今回ご紹介するのは2023年6月14日に発売されたASUS社 ポータブルゲーム機「ROG Ally Ryzen Z1 Extreme(RC71L-Z1E512)=以下、ROG Ally」です。
ラインナップは2種類あります。
❶ROG Ally Ryzen Z1 Extreme
価格は109800円(税込)です。【ASUS様より貸出提供】
「ROG Ally」の詳細はこちら
下位モデル
❷ROG Ally Ryzen Z1
価格は89,800円(税込)です。
- どんな人が「ROG Ally」を持っておいた方が良いの?
- 「ROG Ally」の特長
- 開封の儀
- 外観
- 「ROG Ally」をチェックする
- 「ROG Ally」を起動!
- 「ROG Ally」のパフォーマンスを検証!
- 使ってみた感想
- 良かったところ
- 残念な点、注意する点
- 総評
- 主な仕様
- 関連商品
どんな人が「ROG Ally」を持っておいた方が良いの?
❶PCを持っていないけどPCゲームを楽しみたい人・・・様々なシーンで活躍する、「ROG Ally」の魅力を体験してください。
❷PC版しかないゲームがあるが、どこでもプレイしたい人・・・例えば、PCを持っていないけれどPCゲームがしたいという方にとって「ROG Ally」は理想的です。
PC版しかないゲームがある場合でも、「ROG Ally」を手に入れれば、どこでもそのゲームを楽しむことができます。
❸大きくて重い、熱くなるノートパソコンに不満を抱える人・・・ノートパソコンをお持ちの方にとっても、「ROG Ally」は大きくて重い、そして熱くなるといったノートパソコンの不満を解消します。
持ち運びが簡単で、どこでも快適なゲームプレイが可能です。
❹ノートパソコンのみを所有しているが、コントローラーを持っていない人・・・ノートパソコンしか持っていない人向けにも最適です。
コントローラーも「ROG Ally」に内蔵されているため、追加の機器を買わなくても手軽にゲームを楽しめます。
❺モニターやPCデスクトップ、コントローラー、キーボード、マウスを揃えることが面倒な人・・・モニターやPCデスクトップ、コントローラー、キーボード、マウスなどを揃えると場所を取り、費用もかかりますが、「ROG Ally」なら一つでこれらの機能を兼ね備え、手軽にゲーム環境を整えることができます。
「ROG Ally」を持つことで、どんな状況でもストレスなくゲームを楽しむことができます。
「ROG Ally」の特長
❶「約280mm×111mmのコンパクトな本体は、わずか608gの軽さで、どこでも気軽にゲームを楽しめます。
高輝度の120Hz高速駆動液晶を搭載し、精細で明るく、なめらかな表示を実現します。
❷AMD Ryzen Z1シリーズプロセッサーを搭載し、パワフルなパフォーマンスを提供します。
バッテリーだけで最長約10.2時間も遊び続けることができ、持ち運び先でのゲーム体験が一層広がります。
❸立体音響技術のDolby Atmosに対応し、臨場感あふれるサウンドでゲームの没入感を高めます。
熱くならないROGインテリジェントクーリングシステムを搭載し、長時間の使用でも快適な冷却性能を発揮します。
❹お得なXbox Games Pass Ultimateの3か月間無料使用権が付属し、多彩なゲームライブラリを存分に楽しむことができます。
ゲームの新しい次元を体験し、どこでもアクションに満ちたエンターテインメントをお楽しみください。
開封の儀
内容物
マニュアル
ROGAllyスタンド
Type-C/65W ACアダプター (20V/3.25A)
外観
「ROG Ally」をチェックする
ボディカラーは「ホワイト」で、材質はプラスチック製です。
本体は大きいですが、意外にも軽く、長時間のプレイでも疲れにくい重さを感じました。
スペック値では「608g」となっていますが、実測では「614g」となりました。
重量は軽いものの、本体サイズが大きいため、外出時にはやや大きめのバッグを用意した方が良さそうです。
パッケージの上蓋の裏側に「ROG Ally スタンド」が付属しています。
「ROG Ally スタンド」は手持ちプレー以外に重宝します。
例えば立て掛けて「ROG Ally」をモニター代わりにする場合には、とても便利です。
また緊急時にはキーボード、マウスを用意すればデスクトップPCのように使用することも可能です。
「Bluetooth対応」の周辺機器を用意すれば、煩わしい配線なしでスマートにスペースを有効活用できます。
コントローラー周りを見てみます。
サイドには2つのボタンがあり、奥には「左トリガー」が備わっています。
また親指には「左スティック」「方向ボタン」が備えており、すぐ近くに「表示ボタン」「コマンドセンターボタン」があります。
自然な握り心地で、ニュートラル時には4つのボタンの中心に親指が置かれるため、操作性のポジションは非常に良いです。
「マクロボタン」が中指に配置され、握り心地が自然で快適です。
右側も自然な握り心地です。
「ROG Ally」の上部には「通気口」があり、背面にも「通気口」が設けられています。
「ROGデザイン」を施した通気口がユニークで面白いです。
本体上部のインターフェース周りを見てみます。
右から「ヘッドホン / ヘッドセット / マイクジャック」、「microSDカードスロット(最大UHS-IIに対応)」、「ROG XG Mobileインターフェース」、「USB3.2 GEN Type-C / DisPlayPort1.4 / 電源入力」が備えています。
また、右から「音量ボタン」、「2色バッテリーインジケーター」、「電源ボタン / 指紋センサー」が配置されています。
「USB3.2 GEN Type-Cポート」は1基のみで、複数のUSBを接続したい場合は別途「USB C ハブ」を用意する必要があります。
一般的な「USB C ハブ」でも問題なく対応します。
それでは「ROG Ally」を起動してみます。
「ROG Ally」を起動!
「電源ボタン」を長押しして起動します。
いつも通り「Windows 11」のインストール手順に従います。
インストールが完了しました。
デスクトップ画面は以下のようになります。
マイクロソフトのアカウントにログインしておくと、システムが同期され、通常通りご利用いただけます。
そのままASUS独自ゲーミングユーティリティーアプリ「Armoury Crate SE」もインストールしておきましょう。
「Game Library」は、現在インストールされているゲームやアプリを表示し、素早く起動できます。
後ほど「鉄拳7」をプレイしたいのでインストールしておきます。
「Steam」のライブラリ画面はこのようになります。
画面の左側に「コマンドセンター」があるので押してみます。
各設定項目には、「コントロールモード」や「コマンドセンターの編集」、そして「ROG Allyのセットアップ」があります。
コントロールモードでは、パッドの操作に関するカスタマイズが可能で、「ゲームパッドモード」と「デスクトップモード」でそれぞれ異なる設定ができます。
キーマッピングやトリガー感度などが自由に調整できます。
コマンドセンターの編集では、表示項目に関する設定が行えます。
項目の増減や順序の変更がシンプルに行えます。
ライティング設定を見てみます。
「左右スティック」のLEDはお好みのカラーを選ぶことができます。
本体の概要、設定の準備が終わったところで「ROG Ally」のパフォーマンスを見ていきます。
「ROG Ally」のパフォーマンスを検証!
システムデバイスの仕様は以下の通りです。
早速ベンチマークアプリ「3D-MARK」を起動します。
「SpeedWay」はレイトレーシングスコア(光源処理)を測定するもので、スコアは「340」と低い結果となりました。
動作中は非常に重く、「ROG Ally」の単体では処理しきれないようです。
快適にレイトレ対応ゲームをプレイしたい場合は、別途「ROG XG Mobile」の拡張を試してみると良いでしょう。
引き続きベンチマーク測定を行います。(過去データを参考にしています)
GPU性能は「GTX1050Ti」クラスとなりました。
CPU性能を検証するために、「Cinebench R23」を使用します。
その結果、「Core i5-13400F」と比較してわずかに性能が劣り、一方でゲーミングCPUに特化した「Ryzen 7 5800X3D」よりも高いスコアを出すことができました。
ゲーム性能を見てみます。
SHADOW OF THE TOMB RADER-「デフォルト設定」
「平均フレームレート」
「3D-MARK」と同様に、ゲーム性能は「GTX 1050 Ti」と同等になりました。
使ってみた感想
「ROG Ally」で「鉄拳7」を試しました。
画面はわずか「7インチ」ですが、フルHDでも充分な鮮明さがあり、120Hzの高速駆動液晶が非常に滑らかで快適です。*「鉄拳7」は「60fps」です。
画面に近づけても粗さは気になりません。
繊細で文字も読みやすく、仕事の際にも対応可能な解像度です。
オプションにて解像度を「1080P」または「720P」のいずれかを選択することができます。
実際にゲーム画面で違いを見てみます。
❶「1080P」
❷「720P」
バッテリーの持ちやフレームレートのカクツキが気になる場合は、「720P」でのプレイをオススメします。
静止画像では粗が目立ちますが、実際のプレイ中には不思議とそれが気にならないと感じることでしょう。
ゲームの音はラジオのようにうるさくなく、中高音が程よく感じられ、聴き疲れがありません。
「鉄拳7」をプレイ中に気になった点が、「ROG Ally」の背面にある「M2=マクロボタン2」がプレイに大きな支障をきたします。
具体的な症状としては、「マクロボタン2」と「方向ボタン」を同時に「誤押し」した瞬間に、「デスクトップ画面」へ強制的に切り替わります。
この際、音声のみが聞こえ、バックグラウンドには「プレイ続行」されている状態になります。
左右の「マクロボタン」を無効に設定しましたが、ゲーム中では「無効」が反映されないため、仕方なく「マクロボタン」を避けながらプレイしました。
せっかくの自然な握り心地が、逆に不自然な握り方に変わってしまうので、プレイに大きな支障をきたします。
ベゼルを見てみます。
ベゼルの幅は約9mmほどあります。
ベゼルはやや広めです。
次は「Cinebench R23」のベンチマークを「10分間連続」で実行します。
ベンチマーク測定中の本体の温度を見てみます。(室温15℃)
スタート直後、急激に「96℃台」まで上昇しますが、しばらくすると「平均77℃前後」で安定します。
本体の外部の様子をサーモグラフィ画像で確認します。
上部の「通気口」は「50℃」を超えますが、背面の「通気口周辺」は「37℃」程度で、人肌に近い温度となりました。
したがって、ゲーム中に本体が熱くなりすぎて持ちにくくなるといった事態はなく、手袋が必要とされることもありません。
安心してプレイに集中できます。
緊急時に「仕事」として活用できるか試してみました。
「USB Type-Cケーブル」を1本使用して、「ポータブルモニター」を接続することができます。
写真では「ROG Ally」と「ポータブルモニター」が同じ画面で映っていますが、「デスクトップ画面」では「ポータブルモニター」が優先され、「ROG Ally」の画面は映らなくなります。
また、「大きな画面」や「拡張」といった機能を活用する場合は、「HDMIケーブル」を接続して効率性を高めることができます。
良かったところ
❶ 画面は美しく、繊細で滑らかです。
「7インチディスプレイ」は輝度500nitと120Hzを採用し、ゲームと仕事の両方に対応していますが、指での操作により指紋がつきやすい点には注意が必要です。
❷ 操作性は非常に良好で、自然な握り心地が快適です。
ただし、一部のゲームでは「マクロボタン」と「方向ボタン」を同時に誤って押すと、強制的にデスクトップ画面に戻る可能性があるため、注意が必要です。
❸ 本体の重量は軽いです。(実測614g)
ノートパソコンや10インチタブレットと比較しても軽量で、気軽に持ち運べます。
❹ 「Windows11搭載」でPCと同様の使用感があります。
「Armoury Crate SE」が推奨されていますが、Windows 11デスクトップ画面としても使用可能で、新しい機能や配置を覚える必要がありません。
「Armoury Crate SE」は直感的でわかりやすいため、すぐに馴染めます。
❺ 高負荷時でも本体は熱くなりません。
外部通気口の上部は50℃を超えますが、背面周辺は37℃程度で、ゲームプレイ中に本体が過熱して持ちにくくなる心配はありません。
❻ ポータブルゲーム機としては十分な性能を備えています。
最大性能を引き出すには充電器に接続する必要がありますが、処理性能を最大限に利用するために接続したまま使用できます。
残念な点、注意する点
❶ バッテリーの持ちが悪いです。
特に「Turboモード時」には急速に残量が低下します。
解像度を下げたり省エネモードに切り替えるなど、個別に調整が必要です。
❷ 左右のマクロボタンを完全に無効化できません。
「ROG Ally」のゲームプレイ中に問題が発生します。
背面の「マクロボタン」と「方向ボタン」を同時に誤って押すと「デスクトップ画面」に切り替わり、バックグラウンドでプレイが続行される状態になります。
❸ ストレージとメモリの不足感があります。
「512GB」のストレージは最新の大容量ゲームに対して不足を感じます。
「16GB」のメモリモデルしかないため、特に「VRAM」に不安があります。
❹「Bluetoothマウス」が必要です。
「指での操作」が主体なのでないと操作が難しいです。
❺ 単体では拡張性が低いです。
「USB Type-C ハブ」などの別売りアクセサリーを使用しない限り機能の拡張が難しいです。
総評
「ROG Ally」は「美しい画面」、「優れた操作性」、「軽量で持ち運びが簡単」なポータブルゲーム機としての強みがあります。
「Windows11搭載」で直感的な操作が可能で、高負荷時でも本体が過熱することはありません。
ただし、バッテリーの持ちが悪く、「Turboモード時」には注意が必要です。
また、「マクロボタン」の「無効化」が完全でないため、ゲームプレイ中に問題が発生することがあります。
「ストレージ」、「メモリ不足」、「Bluetoothマウス」の必要性には留意が必要ですが、外部アクセサリーを駆使することでこれらの課題を解決できます。
さあ、年末年始の休暇は「ROG Ally」と共に過ごしてみませんか?
お目通し戴き、ありがとうございました。
AD: N.K
主な仕様
インチ : 7.0型(120Hz)
CPU : Ryzen Z1
OS : Windows 11 Home
メモリ : 16GB/16GB(標準/最大)
ストレージ : SSD : 512GB
無線LAN:IEEE802.11a/b/g/n/ac/ax (Wi-Fi 6E)
Bluetooth 機能:Bluetooth 5.1
バッテリー駆動時間約10.2時間
バッテリー充電時間約1.6時間
消費電力消費電力:最大約65W
サイズ幅280.0mm×奥行き111.38mm×高さ21.22~32.43mm