今回ご紹介するのは2021年6月10日に発売されたゾタック社「ZOTAC GAMING GeForce RTX 3070 Ti Trinity=以下、RTX3070Ti」です。
「RTX3070Ti」の中で唯一の8万円台モデル!
「ZOTAC GAMING GeForce RTX 3070 Ti Trinity」は89,800円と「RTX3070Ti」の中で一番、安いモデルです。
「RTX3070Ti」の価格帯は89,800円~136,000円とかなり価格差があります。
他に1,000円の差ですがASUS社「TUF-RTX3070TI-8G-GAMING」が90,882円で数量限定で販売されました。
これらの2モデルは争奪戦の中でも最も入手が難しいと言われています。
ショップ店員の話によると「GPU」が世界的に深刻な在庫不足に襲われていて昨今の事情に反映しない本来の価格で提供するとのことです。
よって2モデルは価格面で希少性が高いモデルとして販売終了しました。
ビデオメモリは「8GB」で少ないけどゲームは快適!
「RTX3070TI」は「RTX3070」の強化版モデルです。
まずスペックを見てみます。
GPU | ||||||
コア数 | 10496 | 10240 | 8704 | 6144 | 5888 | 4352 |
ベースクロック | 1400 MHz | 1370 MHz | 1440 MHz | 1580 MHz | 1500 MHz | 1350 MHz |
ブーストクロック | 1700 MHz | 1670 MHz | 1710 MHz | 1770 MHz | 1730 MHz | 1545 MHz |
メモリ | 24 GB | 12 GB | 10GB | 8GB | 8GB | 11GB |
メモリ種類 | GDDR6X | GDDR6X | GDDR6X | GDDR6X | GDDR6 | GDDR6 |
バス幅 | 384-bit | 384-bit | 320-bit | 256-bit | 256-bit | 352-bit |
メモリ帯域幅 | 936 GB/S | 912 GB/S | 760 GB/S | 608 GB/S | 512 GB/S | 616 GB/S |
TDP | 350 W | 350 W | 320 W | 290 W | 220 W | 250 W |
大きな変更点はメモリが「GDDR6」から「GDDR6X」に変わりました。
ざっくり「RTX3070」と比べると約5%くらいパワーアップしています。
たった「5%」と感じてしまうかもしれませんが注目して欲しい点は「メモリ帯域幅」です。
「RTX3070Ti」は「608GB/S」なのに対し「RTX3070」は「512GB/S」と「100GB/S」くらい差があります。
「メモリ帯域幅=容量」が大きくなれば「メモリスピード=転送レート」に対して恩恵を受けやすくなります。
「RTX3070Ti」で大きく拡がった「メモリ帯域幅」はどのくらいポテンシャルを引き出すのか後ほど検証していきます。
「ZOTAC GAMING GeForce RTX 3070 Ti Trinity」の特長
❶第2世代レイトレーシングコア
❷第3世代テンソルコア
❸SPECTRA 2.0RGB照明
❹IceStorm 2.0 Advanced Cooling
❺FREEZEファンストップを備えたアクティブファン制御
❻メタルRGBLEDバックプレート
❼FireStormユーティリティ
開封の儀




内容物(2 x Dual 6-pin to 8-pin cable、Manual)
外観






「ZOTAC GAMING GeForce RTX 3070 Ti Trinity」をチェックする
外観はパッと見て細長くなりました。
3連ファンを採用しており全長は「317.6mm」と長いので大型VGAサイズになります。
ボディーカラーはグレーの一色で統一しています。
ゾタック社では珍しく「インターフェース」「VGA端子」にキャップが装備されていました。


ファンブレードを見てみます。
外径は実測で「9cm」でブレード数は「11枚」です。
静圧用に最適化された湾曲したブレードは、気流を最大10%増加させることができます。
「Firestorm」ソフトウェアを使用するとファンをより細かく制御できます。
またファンの回転を個別に調整することができます。
次は冷却性能を見てみます。


最大3つのグループに分割され、最大6つの銅製ヒートパイプとペアになった幅広のアルミニウム製フィンシンクがグラフィックカードの長さに広がり、以前よりも効率的に熱を抽出して分散します。
また改善されたヒートパイプレイアウトは、GPUの接触を増やし、より効率的な熱放散を実現します。
独自のオーバークロックツール「FireStorm」を使って「LED RGBライティング」「クロック調整」「ファンコントロール」など調整することができます。
ダウンロードはこちら
もしもライティングが不要な場合には「OFF」にすることができます。
バックプレートのライティングはこんな感じでロゴが光ります。
「UI」はシンプルで見やすいので直感的に操作することができます。



次はインターフェース周りを見てみます。
「ディスプレイポート」が3つ、「HDMI」が1つ装備しています。
接続ピンは「8ピン」の2つを使用します。
バックプレートは金属プレートを採用しているので、ねじれや反りの心配はありません。
それでは「ベンチマーク」を見ていきます。
換装の際の準備
グラフィックボードを取り換えるときに古いドライバの削除をおススメします。
ドライバをインストール
グラフィックボードを換装したら「GeForce」ドライバをダウンロードしインストールします。
ダウンロードはこちら
比較する「GPU」は「RTX3070Ti」「RX6800」「RTX3070」「RX6800XT」「RTX2080Ti」「RTX2070-S」「RX6700XT」「RX6800XT」です。
GPU別の比較スコアはインテル社のCPUをベースに検証しています。
「ZOTAC GAMING GeForce RTX 3070 Ti Trinity」のスコア検証
【CPU】「Core i9 11900K」
【マザーボード】「ROG STRIX Z590-I GAMING」
【メモリ】キングストン社「HyperX Predator RGB 4000MHz 8×2/16GB」
【GPU】ゾタック社「ZOTAC GAMING GeForce RTX 3070 Ti Trinity」
blender(BMW V2.90-OPTIX)ー「GPU」-数字が少ないほど「速い」ということになります。
競合するGPUの中で一番、速い結果になりました。
「RTX3070」とは「10%強」と大幅には変わりませんが「RTX2080Ti」よりも「25%」以上もスピードアップしました。
3D MARK
GPU別スコア
「3D MARK」では「RTX2080Ti」と同等のスコアになりました。
「RTX3070」とは「15%」もスコアを上げました。
「アサシン クリード ヴァルハラ」-「デフォルト設定」
「平均フレームレート」
「アサシン クリード ヴァルハラ」では「RX6000シリーズ」が圧倒的に強い結果になりました。
「RX6700XT」と比べて「フルHD」は劣りますが「WQHD」「4K」では「RTX3070Ti」の方がスコアが高い結果になりました。
「ファークライ5」-「デフォルト設定」
「平均フレームレート」
「フルHD」「WQHD」では「RX6800XT」を超えるスコアを叩き出しました。
しかし「4K」ではビデオメモリ不足の影響か大幅に失速する結果になりました。
ゴーストリコン・ブレイクポイント-「デフォルト設定」
「平均フレームレート」
「RTX2080Ti」とほぼ同等のスコアになりました。
また「RTX3070」と比べて「4%」ほど高いスコアになりました。
ディビジョン2-「デフォルト設定」
「平均フレームレート」
「RTX2080Ti」とほぼ同等のスコアになりました。
「4K」のベンチマークでは「60fps」に届いていませんが実プレイは、ほぼ「50~60fps」をキープしました。
もしも「60fps」をキープしたければ画質を「高~中設定」まで落とせば安定したプレイを楽しめるでしょう。
SHADOW OF THE TOMB RADER-「デフォルト設定」
「平均フレームレート」
「RX6800」と同等のスコアになりました。
「4K」では「草」や「水」のシーン以外は「60fps」でしっかりキープしました。
RISE OF THE TOMB RADER-「デフォルト設定」
「平均フレームレート」
「RTX2080Ti」と比べて「3%」ほどスコアが高い結果になりました。
デウスエクス マンカインド・ディバイデッド-「デフォルト設定」
「平均フレームレート」
「フルHD」では「RTX3070」よりも高いスコアを出しました。
しかし「WQHD」と「4K」では「5%」くらい下回る結果になりました。
strange brigade-「スケール150%」
「平均フレームレート」
「strange brigade」では「WQHD」と「4K」が「RX6800XT」と並ぶスコアを出しました。
ゴーストリコン ワイルドランズ-「デフォルト設定」
「平均フレームレート」
「フルHD」では競合するGPUの中では一番、高いスコアになりました。
しかし「WQHD」と「4K」ではビデオメモリが足りないせいか伸びが悪い結果になりました。
ゲーム中の消費電力(Watt)
高負荷時3DMARK 「FIRESTRIKE」(Temp)
以上「ZOTAC GAMING GeForce RTX 3070 Ti Trinity」のスコアでした。
使ってみた感想
「フルHD」「WQHD」であれば最新のゲームでも「60fps」を割ることなく快適に遊べます。
ただし「4K」や「ウルトラワイド=21:9」はビデオメモリが足りない影響か急激に動作が重くなります。
レンダリング、動画編集などは競合するRX6000シリーズよりも圧倒的にスピードアップしました。
消費電力は歴代のGPUの中では高い方ですが3連ファンの恩恵か冷却性能はかなり良い方だと思います。
ボディーサイズの全長は「317mm」と長い部類ですが幅が「117mm」なのでスリムでPCケースに換装するときは非常に楽でした。
良かったところ
❶「フルHD」「WQHD」の環境なら最高設定でも「100fps」はキープします。
非常に軽快でストレスなく快適に遊べます。
❷ゲーム中に高負荷な場面でも「80℃=室温24℃」を超えないので冷却性能はかなり良いです。
❸「RTX3070Ti」の中で「8万円台」と考えるとかなりコストパフォーマンスが優れています。
ちなみにワンランク下位の「RTX3070」が「12万円前後」が相場です。
「ZOTAC GAMING GeForce RTX 3070 Ti Trinity」がいかに安価モデルなのが分かります。
残念な点、注意する点
❶消費電力がハイエンドモデル級のワットパフォーマンスです。
消費電力を気にする方は敬遠されるのではないでしょうか。
❷ビデオメモリが「8GB」の影響で「4K」や「ウルトラワイド」の設定になると非常に重たくなります。
「フルHD」「WQHD」環境であれば何ら問題なく快適なゲーム環境が実現することでしょう。
❸冷却性能は優れていますが騒音は「45dB」と少々気になる騒音レベルです。
総評
最近は暗号通貨の下落に伴ってグラフィックボードの在庫が全体的に回復しています。
そこで個人的に気になったのは「相場のねじれ」が起きています。
例えば「RTX3070」が「12万円前後」に対し「RTX3070TI」が「11万円前後」の相場になっています。
当初の仕入れ価格が尾を引いているのが原因と言われています。
よって今の相場が高いのか安いのか、よく分からないのが現状です。
これからPC構成を新調する予定があるならば昨今の事情に反映した「RTX3070Ti」以降を選んでおけば間違いないでしょう。
「フルHD」「WQHD」環境なら「RTX3070Ti」が絶対にオススメです。
夏休みは「RTX3070Ti」と充実した日々を過ごしませんか?
お目通し戴き、ありがとうございました。
AD: N.K
主な仕様
サイズ‐317.6mm x 117.6mm x 58.8mm
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お時間があれば、こちらも目を通して戴けると幸いでございます
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