり複数のファンを一括設定することができます。
もしも騒音が気になったら「サイレントモード」に設定おきましょう。
「Resizable BAR」は「UEFI」ならばデフォルト設定時では「有効」になっていますので、そのままお使いいただけます。
「Resizable BAR」の詳細はこちら!
デスクトップ画面になったらASUSユーティリティソフト「Armoury Crateがアナウンスされるのでダウンロードしておきましょう。
「トップ画面」では「CPU周波数」「CPU温度」「ファンスピード」「AURA照明」など一括管理できます。
またパフォーマンスの調整や関連するアプリや機能の設定やシステムの稼働状況の把握が可能です。
ASUS製品のデバイスでは、お好みのライティングを楽しむことができます。
使ってみた感想
約1週間のゲームプレイや動作確認を行いましたが特に問題はなく順調に使用できました。
ただ、やはり「ROG STRIX HIVE」は筆者のPC環境ではあまり役に立ちませんでした。
個人的には、「ROG STRIX HIVE」の代わりに「光デジタル端子」を「インターフェース」として組み込んでほしかったと感じました。
ここで「Cinebench R23」ベンチマークを使用して「Z790-I」のパフォーマンスを見てみます。
【PCケース】JONSBO D31 メッシュ SC
【マザーボード】ASUS社「ROG STRIX Z790-I GAMING WIFI」
【メモリ】CORSAIR社「VENGEANCE DDR5, 6000MHz 32GB(16GBx2)」
【GPU】ASUS社「TUF-RTX4090-O24G-GAMING」
【PSU】CORSAIR社「Corsair RM1000e」
【Ver】GeForce 537.13
「Resizable BAR」は有効にしています。(室温26℃)
マルチスコアは「38202」です。
「マザーボード」は「MAX:35℃」、「CPUパッケージ」は「MAX:100℃」
「VRM」は「MAX:53℃」となりました。
良かったところ
❶「ベルト」を使用していた場合、装着時に適切な接触感が得られず不良な接続が感じられたため「直挿し」の変更は良い改善だと感じました。
左「ROG STRIX Z790-I」、右「ROG STRIX Z690-I」




「ベルト」を使用していた場合、装着時に適切な接触感が得られず不良な接続が感じられたため「直挿し」の変更は良い改善だと感じました。
❷ メモリの最大容量が「64GB」から「96GB」に拡張されました。
❸ メモリの最大速度が「6400MHz」から「7600MHz」に向上しました。
❹「Alteration(変換)モードスイッチ」が便利です。
「Alterationモード」を使うと「CPU」からの「PCIe信号」をPCIeスロットの「Gen4」または「Gen3 」の間で切り替えることができます。
例えば「PCIeライザーケーブル」が「Gen3 」の場合には「BIOS画面」にて「Gen4」から「Gen3 」に切り替えないといけません。
「内蔵GPU」がない場合は「BIOS画面」を映すためだけに一旦「Gen3 」のグラフィックボードを換装して「Gen4」から「Gen3 」に切り替える必要がありました。
その手間が省けるだけでも、かなり助かります。
残念な点、注意する点
❶10ギガビットLANは搭載されていません。
高価な割にネットワーク関連の性能が低いです。
❷拡張性が乏しくなった。
「SATA」ポートは「SSD m.2」の使用を前提としておりストレージ接続に関しては「2基」に減少しました。
❸「ROG STRIX HIVE」は、PCの環境次第でほとんど使用しないことがあります。
「ROG STRIX X670E-I GAMING WIFI」を使用した際に経験しましたが音量調整が必要なときにわざわざ手を伸ばすのは少々面倒です。
キーボードに音量調整が備わっていると、ますます「ROG STRIX HIVE」は不要です。
また、ケーブルの存在によりキーボード周りが乱雑になる可能性もあります。
❹音質がわずかに悪くなったように感じます。(デフォルト設定)
「Z690-I」と同じ音源チップ「ALC4050コーデック」と「ESSセイバー9260Q DAC」を採用しているにも関わらず、「ROG STRIX HIVE」の影響かは不明ですが、スピーカーからは少しパンチのない音が聞こえます。
まるでスピーカーに薄いガーゼを被せたかのようです。
もし音質に気になる場合は「マイクロソフト ストア」から「Dolby Access」を導入することをオススメします。
筆者自身が愛用しているBOSE社の「Micro Music Monitor (M3)」を使用しています。
このスピーカーは音にパンチがあり、心地よく音楽を楽しむことができます。
❺「M.2スロット」の上部に配置される「M.2 SSD」を、ネジを使用せずに固定する設計は少し手を抜いたような印象があります。
総評
「ROG STRIX Z790-I」は発売から約9か月が経過しています。
初めは8万円とかなり高額でしたが、最近では特価の39,800円で販売されるなど、比較的手に入りやすい価格帯となっています。
そのような状況の中で、インテル社から次世代CPU「14900K=Raptor Lake Refresh」の海外情報が出回り始めています。
まだ非公式の情報ですが、「14900K」は現行の「13900K」よりも熱量が増えており、かなり過酷なPC環境を求められるとされています。
「電源周り(VRM)」や「メモリ対応力」を強化した「ROG STRIX Z790-I」なら問題なく起動するはずです。
さらに「ROG STRIX Z790-I」は「Core i9」などのハイエンドCPUとの相性が良いです。
SFFファンであれば、超小型かつ高性能なPCを構築したいはずです。
スペックの余裕は心の余裕につながります。
オーバースペックを持ち余すこともありますが、心の余裕を共感しませんか?
お目通し戴き、ありがとうございました。
AD: N.K
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主な仕様
CPUソケット-Soket LGA1700
メモリタイプ-DIMM DDR5
最大メモリ容量-96GB
メモリスロット数-2
幅×奥行-170mm×170mm