新世代は旧世代を大きく超えよ

科学技術は日進月歩の世界です。特にテレビ、オーディオ、コンピューター関連の機器は急速に加速しています。 新世代、旧世代のそれぞれの製品の特長を見い出し参考になれば幸いでございます。

【さらば!14nm最後のマザボ!】ASUS社「ROG STRIX Z590-I GAMING WIFI」をレビュー

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今回ご紹介するのは2021年3月19日に発売された新世代チップセット「Z590」を搭載したマザーボードMini-Itx「ROG STRIX Z590-I GAMING WIFI」です。

 

 

新世代チップセットZ590」は「第11世代」および「第10世代」IntelCoreのプロセッサーに対応します。

 

チップセット「Z590」による進化点は以下の通りです。

 

❶「USB 3.2 Gen 2 x2」をサポート

 

❷「DMI Gen 3.0 x8」をサポート

 

❸「PCI Express 4.0」にグレードアップ!

 

Wi-Fi 6Eをサポート

 

❺「Thunderbolt 4」に拡張!

「nm」のプロセスとは・・・?

 長期に渡ってIntel社は「14nm」でAMD社「Ryzen」と闘ってきました。

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プロセスとは半導体の回路線幅を指します。

 

プロセスが微細化するメリットとは・・・?

 

❶より高性能なプロセッサーを製造できる

 

❷パフォーマンス向上(処理性能が上がります)

 

❸消費電力や低発熱(ワットパフォーマンス)の省エネ化

 

❹製造コストの低下(小さなサイズでチップがたくさん載せられる)

 

の以上が期待できます。

 

微細化に成功した「CPU」は8Kや4Kなど強力な「グラフィックボード」と組み合わせれば超高速フレームレート化(240fps以上)に期待できます。

 

「PCIe4.0」は「PCIe3.0」 と比較して2倍の帯域幅を実現します。

PCI Express 帯域幅 ✕16
Gen2 8 GB/S
Gen3 15.75 GB/S
Gen4 31.51 GB/S
「Thunderbolt4」とは・・・?

新世代「ROG STRIX Z590-I GAMING WIFI」は「 Thunderbolt4 」を搭載!

 

「データ転送速度」が「Thunderbolt3」よりも格段に速くなるのか?と思いきや「最大データ転送速度」は「40Gbps」のままで変わらないのです。

 

では何が進化したのかというと「ケーブルの長さ」が影響します。

 

「Thunderbolt3」・・・最長0.8m ただし「0.8m」以上になると「20GGbps」に制限されてしまいます。

 

「Thunderbolt4」・・・最長2m つまり「40Gbps」を保持できる距離が長くなりました。

 

PCI Express」の「データ転送速度」が「16Gbps」から「32Gbps」へパワーアップ!

 

「Thunderbolt」に対応した周辺機器への接続数が格段に増える!

 

「Thunderbolt3」・・・最大2基

 

「Thunderbolt4」・・・最大4基

 

大まかに違いをまとめましたが「Mini-Itx」という「小さな基盤」で多くのデバイスとつながりが持てるようになったのが「Z590-I」の魅力です。

「ROG STRIX Z590-I GAMING WIFI」の特長

❶第11世代Intel Core プロセッサーおよび第 10 世代Intel Core、Pentium Gold、Celeron プロセッサーに対応しています。

 

❷最適なパワーソリューション:ProCool II電源コネクタ、高品質のフェライトチョークと耐久性のあるコンデンサを使用した8+2パワーステージにより、マルチコアプロセッサをサポートします。

 

❸最適化された熱設計:VRMおよびアルミニウム製I/Oヒートシンク(2つのスキッドフィン付き)、L字型ヒートパイプ、M.2バックプレートおよびPCIe 4.0 M.2スロット用スキッドフィンを含む2つのオンボードM.2ヒートシンク

 

❹高性能ネットワーク :Intel WiFi 6E AX210 (802.11ax)とIntel 2.5GbイーサネットASUS LANGuard)を搭載

 

❺最高のゲーミングコネクティビティ:HDMI 2.0、2つのM.2スロット、USB 3.2 Gen 2x2 USB Type-Cをサポート。

 

❻インテリジェントコントロール。: ASUS独自の「AIオーバークロック」、「AIクーリング」、「AIネットワーキング」、「双方向AIノイズキャンセリング」により、セットアップを簡素化し、パフォーマンスを向上させます。

 

DIYフレンドリーなデザイン:I/Oシールド、BIOS FlashBack、FlexKeyを実装済

 

❽比類なきパーソナライゼーション:ASUS独自のAura Sync RGBライティング、RGBヘッダーとGen2アドレッサブルヘッダーを含む

 

❾業界をリードするゲーミングオーディオ:ALC4080とSavitech SV3H712アンプ、DTS Sound UnboundとSonic Studio IIIを搭載

開封の儀
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外観
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「ROG STRIX Z590-I GAMING WIFI」をチェックする

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「 Z590-I 」にはチップセット用のヒートシンクのファンが搭載されてます。

 

最近は廉価版にもファンが搭載されているので必須の装備になってきました。

 

その分、価格が上がってしまうのは仕方がないのでしょう。

 

補助ファンが搭載されてVRMヒートシンクは大型化してカッコ良くなりました。

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チップセット用のヒートシンクの蓋を開けてみます。

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ファンは「60,000時間」の耐久性を持つベアリングを採用しています。

 

「フェーズ」を見てみます。

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「8+2個」「フェーズ」の数がハイサイドとローサイドの「MOSEFT」と「ドライバ」を1つにまとめることで、より強力な電源VRMが搭載されているので起動の安定性が良くなり、オーバークロックなどの耐性も上がります。

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CPU用コネクタは「8ピン」です。

 

その近くにLEDを装飾する「RGBヘッダー」も備えています。

 

PCケースのフロントI/Oに接続する「USB 3.2 Gen2 フロントパネルコネクター」も備えています。

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ネクター系統は、ひと通り揃っているので様々なPCケースに対応します。

 

緊急時に役立つ「クリアCMOS」「BIOS」「RESET」が備えていないので少し寂しい感じです。

 

「ストレージ」と繋ぐ「SATA」は1か所に「4つ」にまとまっておりケーブルマネジメントがしやすいです。

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前面のASUSロゴマークの中にストレージ「SSD m.2」が換装できます。

 

ロゴマーク」の下に「USB2.0ヘッダー」「ファン/ポンプヘッダー」「フロントパネルオーディオヘッダー」「アドサブルヘッダー」を備えています。

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音源チップ「SupremeFX」とM.2スロットが一体化されてます。

 

「SupremeFX」は別途サウンドボードが必要ないくらい高音質です。

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筆者が愛用するBOSE社「Micro Music Monitor(M3)」で聴く量感たっぷりな超高音質サウンドは見事です!

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個人的には「DSP」など「全てオフ」に設定した方が音に厚みがあって自然に聴こえます。 

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「2層構造」になっているので右端の端子ベルトを上に持ち上げると外れます。

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更にもう一段、「M.2スロット」を外すと「SupremeFX」の音源チップが隠れています。

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外した「M.2スロット」の裏側には冷却シートが貼っています。

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「2枚重ね」+「音源チップ」が一体構造になりました。

 

「M.2スロット」にストレージを換装してみます。

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青いビニールを剥がしてストレージを取り付けます。

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換装すると、こんな感じになります。

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従来ならマザーボードの前面と裏面に一基ずつ「M.2スロット」を備えているのに対し「Z490-I」は「2枚重ね」換装できるので、とても便利です。

 

マザーボード裏面のストレージを交換の際は、わざわざPCケースからマザーボードを外すのがとても大変な手間でした。

 

なので裏面の「M.2スロット」は換装したら、ほぼアップグレードしない前提の大容量のストレージを詰めるしかありませんでした。

 

インターフェース周りを見てみます。

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旧世代「Z490-I」にはあった「DP=ディスプレイポート」が省略されています。

 

その代わりに「Thunderbolt 4 USBType-C」が追加されました。

 

BIOS FlashBack」が搭載されてUSBスティックにドロップし「USB BIOS FlashBack ポート」に接続してボタンを押します。

 

更新は、メモリやCPUがインストールされていなくても実行できます。


USBポートは全部で「9口」あるので拡張性は良いほうだと思います。

ネットワーク周りを見てみます。

 

付属の「WiFi 6Eアンテナ」のデザインが一新されました。

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垂直に立てられるようになりました。

 

またマグネット仕様なのでPCケースの上面や側面に取り付けることができます。

 

設置の様子

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アンテナには2つの送信機と受信機が内蔵されており、より高速な伝送を可能にし「2.4GHz」「5GHz」「6GHz」帯をサポートしています。

 

PCIeスロットを見てみます。

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PCI Expressスロット部分には金属プレートを使用してます。

 

グラフィックボードの自重で垂れ下がらないだけでなく、グラフィックボードを換装の際に引き抜く力も通常の1.6倍の強度を実現。

 

今後にかけて「グラフィックボード」は性能とともに重さも厚み(3スロット)増してくるので頑丈であれば安心です。

 

ちょっと、ここで旧世代「Z490-I」と並べてみます。

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デザインとレイアウトはほとんど同じです。

 

VRMヒートシンク」部分のエッジが広くなりました。

 

また「Z490-I」はツートンカラーに対し「Z590-I」はブラックの一色となりグッと高級感が増しました。

 

「M.2スロット」部分は「Z590-I」の方がスリッドが入って強硬なデザインになりました。

 

左「Z590-I」、右「Z490-I」

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「DP」が省略されて不便になりましたが代わりに「Thunderbolt 4」が追加されたのは嬉しいです。

 

それでは最後に「CPUソケット」に「Core i9-9900K」を載せてみます。

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本当は3月30日に発売される「Core i9-11900K」を載せたかったのですが・・・。

使ってみた感想

換装した「Core i9-9900K」のままなので正直、何も変わりませんが新しく備わった「Thunderbolt 4」によって拡張性がグッと上がったのは良かったです。

 

使い道はこれから構築しながら「ROG STRIX Z590-I GAMING WIFI」をどっぷり使い込んでいきたいと思います。

 

デザインはブラックに統一されたので高級感が増してインテリア的にとてもカッコよくなりました。

良かったところ

❶前面「M.2スロット」が「2基」換装できるのでカートリッジ交換のような感覚で使いやすいです。

 

❷今のところ使い道はありませんが「CPU」や「メモリ」がなくても「USBメモリ」があれば更新アップデートできるのが、とても便利です。

❸第10世代Coreシリーズが使えるのが良いです。

 

❹拡張スロットの「PCIe 4.0 x16」が最新のNVIDIA「RTX30×0」やAMDRadeon RX6×00」に対応するのでポテンシャルを最大限に引き出せます。

 

とは言っても今のところは「PCIe 4.0」「PCIe 3.0」もそんなに大きく変わらいないのが現状です。

 

今後のアップデートに期待したいです。

 

❺メモリ関連ですが「DDR4 OC 5333MHz」までサポートし、さらに最大容量が「64GB」までアップグレード可能なので長期間、愛用できます。

 

❻ストレージも最新の「PCIe 4.0規格」に対応しているので「PCIe 3.0」で出し得なかった驚異的な読み込みスピードが実現するとのことなので「超高速SSD M.2」を導入して試してみたいです。

残念な点、注意する点

❶「Z590」のパフォーマンスを活かすには第11世代Coreシリーズでないと宝の持ち腐れです。

 

特に「グラフィックボード」や「M.2スロット」など「PCI Express 4.0」のパフォーマンスが活かせません。

 

第10世代のまま、お使いならばチップセット「Z590」を導入するメリットは少ないです。

 

よって「Core i9-11900K」を導入次第、追って追記を致します。  

 

❷マニュアルに訂正があります。

 

「M.2 Socket3 スロット」について

 

Intel Rapid Storage Technology によるPCie SSDRAID機能はCPU接続のスロットとチップセット(PCH)接続のスロット両方に Intel SSD が取り付けられている場合にのみ利用可能とのことです。

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SSD M.2 スロット-A(上段=PCI Express 4.0)は試しに第10世代CPU「10900K」を載せてストレージが認識するか確認しましたが「BIOS画面」でも認識されませんでした。

 

よって第11世代CPUでないと認識しないので注意してください。

総評

第11世代「Core i9-11900K」を導入する前提として「ROG STRIX Z590-I GAMING WIFI」を購入しました。

 

価格は少々高めですが納得できる豪華な装備がギッシリ詰め込まれています。

 

特にゲームなら「4K」「フルHD360Hz」など高フレームレートが狙いやすい環境が備わっているはずと筆者は期待しています。

 

しかしチップセット「Z590」や「Core i9-11900K」は古いプロセッサーを採用しているせいで既に「オワコン」とも言われています。

 

ですがプロセス14nmの「有終の美を飾る」マザーボードとして温かく迎えてみてはいかがですか?

 

お目通し戴き、ありがとうございました。

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主な仕様

Z590LGA1200ITXマザーボード

PCIe 4.0

8 + 2チームパワーステージ

双方向AIノイズキャンセレーション

AIオーバークロッキング

AI冷却

Intel WiFi6EAX210(802.11ax)およびASUS LANGuardを備えたIntel2.5Gbイーサネット ヒートシンク付き2スロット

Thunderbolt 4 USBType-C

USB 3.2 Gen 2x2USBType-C

SATAおよびAura SyncRGB照明 

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