今回ご紹介するのは2023年5月11日に発売されたDan Cases社 PCケース「C4-SFX v1=以下、C4-SFX」です。
価格は36,980円です。(税込)
対応マザーボードは「Mini-ITX / DTX / Deep-ITX」になります。
- 「A4-SFX」から「C4-SFX」へバトンタッチ!
- 「C4-SFX」の特長
- 開封の儀
- 外観
- 「C4-SFX」をチェックする
- 使ってみた感想
- 良かったところ
- 残念な点、注意する点
- 総評
- 主な仕様
- 関連商品
- トレンドアイテム
「A4-SFX」から「C4-SFX」へバトンタッチ!
「C4-SFX」は旧世代「A4-SFX」と呼ばれる究極のコンパクトPCケースの後継モデルであり容量14.7Lのコンパクトなサイズに加えて、グラフィックカードだけでなく、最大280mmのラジエーターを搭載した水冷にも対応し、A4-SFX以上の拡張性を実現しています。
「C4-SFX」では水冷に加えて空冷の性能も強化され最大高さ145mmまでのCPUクーラーに対応するようになっています。
さらに、グラフィックスカードも最大で3.9スロットの厚さに対応し、一部のNVIDIA RTX40シリーズのグラフィックスカードを使用することができます。
また「C4-SFX」は超小型PCケースであり、「Founders Edition=NVIDIA純正」のウルトラハイエンドグラフィックボードを取り付けることができます。
グラフィックボードのサイズは年々増大しており、現在では「3スロット」が標準サイズとなっています。
バージョン「v1」では「3スロット」が推奨されていますが、今後はさらなるグラフィックの強化を目指して「4スロット」のテスト段階が開始されています。
「C4-SFX」は今後の拡張に対応するため、バージョンを重ねながら進化していく予定です。
「C4-SFX」の特長
❶最大280mmまでのラジエーターを搭載したAIOに対応しています。
❷最大3.9スロットで長さ336mmまでのグラフィックカードをサポートします。
❸カラーリングはブラックとシルバーの2色を用意しています。
❹前面にはUSB3.2 Gen2 Type-C端子を搭載しています。
開封の儀
外観
「C4-SFX」をチェックする
早速、ケースを持ち上げてみると非常に軽いです。
PCケース全体は、15mmのアルミニウムで作られています。
塗装は「マットブラック」で質感は高くて「サラサラ」としています。
前面には「電源ボタン」と「USB3.2 Gen2 Type-C端子」を搭載しています。
実物を見ると少し大きいと感じます。
それでは、本体のサイズを見てみます。
「C4-SFX」のサイズはW216mm ×D398mm×H311mmになります。
右、DAN社「A4-SFX」・・・W112×D327×H200mm
右、Formd社「T1 v2」・・・W135×D335×H220mm
右、IQUNIX社「ZX-1」・・・W149×D330×H250mm
「A4-SFX」と比べると、約48%もサイズが大きくなっています。
「C4-SFX」は「RTX 4090 Founders Edition」を収めることができるPCケースであれば「コンパクト」な部類に入ると思います。
それでは組み立ていきます。
最初に「トップパネル」を外します。
「工具不要」で非常に便利です。
同じ手順で「前面パネル」と「サイドパネル」を外していきます。
パネルを外した後、「マザーボード」を取り付けます。
「空冷クーラー」を使用する場合は事前に空冷クーラーを取り付けておくと作業がスムーズです。
空冷の場合は最大、高さ145mmまでのCPUクーラーを搭載することが可能です。
「空冷クーラー」と干渉を避けるため「電源延長ケーブル」を外しておきます。
ついでに底面のパネルも外します。
マザーボードを取り付けます。
次は電源ユニットを取り付けます。
「SFX / SFX-L」に対応します。
4か所のネジを外して「ブラケット」を取り出します。
ブラケットの「電源ユニット」を取り付けます。
ケース本体に戻すとこんな感じになります。
ブラケットの「パンチ穴」を通してケーブルを固定します。
ストレージを取り付けます。
「SSD」に付属ネジを取り付けます。
本体の前面に取り付けると、こんな感じになります。
フロントスイッチ「SW」と「USB3.2 Gen2 ケーブル 」をマザーボードに接続します。
トップに「120mmファン」を取り付けます。
「140mmファン」も対応しています。
グラフィックボードを取り付けます。
「C4-SFX」は「3スロット」の場合、寸法は(L)340mm x (H)148mm x (D)61mmまでです。
もしくは「3.9スロット」の場合には、最大寸法は(L)336mm x (H)137mm x (D)79mmまでとなります。
取り付け手順はこんな感じになります。
グラフィックボードを取り付けた後、ホルダーを固定します。
サイドブラケットに「140mmファン」を取り付けます。
「サイドブラケット」に最大で「280mm」のラジエーターを搭載することができます。
「PCIeケーブル」を通すためのくぼみに合わせてブラケットを固定します。
「PCIeケーブル」を「補助電源コネクタ」に接続します。
底面にはマザーボードのファンコネクタ類を接続した後、パネルを固定します。
そして組み立て完了です。
旧世代の「A4-SFX」とは異なり「C4-SFX」には十分なスペースがあり組み立ては簡単でした。
使ってみた感想
筆者が気になった点は「エアフロー」です。
「C4-SFX」のエアフローを見ていきます。
まず、「CPUクーラー」の向きを次のように設定します。
推奨されるエアフローのレイアウトは、以下のようになります。
ここで注意が必要です。
グラフィックボードの体積が小さい場合は問題ありませんが、「3スロット以上」の場合はトップに取り付けられた「120mmファン」を取り外す必要があります。
また、グラフィックボードが「仕切り板」の役割を果たし、エアーの流れが上から下へと阻害される可能性があります。
そのため、3スロット以上のグラフィックボードを使用する場合は、「スリット」のあるグラフィックボードを選択することをオススメします。
「スリット」の入ったバックプレートによりファンが「ヒートシンク」を通って熱を排出し効果的な冷却が行われます。
またグラボの下には「通気口」があります。
「通気口」は「Founders Edition」と呼ばれる「NVIDIA純正モデル専用」の設計であり、CPUの過熱を防ぐために配置されています。
それではケース内部の温度を見てみます。(室温26℃)
「Cinebench R23」を使ってベンチマーク測定してみます。
PC構成
【PCケース】】Dan Cases社 「C4-SFXv1 ブラック」
【CPU】AMD社「Ryzen 7 7800X3D」
【マザーボード】ASUS社「ROG STRIX B650E-I GAMING WIFI」
【メモリ】CORSAIR社「VENGEANCE DDR5, 6000MHz 32GB(16GBx2)」
【GPU】インテル社「Intel ARC A770 16GB」
【PSU】CORSAIR社「SF600」
【CPUクーラー】ノクチュア社「Noctua NH-U9S chromax.black, 92mm (ブラック)」
スコアは「13761」になりました。
「CPUコア」は「MAX:76℃」、「CPUパッケージ」は「MAX:87℃」
「マザーボード」は「MAX:30℃」、「VRM」は「MAX:46℃」となりました。
タイトルは「STAR WARS ジェダイ:サバイバー」です。
設定は「3840×2160」、プリセット「EPIC」、レイトレーシング「ON」にしています。
「GPU温度」は「MAX:70℃」になりました。
高負荷をかけてもハードウェアの温度は適切に保たれています。
推奨されたエアフローの効果が得られているようです。
良かったところ
❶旧世代の「RTX 3000シリーズ」のカスタムフラッグシップモデルはほとんどが収めることができます。
「最大3.9スロット」で「長さ336mm」までの大型ハイエンドグラフィックスカードをサポートしています。
「C4-SFX」のリリースが遅かったことは残念です。
❷懸念されていた「Founders Edition」以外のバックプレートにスリットがないカスタムモデルでも、十分な冷却が可能です。
❸「コンパクト」ながらも細かい配慮が行き届いており、スペースに余裕があったため、組み立ては簡単でした。
残念な点、注意する点
❶グラフィックボードが上部に設置されることで、埃が直接入り込む可能性があり、グラフィックボードが埃の「受け皿」の役割を果たします。
PCケースのメンテナンスには掃除の頻度を高く保つことを心掛けてください。
❷RTX4000シリーズのカスタムフラッグシップモデルを収めることができるケースは限られています。
❸グラフィックボードが「仕切り板」の役割を果たし、エアーの流れが上から下へと阻害される可能性があります。
3スロット以上のグラフィックボードを使用する場合は、「スリット」のあるグラフィックボードを選択することをオススメします。
❹電源ソケットの向きが上下に用意されているのにケース本体の向きは変更できないという点が不満です。
❺各パネルの「ポッチ=留め具」が硬いため、薄いパネルが曲がる可能性があるので、外す際は両手で力を逃がしながら注意して外してください。
❻本体価格が高額です。
国内での販売はありますが、取り扱い店舗が限られているのが難点です。
総評
「C4-SFX」は「上下逆さま」のレイアウトにより、バックプレートにスリットのない大型グラフィックボードの推奨を避けるなど、少々特異な特徴を持っています。
しかし、2.5スロットの場合、エアフローのスペースに余裕が生まれるため、バックプレートにスリットがなくても十分に冷却できます。
「C4-SFX」はエンスージアスト向けの設計ですが、細かな配慮が行き届いた親切な設計のおかげで、初心者の方にも取り扱いが簡単でオススメです。
共に「変態レイアウト」について語りませんか?
お目通し戴き、ありがとうございました。
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主な仕様
寸法・・・W216mm ×D398mm×H311mm
重量・・・4.8kg
容量・・・14.7L