今回ご紹介するのは2019年10月11日に発売されたASUS社のAMD社チップセットX570を搭載したMini-ITX「ROG Strix X570-I Gaming=以下X570-I」のゲーミングマザーボードです。
「X570-I」はASUS社「ROG Strix」シリーズの中で最も小さくて高性能で扱いやすいことから高価でも人気があります。
特に「オーバークロック」を前提とした高性能マザーボードです。
新世代「X570」は「X470」の上位互換!
「X570」は「X470」の後継機ではありません。
完全なる上位モデルという位置づけになっています。
なので「X470」と比べスペックが飛び抜けて高いのが特長です。
簡単に比較表を作成しました。
チップセット | X570 | X470 |
ソケット形状 | AM 4 | AM 4 |
最大メモリ容量 | 128 GB | 64 GB |
PCI Express レーン数 | 16 | 8 |
PCI Express構成 | x1, x2, x4 | - |
USB3.1 Gen2(10Gb/s) | 8 | 2 |
USB3.1 Gen1(5Gb/s) | 0 | 6 |
RAID構成 | PCIe 0, 1, 10 | PCIe 0, 1, 10 |
SATA 0,1,10 | SATA 0,1,10 |
X570はX470と比べ最大メモリ容量は「128GB」と2倍になりました。
クリエーター向けには作業も捗り快適です!
PCI Express レーン数も2倍! より多くのデバイスと接続が可能になり拡張性に余裕があります!
そして「X470-I」には、なかった「Wi-Fi6」にも対応しています。
新世代「Wi-Fi6」とは?
「Wi-Fi6」とは最近、話題の「5G」と同じ技術基盤を用いながらシーンに応じて共存していく新世代無線通信テクノロジーです。
最近は「AI=人工知能」「IoT=身の周りのあらゆるモノがインターネットにつながる」「Wi-Fi6」「5G」など、よく耳にするようになりました。
「AI」や「IoT」を活用するに欠かせない無線通信手段が「Wi-Fi6」「5G」です。 「Wi-Fi6」「5G」をまとめた表を作成しました。
通信規格 | Wi-Fi6 | 5G |
活用場所 | 室内 | 室外 |
規格の種類 | 無線LAN | 移動通信システム |
最大通信速度 | 9.6 Gbps | 50 Gbps |
主な用途 | ❶リアルタイムでのVR体験 | |
❷8Kなど超高画質での再生が可能! | ||
❸次世代自動運転 | ||
メリット | ❶最大通信速度が旧世代(Wi-Fi5)の1.4倍! | ❶最大通信速度が20Gbps以上 |
❷2.4GHzと5GHz帯を組み合わせ安定かつ高速通信が可能! | ❷同時接続デバイス数が現状の100倍! | |
❸MU-MIMOでの同時接続できる端末台数が従来の2倍の8台! | ❸1ms(ミリ秒)以下の超信頼、超低遅延を実現! | |
❹省エネルギー | - | |
デメリット | ❶最大通信速度が「5G」よりも遅い | ❶基地局が少ない |
❷サービス開始が一部 | ❷IoTなど接続機会の増加に伴うセキュリティーリスクが向上 | |
- | ❸テザリングは20GB制限がある |
それでは「ROG Strix X570-I Gaming」をレビューしたいと思います。
「ROG Strix X570-I Gaming」の特長
❶AMD AM4ソケット:最大2個のM.2ドライブ、USB 3.2 Gen2、およびAMD StoreMIを備えた第2および第3世代AMD Ryzenプロセッサーに対応しています。
❷Aura Sync RGB:RGBヘッダとアドレス指定可能なGen 2ヘッダを含む、ASUS独自のAura Sync RGBライティング
❸包括的な冷却設計:小型ファン付きのVRMおよびPCHヒートシンク、埋め込みPCHヒートパイプ、M.2ヒートシンク、およびサイバーテキスト模様のアルミニウムバックプレートにより、より多くの熱を吸収するのに役立つ質量が追加されます。
❹ゲーミングコネクティビティ: PCIe 4.0、HDMI 2.0およびDisplayPort 1.4をサポートし、デュアルM.2およびUSB 3.2 Type-AおよびType-Cコネクタを備えています。
❺ゲームネットワーキング:ASUS LANGuardを搭載したIntelギガビットイーサネット、MU-MIMOをサポートしたWi-Fi 6(802.11ax)、およびGameFirst Vを介したゲートウェイのチーム化
❻5-Way Optimization:システム全体の自動チューニングにより、リグに合わせたオーバークロックと冷却プロファイルを作成
❼ゲーム用オーディオ:SupremeFX S1220A、DTS Sound Unbound、およびSonic Studio IIIを使用したハイファイオーディオ
❽ゲーマーズガーディアン: ASUS Safeslot、最高の耐久性を実現するプレミアムコンポーネントを採用(ASUS社HPより引用)
開封の儀
内容物
User's manual
I/O Shield
4 x SATA 6Gb/s cable(s)
2 x M.2 Screw Package
1 x Supporting DVD
1 x ROG Strix stickers
1 x M.2 bracket
1 x Cable ties pack(s)
1 x Wi-Fi Antenna(s)
1 x Extension cable for Addressable LED
1 x AAFP Extension Cable
1 x Panel cable
1 x ROG Thank you card
外観
「ROG Strix X570-I Gaming」をチェックする
一番、最初に目につくのはチップセット用のヒートシンクのファンが搭載されていることです。
「ROG Crosshair VIII Impact」では2つのファンが搭載されてました。
ASUS AMD X570 搭載 AM4対応 マザーボード ROG CROSSHAIR VIII IMPACT 【 mini-DTX 】 |
「X470-I」では搭載されてないので、いかに豪華な仕様になっているのが分かります。
「フェーズ」の数が「10個」あるので強力な電源VRMが搭載されているので安定性が良くなり、オーバークロックなどの耐性も上がります。
「X470」ではファンが搭載されてなかったので熱対策に万全な装備です。
上がSSD M.2のヒートシンク、その下にはチップセットのヒートシンクが備えているので厚みが増しています。
二重構造の仕様になっています。
ヒートシンク用ファンはヒートシンクの、やや左上の所に電源供給ケーブルで繋がっています。
CPUファンの近くにあるので配線が1か所にまとまってケーブルマネジメントがしやすいです。
メモリソケット周辺には特別な役割を担うボタンはありません。
「X570-I」は高価な割に緊急時に役立つ「クリアCMOS」「BIOS」「RESET」が備えていないので少し寂しい感じです。
「F-PANEL」「USB2.0」の周りを見てみます。
「ストレージ」と繋ぐ「SATA」は上方向に向いてます。
「SATA」は差込方向は見栄えも気になるので横方向に向いて欲しかったです。
音源チップの「SupremeFX」が搭載されています。
オンボードで高音質なサウンドを奏でるので別途、オーディオボードを用意する必要はありません。
筆者は昔、「ONKYO」のサウンドカードを愛用していましたがASUS「SupremeFX」の音源チップに魅了されてしまい、それ以降、オンボードで満足してしまいました。
それくらい音質が良いと思います。
時間があればオーディオを吟味してみたいです。
筆者が愛用するBOSE社「Micro Music Monitor(M3)」です。
前面のASUSロゴマークの中にストレージ「SSD m.2」が換装できます。
またオーディオチップとM.2スロットが一体化されてます。
蓋を開け「SSD m.2」を換装してみます。
蓋の裏側には「SSD m.2」を冷却するシートが貼っています。
換装した様子
マザーボードの裏側にも1基、取り付けられます。
裏側は冷却シートはありませんので各自、用意することになります。
インターフェース周りを見てみます。
ASUSでは珍しく「DP=ディスプレイポート」が搭載されています。
主に「HDMI」が搭載されていることが多いので地味に「DP」が使えるのが嬉しいです。
ちょっと、この辺で「X570-I」と「X470-I」のマザーボードのレイアウトの見比べをしてみます。
新世代「X570-I」と旧世代「X470-I」のレイアウトは同じ?!
まず本体を見比べます。
左「X570-I」、右「X470-I」
「X570-I」はM.2の部分までフラットに連なっていて外観はカッコ良くなっています。
「X470-I」では「Wi-Fi」の部分が剥き出しになっています。
「X570-I」の本体は非常に厚みがありPCケースに換装の際は注意が必要です。
ヒートシンク用ファンの分が高くなり、そのまま高さを合わせたので、ぶ厚くなり高級感が増しました。
AURA SYNC( Aura RGBヘッダー、アドレサブル Gen2ヘッダー )の位置と数は同じです。
それでは「ROG Strix X570-I Gaming」にCPUとファンクーラーを取り付けてPCを組み立てていきます。
組み立て完了!
【PCケース】NZXT社 「H210i」
【CPU】AMD社 Ryzen7 「2700X」
【マザーボード】「ROG Strix X570-I Gaming」
【メモリ】キングストン社「HyperX Predator RGB 4000MHz 8×2/16GB」
【GPU】「SAPPHIRE PULSE RADEON RX 570 8G」
NZXT H210i mini-ITXケース RGB LED発光&ファン制御機能搭載 [ Black & Black ] CA-H210I-B1 |
PCケースはNZXT社「H210i」へ新調しました。
なのでPCファンが標準です。
これから、じっくり時間をかけて新しいパーツを組み込んでいきます。
初めてAMD純正RGBクーラーを取り付けました。
オマケの純正クーラーは品質が良く冷却性能も抜群な上にカッコいいです!
RGBを点灯!
この感じ! いかにもゲーム世界の幻想的な空間を演出します。
あれ?!
奥の「ROG」のロゴが点灯していません?!
最近の「AURA Sync」は「Armoury Crate」にて操作することになりました。
基本画面はこんな感じです。
筆者のPCと「Armoury Crate」の相性が悪く、うまくデバイスが同期しないので非常に困っています。
「DDR4メモリ」しか反応していないので残念です。
試行錯誤しながら色々と試してみます。
使ってみた感想
「ROG Strix X570-I Gaming」は高性能で多機能ですが、あまり使いこなせていません。
将来的に「Ryzen9 3950X」を導入して、その時に本領発揮するのが「X570」の醍醐味と言えるでしょう。
他に「Wi-Fi6」など次世代通信など現時点でインフラ整備が不十分なため性能を試すことができないので今のところ下位互換「B450」でも十分、間に合うと思います。
見た目重視やオーバースペックをご堪能したいのであれば「ROG Strix X570-I Gaming」がおススメです。
良かったところ
❶オーバークロックしても途中で電源が落ちることなく動作が安定してます。
❷転送速度が速い「USB 3.2 Gen2」が対応しているので外付け「SSD m.2」のカードアダプターなどに便利です。
❸チップセット、M.2のヒートシンクが一体構造で全体的に重厚感が増し、インパクト抜群!
魅せるPCケースにはピッタリです。
「AURA Sync」の追記報告
ライティングアプリ「Armoury Crate」にて中央のロゴが点灯せずマザーボードも認識しなかった件は「アップデート」の項目をクリックして更新したら直りましたので報告いたします。
「アップデート」更新前
更新後
しっかり点灯しました。
もちろんマザーボード背面のLEDも点灯しています。
手順は以下の通りです。
❶現在「メモリ」のみ認識していません。
左下の「設定」⇒「アップデートセンター」の順番でクリックします。
次に「更新」をクリックします。
すると「ROG Strix X570-I Gaming」が認識します。
原因はソフトウェアの問題だったので解決して良かったです。
もしも「ROG Strix X570-I Gaming」を購入してライティングアプリ「Armoury Crate」に不具合がございましたら是非、お試しください。
残念な点、注意する点
❶次世代通信規格「Wi-Fi6」を試すには、まだ早い?!
現時点でインフラ整備が、まだ不十分なので使用できる頃までに時間がかかる。
本格的に普及していくのは2020年~21年と言われています。
❷マザーボード本体に厚みがあり極小PCケースに入らないことがあるので注意が必要です。
❸個体差があると思いますがライティングアプリ「Armoury Crate」のデバイスの認識が反応しない。
現にPCを起動するたびに「AURA Sync」の項目があったり、なかったりすることがあります。
総評
「ROG Strix X570-I Gaming」は「X470-I」には備えていない多機能、高性能といった贅沢なマザーボードです。
既にお持ちのチップセット「B450」「X470」からの乗り換えのメリットがあるかと言えば・・・答えは「NO」です。
「ROG Strix X570-I Gaming」は「オーバークロック」「Wi-Fi6」が前提のマザーボードでなく「PCIe4.0」対応の「RX5700」シリーズのVGAを導入する予定があれば、是非オススメしたいです。
次回は「PCIe3.0」と「PCIe4.0」を比較し今、「X570」は買い時なのか検証してみたいと思います。
お目通し戴き、ありがとうございました。
AD: N.K
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