今回ご紹介するのは2020年5月21日に発売されたIntel社 Comet Lake-S「「Core i9-10900K=10900K」です。
「Core i9-10900K」は「Core i9-9900K」とは違い完全に世代交代した第10世代の最上位CPUです。
新しくなったマザーボードのチップセットは「Z490」になりました。
各メーカーから様々な用途に応じたバリエーションが豊富です。
もしも迷ったら「デザイン重視」で決めるのも良いと思います。
- 「Core i9-10900K」の進化点
- 開封の儀
- 外観
- 「Core i9-10900K」のスコアを検証
- 使ってみた感想
- 良かったところ
- 残念な点、注意する点
- 総評
- 関連商品
- トレンドアイテム
- お時間があれば、こちらも目を通して戴けると幸いでございます
「Core i9-10900K」の進化点
今回、大きく進化した点は「Thermal Velocity Boost=TVC」を搭載しました。
「TVC」はCPUのコアクロックが冷却性能や電力など余裕がある場合にブースターが発動するシステムです。
コア数は最大「10コア/20スレッド」にスケールアップしており今まで以上にレンダリングやエンコードなど時間がかかる処理が一段と速くなりました。
しかしPCI-Expressは従来のまま「Gen3」を採用しており全てが一新されたわけではありません。
メモリーはDDR4-2933までサポートしています。
「Comet Lake-S」のソケットは旧世代「LGA1151」から新世代「LGA1200」へ変更しました。
「LGA1151」と互換性はありません。
既存の「LGA115×」用CPUクーラーが、そのまま装着可能ですのでわざわざ買い替える必要はありません。
簡単にスペック表を作成しました。
CPU | core i9 10900K | core i9 9900KS | core i9 9900K | core i7 9700k | Ryzen 7 3800X |
コア数 | 10 | 8 | 8 | 8 | 8 |
スレッド数 | 20 | 16 | 16 | 8 | 16 |
ベースクロック | 3.7 GHz | 4.0GHz | 3.6GHz | 3.6GHz | 3.9GHz |
ブーストクロック | 5.2 GHz | 5.0Ghz | 5.0Ghz | 4.9GHz | 4.5GHz |
全コアブースト | 4.8 GHz | - | - | - | - |
TVB | 5.3 GHz | - | - | - | - |
L3 cache | 20MB | 16MB | 16MB | 12MB | 32MB |
対応メモリ | DDR-2993 | DDR-2666 | DDR-2666 | DDR-2666 | DDR4-3200 |
TDP | 125W | 127W | 95W | 95W | 105W |
「9900K」に比べベースクロックは上がりました。
「TDP」は「95W」から「125W」になりました。
それではComet Lake-S「Core i9-10900K」のスコアを見ていきます。
開封の儀
外観
「Core i9-10900K」のスコアを検証
【CPU】INTEL社「Core i9-10900K」
【マザーボード】ROG STRIX Z490-I GAMING
【メモリ】キングストン社「HyperX Predator RGB 4000MHz 8×2/16GB」
【GPU】「ROG-STRIX-RTX2080TI-O11G-GAMING」
Cinebench R20ー「CPU」
「CPU別」
Cinebench R15ー「CPU」
「CPU別」
3D MARK
GPU別スコア
「ファークライ5」-「デフォルト設定」
「平均フレームレート」
ゴーストリコン・ブレイクポイント-「デフォルト設定」
「平均フレームレート」
ディビジョン2-「デフォルト設定」
「平均フレームレート」
SHADOW OF THE TOMB RADER-「デフォルト設定」
「平均フレームレート」
RISE OF THE TOMB RADER-「デフォルト設定」
「平均フレームレート」
デウスエクス マンカインド・ディバイデッド-「デフォルト設定」
「平均フレームレート」
strange brigade-「スケール150%」
「平均フレームレート」
ゴーストリコン ワイルドランズ-「デフォルト設定」
「平均フレームレート」
以上スコア検証でした。
「10900K」のレンダリング処理は「9900KS」よりも「13%」ほど速くなりました。
しかしゲーム性能はパッとしないスコアになりました。
「RTX2080Ti」がボトルネックのように感じます。
「Core i9-10900K」+「現行VGA」の組み合わせ、かつ、ゲーム目的なら「現行のCPU」で十分、間に合います。
使ってみた感想
ひと通りゲームしたところ「9900KS」に比べカクツキが発生しました。
どちらかといえば「9900K」に近い印象を持ちました。
筆者は「ゲーム重視」でPCを構築しているので残念な結果となりました。
良かったところ
❶レンダリング性能は「13%~16%」くらい高速になりました。
❷CPU温度が大幅に冷えました。
第10世代の最大の特長は「冷却効率の見直し(再設計)」と言われています。
「ソルダリング(はんだ付け)」が少ない分、「CPUの殻」を厚くして「CPU本体」を薄く設計することによりCPU本体の熱がより伝わりやすくなりました。
その結果「Cinebench R15」の測定の際、73℃以下に収まりました。
「9900KS」では「77℃」から「79℃」くらいなので冷却設計が進化したと思います。
そのおかげで「簡易水冷クーラー」でなくても「空冷クーラー」でも十分、冷却できそうです。
意外とスペースが狭い極小PCケースと相性が良さそうです。
「A4-SFX」に換装しても怖くない?!
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残念な点、注意する点
❶未だプロセスが「14nm」のままです。
さろそろ世代を超えたプロセスで「AMD」と戦って欲しいです。
❷PCIeバージョンは「PCIe3.0」のままなので「Core i9-10900K」は新しさを感じられない。
総評
冷却性能が良くなったもののパッとしないスコアでゲーム性能としては期待できない結果となりました。
しかしながらNVIDIAの次世代 「Ampere世代 」の「GeForce RTX 3080 Ti」の登場によって「10900K」の性能が発揮されると予想します。
「Core i9-10900K」の真の力を発揮するのは 「Ampere世代 」と信じたい!
お目通し戴き、ありがとうございました。
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お時間があれば、こちらも目を通して戴けると幸いでございます