新世代は旧世代を大きく超えよ

科学技術は日進月歩の世界です。特にテレビ、オーディオ、コンピューター関連の機器は急速に加速しています。 新世代、旧世代のそれぞれの製品の特長を見い出し参考になれば幸いでございます。

【大容量VRAMはクリエイター向け】ASUS社「TUF-RTX3060-O12G-GAMING」をレビュー

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今回ご紹介するのは2021年2月26日に発売されたAmpere世代の新世代GPUASUS社「TUF-RTX3060-O12G-GAMING=以下RTX3060」です。

 

「RTX3060」の各メーカー別に価格は税込み価格で56,900円(税込)から72,800円まで幅広いグレードを用意しています。

 

GeForce RTX 3060」は「RTX3060Ti=8GB」の下位モデルですが「ビデオメモリ」が「12GB」と大容量です。

 

最新ゲームが遊べる「描画速度」+「大容量ビデオメモリ」は、まさに「グラフィックデザイン」や「動画編集」など手掛ける「クリエイター向け」に受けるスペックではないでしょうか。

 

簡単にスペック表を作成しました。

GPU RTX 3060 RTX 3060Ti RTX 3070 RTX2080-S RX 5700 XT
コア数 3584 4864 5888 3072 2560
ベースクロック 1.320 MHz 1.410 MHz 1500 MHz 11650 Mhz 1605 MHz
ブーストクロック 1780 MHz 1670 MHz 1730 MHz 1815 Mhz 1905 MHz
メモリ 12GB 8GB 8GB 8GB 8GB
メモリ種類 GDDR6 GDDR6 GDDR6 GDDR6 GDDR6
バス幅 192-bit 256-bit 256-bit 256-bit 256-bit
メモリ帯域幅 360 GB/S 448 GB/S 512 GB/S 496 GB/S 448 GB/S
TDP 170 W 200 W 220 W 250 W 225 W

 「RTX3060」は「RTX3060Ti」と比べて「ブーストクロック」以外は結構、差があります。

ビデオメモリが多いと何が良いの?

一言で言えばビデオメモリが多いとゲーム画面に映し出される映像表現がより自然になり豊かになります。

 

例えば映像効果を見ていただけると分かりやすいと思います。

 

用意するゲームは「アサシンクリード ヴァルハラ」です。

 

まず「最高画質」を見てみます。

 

「最高画質」

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「低画質」

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もっと拡大して違いを見てみます。

 

まず地面の凹凸がはっきりと映し出されています。

 

「最高画質」

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「低画質」

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次は赤い鉄柱を見てみます。

 

左「最高画質」、右「低画質」

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といった感じで映像表現が大きく変わってきます。

 

ただ誤解をしないでいただきたいのは「ビデオメモリ」は「エンジンパワー」の役割ではありません。

 

なので「ビデオメモリ」が多いからといってフレームレートが一段と速くなるわけではありません。

 

「ビデオメモリ」とは「眼の視力」と思ってイメージすると良いでしょう。

 

「オプション」にて画質設定のレベルを一括で「最高~低」まで調整できます。

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「最高~低」によって調整幅の数値が変わってきます。

 

「最高画質」

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「低画質」

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「最高画質」と「低画質」のメモリ消費量は半分も変わってきます。

 

では簡単に映像表現の効果を紹介していきます。 

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当然、「ビデオメモリ」が少なければ映像効果をいくつもの削らなければなりません。

 

「ビデオメモリ」が豊富だと有利と言えます。

 

「ビデオメモリ」は映像制作者にとっても欠かせない大切なポイントなのです。

 

よってクリエイター向けに特化したグラフィックボードと言えるでしょう。

RTX3060は最初から「Resize-BAR」が使える!

「Resize-BAR」は「RTX3060」からサポートが始まり3月中には既存の各メーカー「RTX3000シリーズ」の「vBIOS」が順次、配布される予定です。

 

長らく「32bit互換」の部分が足を引っ張っていたためにPCIeの「標準仕様」である環境が十分に活かされませんでした。

 

そこで最近、AMDが「フルセット」を提供できる強みを活かして先行対応したという流れです。

 

以前に「RX6800」の(SAM有効/無効=Resize-BAR)の比較データを取り上げましたので参考にしていただけると幸いです。

 

【封印を解き放せ!】AMD社「リファレンスモデル版 RX6800」で「SAM」の実力検証!

果たして「NVIDIA版」の「Resize-BAR」はどのくらいポテンシャルを引き出せるのか後ほど見ていきます。

 

またCPU「Ryzen9 5950x」と「Corei9 10900K」を比較した場合「フレームレート」の大きな違いはあるのだろうか?

「TUF-RTX3060-O12G-GAMING」の特長

NVIDIA Ampereストリーミングマルチプロセッサ:世界最速で最も効率的なGPUのためのビルディングブロックである全く新しいAmpere SMは、FP32の2倍のスループットと改善された電力効率を実現します。

 

❷第2世代RTコア・・・第1世代RTコアの2倍のスループットを体験し、さらにRTとシェーディングを同時に行うことで、まったく新しいレベルのレイトレーシング性能を実現します。

 

❸第3世代 Tensor コア・・・構造的スパースとDLSSなどの高度なAIアルゴリズムにより、最大2倍のスループットを実現します。これらのコアは、ゲームのパフォーマンスと全く新しいAI機能を大幅に向上させます。

 

❹Axial-techファン設計では、中央のファン方向を逆にして乱流を抑えた新チューニングを施しています。

 

❺デュアルボールファンベアリング設計は、スリーブベアリング設計に比べての最大2倍の寿命です。

 

❻優れた耐久性を誇るオールアルミニウムのカバーと金属製のバックプレート。

 

GPU Tweak IIは直感的なパフォーマンス調整と温度制御、システムモニタリングを提供。(ASUS社HPより引用)

開封の儀
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外観
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「TUF-RTX3060-O12G-GAMING」をチェックする

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「TUF-RTX3060-O12G-GAMING」は実物を見るまで「真っ黒」をイメージしてましたがボディーの質感は「鉄製」の軍装をイメージしてます。

 

表面ボディーの材質は「金属製」です。

 

少し赤みがかった黒のボディーカラーになります。

 

大きさは旧世代「RTX2000シリーズ」の重量級クラスと、ほぼ同じくらいです。

 

ファンブレードを見てみます。

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「ブレード数」は「9枚」です。 

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「センターファン」は「逆回転」させることで冷却アレイ内の気流の乱れを低減してボディ全体の排熱効率を上げるとのことです。

 

よって「55℃」以下は回転が停止して耳障りな騒音から解放されます。

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冷却方法は最上位グレード「TUF-RTX3090-O24G-GAMING」と同じなので冷却性能はバッチリです!

 

次は冷却性能を見てみます。

 

ボディの端から端まで全体が「フィン」で覆われています。

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TDP」が「170W」に対して同社ハイエンドモデルの「TUF-RTX3080-10G-GAMING」と同じ機構を採用しているので、かなり豪華な仕様です。

 

サイドを見てみます。

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分厚い「フィン」が「2.7スロット」まで占めてます。

 

かなりオーバースペック感が漂います。

 

「バックプレート」の通気口が新たに設けられ排熱効果が高まりました。

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「Dual Biosスイッチ」はわざわざソフトウェアを起動しなくてもワンタッチで「パフォーマンス」「静音」モードに切り替えることができます。

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インターフェース周りを見てみます。

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「ディスプレイポート」が3つ、「HDMI」が2つ備えてます。

 

VR」などに接続する「USB-typeC」は撤廃されてたのは残念です。

 

接続ピンは「8ピン」は1つだけです。

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バックプレートを見てみます。

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バックプレートは金属製を採用しているので自重によって反れることはありません。

 

サイドの小さな「TUF」のロゴ鮮やかなRGBライティングが輝きます。

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LED RGBライティングアプリ「Armoury Crate」を使えば美しいライティングを楽しむことができます。

 

Armoury Crateダウンロードはこちら

換装の際の準備

グラフィックボードを取り換えるときに古いドライバの削除をおススメします。

 

古いドライバ削除の詳しくはこちら!

ドライバをインストール

グラフィックボードを換装したら「GeForce」ドライバをダウンロードしインストールします。

 

ダウンロードはこちら

最近はAMD社「Ryzen9 5950X」をお使いの方が多くなってきたので今回からインテル社「Core i9 10900K」と「Ryzen9 5950X」の2つのCPUを載せておきます。

 

GPU別」のスコアは「Core i9 10900K-SAM有効」のスコアを載せています。

 

それぞれの「CPU」の特性を参考にしていただけると幸いです。

 

比較する「GPU」は「RTX3060」「RTX3060Ti」「RTX3070」「RTX2060」「RX5700XT」です。

 

それでは「ベンチマーク」を見ていきます。

「TUF-RTX3060-O12G-GAMING」のスコア検証

【CPU】「Core i9 10900K」「Ryzen 9 5950X」

マザーボード】「ROG STRIX Z490-I GAMING」「ROG CROSSHAIR VIII IMPACT」

【メモリ】キングストン社「HyperX Predator RGB 4000MHz 8×2/16GB」

GPUASUS社「TUF-RTX3060-O12G-GAMING」

   

blenderBMW V2.90-OPTIX)ー「GPU」-数字が少ないほど「速い」ということになります。

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「CPU性能」に差はありません。

 

レンダリング速度は「RTX2080-SUPER」と同じです。


3D MARK

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GPU別スコア

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アサシン クリード ヴァルハラ」-「デフォルト設定」

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「平均フレームレート」

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ファークライ5」-「デフォルト設定」

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「平均フレームレート」

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ゴーストリコン・ブレイクポイント-「デフォルト設定」

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「平均フレームレート」

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ディビジョン2-「デフォルト設定」

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「平均フレームレート」

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SHADOW OF THE TOMB RADER-「デフォルト設定」

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「平均フレームレート」

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RISE OF THE TOMB RADER-「デフォルト設定」

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「平均フレームレート」

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デウスエクス マンカインド・ディバイデッド-「デフォルト設定」

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「平均フレームレート」

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strange brigade-「スケール150%」

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「平均フレームレート」

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ゴーストリコン ワイルドランズ-「デフォルト設定」

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「平均フレームレート」

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ゲーム中の消費電力(Watt)

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高負荷時3DMARK 「FIRESTRIKE」(Temp)

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総合的なスコアを見てみると「RTX2060」よりも20~30%くらいパワーアップしています。

 

GPU性能は「RX5700XT」<「RTX3060」<「RTX2060」といった感じになりました。

 

「RX5700XT」よりもスコアが低い結果となり思ったよりもスコアが伸びなくて残念です。

 

以上「TUF-RTX3060-O12G-GAMING」のレビューでした。

使ってみた感想

最新のゲーム「call of duty: black ops cold war」を遊んでみました。

 

フルHD」の最高画質で試したところ余裕で80~90fpsをキープしています。

 

「WQHD」では常時「60fps」をキープします。

 

ただ「ジャングル」の場面では20~30fpsまで落ち込むことはありますが画質を「中設定」まで下げると概ね「60fps」をキープします。

良かったところ

ビデオメモリに余裕があるので「光の明暗」「葉の立体感」「水のしぶき」など、より自然に近い映像表現が楽しめます。

 

また最新のゲームが「フルHD」で常時60fpsをキープしてストレスなく遊べます。

残念な点、注意する点

❶最大の欠点はシンプルに価格です。

 

「暗号通貨=ビットコイン」の影響もあってが過去にないほどグラフィックボードが枯渇してしまい非常に入手しづらいです。

 

今は時期が悪いです。

 

「4万円台」なら全く文句なしの最高のグラフィックボードなのですが価格帯が56,900円~72,800円と非常に高価です。

 

「RTX3060Ti」の初値が55,000円~70,000円前後なのでグラフィックボードの供給が安定するまで我慢した方が良さそうです。

 

❷「Resize-BAR」の効果がほとんどありません。

 

今のところは「Resize-BAR」による恩恵は見受けられませんが今後のアップデートに期待したいです。

総評

価格以外は概ね満足するパフォーマンスを持っています。

 

大容量ビデオメモリ12GBは「クリエイター向け」に特化したグラフィックボードと言えます。

 

ゲームはそこそこ遊べるので価格さえ見合っていればコストパフォーマンスが非常に良いです。

 

市場が安定したら一番オススメしたいグラフィックボードです。 

 

とにかく投入時期が悪く「RTX3060」の魅力が半減しています。

 

「RTX3060」は悪いと誤解されています。

 

決して「RTX3060」が悪いわけでなく単に時期が悪いです。

 

何度も言いますが、今は時期が悪い・・・・。

 

 

お目通し戴き、ありがとうございました。

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