新世代は旧世代を大きく超えよ

科学技術は日進月歩の世界です。特にテレビ、オーディオ、コンピューター関連の機器は急速に加速しています。 新世代、旧世代のそれぞれの製品の特長を見い出し参考になれば幸いでございます。

【万能スイッチヒッター】AMD社ゲーム専用CPU「Ryzen 9 7950X3D」をレビュー

今回ご紹介するのは2023年3月3日に発売されたAMD社「Ryzen 9 7950X3d=以下、7950X3D」です。

 

価格は111,800円(税込)です。

 

 

スペックを見てみます。

CPU

7950X3D

7950X

13900K

5800X3D

コア数 16 16 24 (8P+16E) 8
スレッド数 32 32 32 16
ベースクロック 4.2 GHz 4.5 GHz 3.0 GHz (P) 3.4 GHz
ブーストクロック 最大 5.7 GHz 最大 5.7 GHz 5.8 GHz (TVB) 最大 4.5 GHz
L2 cache 16 MB 16 MB 32/36 MB 4 MB
L3 cache 128 MB 64 MB 96 MB
対応メモリ 5200 MHz 5200 MHz DDR5-5600 / DDR4-3200 DDR4-3200
TDP 120 W 170 W 125W 105 W

「7950X3D」は「64MB」のSRAMを積層している「3D V-Cache」と呼ばれる新しい技術を採用しています。

 

これにより「128MB」のL3キャッシュ容量を実現しています。

 

また「電力消費量」を抑えるように設計されて「TDP」が「120W」に引き下げられ他の性能も最適化されているとのことです。

シーンによって使いこなせ!

「7950X3D」の「2基」のうち「1基」のCCDには「64MB」のSRAMを「積層」した「3D V-Cache」という新しい技術が搭載されています。

 

この技術を使うには「特別なドライバー」が必要です。

 

このドライバーは「3D V-Cache パフォーマンス・オプティマイザードライバー」と呼ばれゲーム以外の処理ではより「高速なCCD」を使います。 

 

「ゲーム中」は「3D V-Cache搭載CCD」を優先して使うように設定されています。

 

「上級者向け」には「マニュアル操作」をすることで「3D V-Cache搭載CCD」の「1基」のみを運用する「疑似Ryzen 7 7800X3D化」が可能とのことです。

 

時間があったらレビューします。

 

「7950X3D」は「初心者」の方には扱いが難しく敷居が高いのが最大の難点です。

 

それでは「Ryzen 9 7950X3D」を見ていきます。

開封の儀

外観

「ポン付け」は絶対ダメ!

Ryzen 9 7950X3D」を換装しただけでは「3D V-Cache」が反映されませんので必ず以下の手順を行ってください。

 

マザーボードの「BIOS」は最新版にアップデートします。

「BIOS」はこちら

次は「BIOS」をダウンロードして「USBメモリ」に「CAPファイル」をコピーしてください。

コピーしたら一旦、再起動します。

 

電源投入後、ロゴが表示されますので「F2」を押します。

 

BIOS画面」になったら「F7」を押して「ツール」→「ASUS EZ Flash 3 ユーティリティ」をクリックします。

先ほどコピーした「ROG STRIX X670E-I GAMING WIFI BIOS 1222」を探してクリックするとアップデートが始まります。

 

 これでアップデートは完了です。

 

❷「OS」も最新版にしておきます。

 

Windows 10 1903以降」「Windows 11 21H2以降」にダウンロードしたら必要なドライバーもセットアップしておきます。

 

❸デスクトップ画面の左下の「検索」から「コア分離」と入力して「コア分離」を有効化にします。(Windows 11のみ) 

❹「設定」にて「ゲームモード」が有効か確認しておきます。

❺「チップセットドライバ」も最新版にアップデートします。

 

「AMD Chipset Drivers」はこちら

 

ダウンロードしたらインストールします。

システムを反映させるためにアイドリングで「数分間放置」するか「管理者権限」で開いた「コマンドプロンプト」で「Cmd.exe /c start /wait Rundll32.exe advapi32.dll,ProcessIdleTasks」のコマンドを実行してください。

 

個人的には簡単な「数分間放置」をオススメします。

 

❻「Microsoftストア」で「Xbox Game Bar」をダウンロードして最新版にアップデートします。

Xbox Game Bar」を開いて「設定」をクリックします。

「フィードバック」→「その他の診断情報を表示」をクリックして「KGL Version Loaded」と「KGL Service Version」が並んでいるか確認します。

❼最後に「コントロールパネル」より「デバイスマネージャー」→「システムデバイス」をクリックします。

AMD 3D-V-Cache Perfomance Optimizer」と確認できたら設定完了です。

 

それでは「Ryzen 9 7950X3D」のスコアを見ていきます。

Ryzen 9 7950X3D」のスコア検証

【PCケース】STREACOM BC1 V2 Open Benchtable Titanium

【CPU】AMD社「7950X3D」「Ryzen 9 7950X」「Ryzen 7 5800X3DINTEL社「13900K

マザーボードASUS社「ROG STRIX X670E-I GAMING WIFI」「ROG STRIX Z690-I GAMING WIFI」「ROG Strix X570-I Gaming

【メモリ】CORSAIR社「VENGEANCE DDR5, 6000MHz 32GB(16GBx2)」/ キングストン社「HyperX Predator RGB 4000MHz 8×2/16GB」

GPUASUS社「TUF-RTX4090-O24G-GAMING

PSUThermaltake社「TOUGHPOWER GF3 1000W

【AIO】ASUS社「ROG Ryujin II 240

【Ver】GeForce 531.29

 

「Resizable BAR」は有効にしています。

 

「7950X3D」のポン付け(無設定)は「7950X3D-Non」と表記しています。

3D MARK

CPU別スコア

Cinebench R23ー「CPU」

CPU別スコア

blender(V3.4.0)ー「CPU」

CPU別スコア

「フォースポークン」-「プリセットー最高」

「平均フレームレート」

Call of Duty: Modern Warfare 2」-「プリセットー極限」

「平均フレームレート」

「Horizon Zero Dawn」-「プリセットー最高」

「平均フレームレート」

「zombie army 4」-「プリセットーウルトラ」

「平均フレームレート」

アサシン クリード ヴァルハラ」-「プリセットー最高」

「平均フレームレート」

ファークライ5」-「デフォルト設定」

「平均フレームレート」

ゴーストリコン・ブレイクポイント-「プリセットーウルトラ」

「平均フレームレート」

ディビジョン2-「プリセットー最高」

「平均フレームレート」

SHADOW OF THE TOMB RADER-「プリセットー最高」、「DLSSークオリティ」

「平均フレームレート」

デウスエクス マンカインド・ディバイデッド-「プリセットーウルトラ」

「平均フレームレート」

strange brigade-「プリセットーウルトラ」「スケール150%」

「平均フレームレート」

ゴーストリコン ワイルドランズ-「プリセットーウルトラ」

「平均フレームレート」

トータルスコア・ゲームスコア(3D MARK、R23、blender-省略)

以上「Ryzen 9 7950X3D」のスコアでした。

使ってみた感想

「7950X3D」は「3D V-Cache」を反映させるには「ポン付け」ではスコアが伸びないだけでなく「最低fps」に強く影響します。

 

「3D V-Cache」をフル活用するにあたって煩わしいセットアップが必要です。

 

上記の手順通りに進んでみてください。

 

競合するCPUとの差は大きくないですが、タイトルによっては「フルHD」では「13900K」よりも性能が大幅に向上することがあります。

 

特に「高リフレッシュレートモニター」との相性が良いです。

 

筆者は「4K環境」を利用しているためフレームレート向上にはあまり恩恵を感じませんが「消費電力」が抑えられるため非常に扱いやすくなりました。

良かったところ

❶消費電力が「7950X」と比べて大幅に下がりました。

 

例えば「Cinebench R23」の場合、ピーク時には「70W」以上、電力を抑えることができます。

 

左「7950X3D」、右「7950X」 室温「19℃」

ゲーム中は「70℃前後」です。

アイドリング時は「50℃台」をキープします。

よって「空冷クーラー」で運用は可能です。

 

Mini-Itxケースと相性が良いので是非、試してみてください。

 

❷「フルHD」が「13900K」と比べて更に伸びます。

 

特に「高リフレッシュレートモニター」との相性が良いです。

残念な点、注意する点

❶「3D V-Cache」が「ポン付け」ではパフォーマンス性能が著しく低下します。

 

煩わしい設定をクリアして「3D V-Cache」が活用できるので「初心者向け」の方にはオススメしません。

 

❷ゲーム以外の性能は「13900K」と比べて微妙です。

 

トータルバランスでは「13900K」の方が安定している。

 

❸「オーバークロック」が推奨されていない。

 

「3D V-Cache」はチップを重ねる特性上、発熱が高く高温に弱いので「オーバークロック」はCPUを破損させる恐れがあります。

総評

ゲームに特化した「7950X3D」は「13900K」と同等以上のゲーム性能を持ち消費電力が「半分程度」なのでゲーム目的なら「7950X3D」の一択です。

 

ただ「ゲーム以外」のクリエイティブ目的なら「13900K」「7950X」の方が優位となる場合があり用途によって大きく変わりますので注意してください。

 

4月に発売を控える「Ryzen 7 7800X3D」は「7950X3D」と比べてゲーム性能差はあまりないと報告されています。

 

「7800X3D」の売れ行き次第ですが「7950X3D」が値下がる可能性があるので様子を見てから「7950X3D」を購入すると良いでしょう。

 

お目通し戴き、ありがとうございました。

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主な仕様

ソケット形状 -LGA1718
コア数-16コア スレッド数-32
クロック周波数-4.2GHz
最大動作クロック周波数-5.7GHz

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